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循環器系の構造と機能 /動物形態機能学【愛玩動物看護師国家試験対策・例題演習】

今回の問題

循環器系に関する問題

ポイント

循環器系は、心臓、血管(動脈、静脈、毛細血管)、リンパ系から構成され、体内に酸素や栄養を運び、老廃物を回収する役割を担っています。

心臓:

血液を全身に送り出すポンプの役割を担います。
洞房結節で発生した電気信号が、房室結節、ヒス束、プルキンエ線維へと伝わり、心房、心室の順に収縮が起こります。
この一連の流れを刺激伝導系と呼びます。
心臓の拍動は、この刺激伝導系の自動能(自発的に興奮する性質)と自律神経によって調節されます。
自律神経には交感神経副交感神経があり、交感神経が優位になると心拍数は増加し、副交感神経が優位になると心拍数は減少します。

血管:

  • 動脈: 心臓から送り出された血液を全身に運ぶ血管です。
    弾力性に富み、血圧に耐えられるよう、静脈に比べて血管壁が厚く、弾性繊維が豊富です。弁は存在しません。

  • 静脈: 全身から心臓に戻る血液が流れる血管です。
    動脈に比べて血管壁が薄く、弾性繊維が少ないです。太い静脈には、血液の逆流を防ぐための弁が存在します。

  • 毛細血管: 動脈と静脈をつなぐ細い血管で、組織との間で酸素や栄養、老廃物の交換が行われます。

リンパ系:

リンパ管、リンパ節、リンパ液で構成される、循環器系を補助するシステムです。

  • リンパ管: 組織液(細胞間を満たす液体)を回収し、静脈に戻す役割を担います。リンパ管には、逆流を防ぐためのが備わっています。

  • リンパ節: リンパ管の途中に存在する、免疫細胞が集まる器官です。細菌や異物を除去し、生体防御に重要な役割を果たします。

  • リンパ液: リンパ管内を流れる液体です。通常は無色透明ですが、消化管周辺の乳び槽や胸管では、脂肪の吸収によって乳白色になります。

血圧調節:

血圧は心臓から送り出される血液の量(心拍出量)と末梢血管抵抗によって決定されます。血圧調節の中枢は延髄にあり、血圧の変動を感知して自律神経系やホルモンを介して血圧を一定に保っています。

血圧の概念

問題解説

選択肢を検証すると以下のようになります。

① リンパ管には逆流防止のための弁が存在する: 正しい
リンパ管には弁があり、リンパ液の逆流を防いでいます。

② 動脈は静脈に比べて血管壁が薄い: 誤り
動脈は静脈に比べて血管壁が厚く、弾性線維に富んでいます。これは、心臓から送り出される高い血圧に耐えるためです。

動脈の概略図

③ リンパ液は基本的には無色透明の液体だが、消化管周辺の乳び槽や胸管では乳白色である: 正しい
リンパ液は通常無色透明ですが、消化管で吸収された脂肪を含むため、
乳び槽や胸管では乳白色を呈します。

よって、問6の答えは②です。

これだけ暗記!

循環器系の重要事項まとめ

練習問題ファイル

以下↓は↑の解答解説


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