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フリーきっぷを使わずに遊んだ話

久しぶりにバイトのない週末がやってきた。
どうやら人手が十分になったらしい。
それで暇になった自分は、翌週に旅行が控えているにも関わらず出かけることにした()

なお代勤で土曜日も働いた模様。

きっぷを入手

いろいろと面倒くさいきっぷ

今回用意したのは、千種ちくさから金山までのきっぷ……、なのだが金額と経由にに注目してほしい。
二区間で1,580円。経由は中央西、太多、高山線、東海道である。
実はというほどでもないが、千種から金山に行くルートは2種類存在する。
一つは、中央西線の名古屋方面に向かうルート。
もう一つは、中央西線の多治見たじみ、中津川方面へ向かうルート。
今回は後者のルートになる。

逆向きに進んでなぜ往復せずに金山に向かえるのかというと、イメージとしては千種と金山の駅が環状線の中にあるという状態だからだ。実際は一つの路線ではないのだが、中央西線で多治見まで向かい、太多たいた線に乗り換え美濃太田まで向かい、高山本線に乗り換え岐阜まで向かい、東海道線に乗り換え金山まで向かい……といった感じで途中で折り返すことなく移動することができる。

ちょっとJR東海に詳しい人なら、青空フリーパス使えばよくない?とかICカードで大回り乗車すれば?とか思うかもしれない。
だが、今回は訳あってこのようなプランとなった。
まず、金欠で貧乏旅しかできないというのが一つ。冒頭でも書いたが、自分は来週末に旅行に行くため予算がない。確かに青空フリーパスは大変お得なきっぷだ。しかし、そうはいっても2,640円もする。日々、自販機でジュースを買うかどうか悩む自分に、2,640円のきっぷというのは高い。あと、定期で豊橋から名古屋市内まで出られるし……。ということで青空フリーパスは買わず。

青空フリーパスのお世話になる氏

次にICカードで大回り乗車。そもそもこれがOKなのかという疑問が残るが、今問題なのはここではない(公式に多治見、岐阜間の例が出ているが、さすがに尾頭橋、名古屋間で大回り乗車等はやりすぎなのでは?)。問題は途中下車ができないということである。今回は、列車に乗るという目的もあるのだが、もう一つ目的があった。それは、沿線を見たいというものである。近年、中央西線の沿線では再開発等が進んでいる。高蔵寺駅はリニューアル工事が終了し、明るくきれいな空間に生まれ変わった。多治見駅南側では再開発が完了し、商業施設等が新たに誕生した。土岐にはイオンモールがオープンし、公共交通機関の役割に変化もみられる。そのような東濃地域周辺の変化を見たかった。故に途中下車ができない大回り乗車は選ばれなかった。

上記の目的を果たすために、きっぷの購入には2つの制限が生まれた。
一つは、2,640円未満であること
もう一つは、100km以上の区間であること
以上である。
一つ目は、言うまでもないが、青空フリーパスよりも安いことが求められる。2,640円以上なら青空フリーパスを買えば済む話だ。
二つ目は、途中下車が有効にするためだ。普通、乗車券(きっぷ)は途中下車不可である。しかし、片道の営業キロが100kmを超える乗車券は、一部例外を除き途中下車が可能になる。また、有効期間が2日以上になるというメリットもある。
これらの条件を考慮した結果が千種、金山間である。元々はしなのに乗ろうとしていたというのもあるが。
なお金額については、100km以上なので学割で20%OFFになる。

旅がスタート@千種駅

まずは千種駅から。
乗り換えでよく使う駅ではあるが、意外と駅をまじまじと見ることは少ない。ということで乗り換えの合間に探索。

千種駅の近距離運賃表

近距離で柘植つげ駅までの切符が買えることに驚いた。

いよいよ乗車券の旅が始まる。

JR東海最新の315系

やってきたのは315系のC2編成(セカナン)。
315系は2022年3月デビューの新しい電車だが、あっという間に導入が進み中央西線の列車の半分は315系で運行されるようなった。
画像の編成は今年の2月に非常走行用の蓄電池搭載の改造を終えて工場を出てきた。

改修が終わった駅で団臨に遭遇@高蔵寺駅

快速なので新守山駅と神領駅を通過し、最初の目的地である高蔵寺駅に到着。
高蔵寺駅は愛知県春日井市にある駅で、ここを終着とする列車が設定されるなど、中央西線の中でも大きな駅である。また、共同使用する愛知環状線も合わせて1日の乗降者数は5万人を超え、春日井市の中で最も利用者が多い駅である。

高蔵寺駅は現在、春日井市の「高蔵寺リ・ニュータウン計画」に基づき再整備が進められている。
高蔵寺駅周辺には、千里、多摩ニュータウンと並び教科書に出てくる高蔵寺ニュータウンがある。しかし、これらのニュータウンはまちびらきから50年以上が経過し、住民の減少や高齢化が深刻な問題となっている(オールドタウンと呼ばれたりもする)。
そこで春日井市は高蔵寺ニュータウンを持続可能なまちにするために「高蔵寺リ・ニュータウン計画」を策定し、多くのプロジェクトや施策を推進している(旧小学校施設をリノベーションした多世代交流拠点施設「グルッポふじとう」の整備など)。
この長期的な計画の中で高蔵寺駅の再整備は、主要プロジェクトの一つとされている。ニュータウンの顔としての「高蔵寺ゲートウェイ」の整備が取り組みとなっている。

現在までに再整備(改修)が完了しているのは、駅の地下道の一部と南口駅前広場である。

改修が終わった高蔵寺駅南口駅前広場

歩道部の屋根が増えるなどすべての利用者に配慮された改修が行われた。
地下道にデジタルサイネージが設置され、最近の駅らしい内装となった。また、ストリートピアノも設置されている。ちなみに春日井市の広報大使には内匠慧氏などが居る。

高蔵寺駅にあるHello! New NANKIの宣伝コーナー

もう一つ見たかったのは、なぜか高蔵寺駅にあるHello! New NANKIの宣伝コーナーだ。今年の7月1日から名古屋駅~紀伊勝浦駅間のすべての特急「南紀」がHC85系で運転されるようになる。その告知がなぜか運行区間から離れた中央西線の高蔵寺駅で他駅より大々的に行われているのだ。
この不思議な光景を見に高蔵寺駅にやってきたのだ。

次の駅に行こうと改札を通ると、愛環の発車標に「団体」の文字が。
ホームに行くと、ヘッドマークを掲げた編成が在線。

2000系G10+G9編成

これは愛知環状鉄道が主催した「2パンタ車で巡る愛環の旅&撮影会」で運行された臨時列車で、名前の通り1両に2基パンタグラフが搭載された列車で用いられた。霜取りパンタグラフと呼ばれるパンタグラフは通常、冬季に使われるもので、この時期には見られない貴重な光景であった。

新しい商業施設を見る@多治見駅

撮影後、高蔵寺駅を離れ次の乗換駅兼目的地の多治見駅へ。
多治見駅は中央西線と太多線の接続駅で、特急しなのが停車するなど多治見市の玄関口として機能している。1日の乗降者数は2.6万人ほどで、高蔵寺駅の約半分である。

駅南の温度計

画像の温度計はテレビなどでもよく登場するものだ。この日は5月としては暑い日で、16時頃まで30℃を超えていた。

多治見駅に来たのは、新しくできたプラティ多治見を見るためだった。
多治見駅も再開発が進む駅だ。高蔵寺とは違い、駅の北側から再開発が進み平成の間に大方完了した。駅南地区も再開発が進められ、昨年の11月に再開発事業が完了した。

プラティ多治見の外観

駅南地区の再開発ビルの一つであるプラティ多治見は、3月にグランドオープンを迎えたばかりの真新しい商業施設だ。
多治見駅直結の建物には12のテナントが入っている。
核店舗は、1階にあるスーパーマーケットのMikawayaで、隣には100円ショップのダイソーがある。

Mikawaya
プラティ多治見の核店舗

この日はマグロを使った商品が多かったので、素晴らしいスーパーだと思った。

多治見駅からは太多線に入る。太多線は多治見駅と美濃太田駅を結ぶ非電化単線の路線だ。言わずもがな使用車両はすべて気動車。
私が気動車に乗りたいなと思ったときはほぼ必ずここに向かう(たまに快速みえに乗りに行くことがあるけれど)。

キハ75系
架線(電線)はあるがパンタグラフがない。

キハ85ウォッチャー@美濃川合駅

気動車に揺られたあと、終点ひとつ前の美濃川合みのかわい駅で降りる。
カーブ上にある無人駅で、1日の乗降者数は400人ほどの小さな駅だ。
この駅で降りたのは最後の目的地に向かうため。

駅から北に向かって歩いて5分も経たないうちに見えてきたのが美濃太田車両区だ。

美濃太田車両区

ここにはJR東海で使われなくなった車両が保管(放置)されている。
個人的にここには2つの目玉車両が居ると考えている。
一つ目は、カバーのない車両だ。
これはキハ85系で、HC85系の先代に当たる車両だ。特急型気動車で、ワイドビューひだやワイドビュー南紀で使われた。特急ひだの車両はすでに後継のHC85系に置き換えられており、余剰となったキハ85系は譲渡されたり、廃車解体されたりした。
詳細はこの記事で語っている↓
https://note.com/vmncfs9xbbsrhuw/n/nee77ae45f79f
今回見に来たのは、保存されている車両だ。Twitterに投稿されていたように、美濃太田車両区にキハ85-1、一両が保管されていた。

キハ85-1
海ナコ表記が残る
車番

運用を離脱した後に来ただけあって、海ナコ表記などははっきりと残っていた。
このように保管されているということは、JR東海も保存の意志があるのだろうか?ただ、展示施設はすでに満杯であり、施設で保存することは困難だと思われる。

もう一つの目玉は、キハ85系の後ろにある国鉄トキ900形貨車だろう。
戦中から戦後にかけて製造された無蓋貨車で、これの特徴は特異な三軸であることだ。一般的な二軸車に中間軸を入れたこの貨車は、その特殊さ故に戦後すぐに淘汰されてしまった車両である。

特徴的な三軸

本車は浜松工場から移動してきたもので、12年前からここに居る。
これもまた鉄道館に行くのではないかと噂されたのだ、10年以上も当地で保管されることになった。

トキ900形

いつかはカバーのない状態で見てみたい車両だ。

帰宅へ@美濃川合駅→岐阜駅→金山駅

美濃川合駅に戻った時点で、日没が近づいていた。アレコレ見たいのだが、手持ちのポンコツ(安めのコンデジ)では撮れないので帰宅することに。
美濃川合からは高山本線直通の岐阜行に乗り、岐阜駅へ向かう。

ワンマン運転の岐阜行

岐阜駅からは東海道線で金山駅まで。
座れたのは良かった。

この辺りから文も写真も雑になるなど……

フリーきっぷを使わない乗車券の旅はいかがだっただろうか。
戻ることはできないものの、距離によっては乗車券の方が安かったりもする。また、学生であれば学割(2割引き)でお得になる距離は増す。

次は北陸旅の2回目を出す予定。
前々回の旅行のnoteがまだ書けていないというね……。
ちなみに次の旅行は6月第3週目の予定。

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