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薬剤の計算法総まとめドリル【愛玩動物看護師国家試験対策】

「計算問題なんて、どうせ無理…」

そう思って諦めていませんか?
計算問題は正しい対策を行えば、確実に得点源に変えることができます。

この記事では、愛玩動物看護師国家試験における計算問題対策の具体的な方法と、合格に近づくための徹底演習を授けます。

もう計算問題で悩む必要はありません。この記事を読み終えて演習をこなしきる頃には、計算問題に対する自信合格への確信が生まれているはずです。

このアカウントでは動物専門学校講師が、愛玩動物看護師国家試験の対策法について可能な限り丁寧に解説します。ご意見・ご要望がありましたら、コメント欄からお問合せください。


動物看護師国家試験の計算問題とは?

愛玩動物看護師国家試験では、一般問題と実地問題において、何問か計算問題が出題されます。例えば次のような問題です。

3.5 kg の猫に薬物Aを80 mg/kg で投与したい時、濃度0.2 g/mL の薬物A溶液の投与量はどれか。
① 1.2 mL
② 1.4 mL
③ 1.6 mL
④ 1.8 mL
⑤ 2.0 mL

第一回愛玩動物看護師国家試験 一般問題 問30より

このような「問題にある数字を計算すれば答えがわかる」問題は実は慣れれば確実に得点できる非常においしい分野なんです。

過去実施された国家試験での計算問題の出題数は次のようになります。

愛玩動物看護師国家試験・計算問題出題数

あれ…意外と少ないな?
と思いましたか?そうなんです。実は計算問題は問題全体の1~2 %しか出題されません

したがって、計算問題は捨てる!!というのも十分選択肢ではあると言えますが、もしも!
あと1〜2%得点できたらで受かっていたのに!!
という後悔を抱えたくない方、または
「暗記ばかりの国家試験の勉強に疲れた」
「もう暗記はウンザリ…」
といった暗記勉強に疲れた方が気分転換の勉強教材として利用することをおすすめします。

ですが、もしもこの記事と付録のファイルを完全に理解したならば、愛玩動物看護師国家試験の計算問題を問題を解答する為に必要な知識やコツが定着することをお約束します。

それでは早速始めていきましょう。

セクション1. 散剤の計算

散剤と薬包紙

用語の確認(質量、用量、散剤の投与量)

散剤、すなわち粉薬は、質量を測って投与されます。
この質量は、通常gグラムmgミリグラム、あるいは、μgマイクログラムという単位が用いられ、動物病院では、mgミリグラム単位の値で最も利用されます。

要するに現場でも mg 単位の重さを測って調整することが多い、ってことです。
ほそくインコ1

一円玉が 1 グラムであることを考えると、ミリグラム単位の質量を調整するのはものすごく微量の単位であることがイメージできると思います。

薬剤を動物にどの程度投与するのかを示す用語を用量あるいは薬用量といいます。
動物に投与する1回分の用量は、通常mg/kgミリグラム毎キログラム
…すなわち「動物1 kg あたりに投与する薬物の質量(mg)」を用いて表されます。

1回分の用量は製薬会社や研究者たちが実験と研究を重ね、その薬の無効量、有効量、中毒量、致死量などを見極めることで設定されます。

投薬量が少なすぎたら十分な効果が現れず、多すぎたら副作用や有害事象が強く現れて、最悪死に至るため、ただしく計算しなければなりません。

そして、最終的に動物に投与する散剤の投薬量は、mgで表します。

散剤の計算に用いる用語

例題1-1

さて、それでは次のような例題について考えてみましょう。

例題1-1

この薬剤の一回分の用量は5 mg/kgであるため、
体重1 kgあたり5 mg投与しなければならないんだな
ということが読み取れます。

散剤計算のイメージ

今回は2 kgの犬に投与するため、一回分の用量に体重の値を掛け算すると、
$${2\mathrm{\,kg}\times5\mathrm{\,mg/kg}=10 \mathrm{\, mg}}$$となり、答えは10 mgです。

このように、散剤の投薬量は

$$
\mathbf{体重(\mathrm{\,kg})\times一回分の用量(\mathrm{\,mg/kg})=投薬量(\mathrm{\,mg})}
$$

として計算できます。

ほそくインコ2

練習問題ファイル1

このセクションの内容を完全に定着させたい!という方は、以下のファイルの問題に挑戦してみましょう。

以下↓は、↑のファイルの解答解説です。

セクション2. 錠剤の計算

錠剤とカプセル

用語の確認(錠、カプセル、含有量)

薬物の用量は1キログラムあたりの質量(mg/kgなど)で表されますが、全ての薬剤が粉の形で販売されているわけではありません。

多くの内服薬は錠剤やカプセルの形で購入・保管され、「〜錠, 食後30分, BID」のような形で処方することが多いです。
したがって、錠剤で処方する際は薬剤の質量(mg)ではなく「〜錠」という単位で応じる必要があります。

錠剤の薬物の含有量は、一錠あたりの薬物量として$${\mathbf{\mathrm{\,mg/錠}}}$$として表されます。
また、カプセルの場合は$${\mathbf{\mathrm{\,mg/cap}}(←カプセルのこと)}$$として表されます。

錠剤・カプセルの計算に用いる用語

例題2-1

例題2-1

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