【WordPressプラグイン】ワールドアップロード機能について
こんにちは!
Vma plus株式会社です。
この記事は、2024年9月13日にリリースされた、WordPressプラグイン「Vma plus Station」PRO版で利用可能な、ワールドのアップロード機能を活用するためのマニュアル記事です。
オリジナルのワールドを作るためのテンプレートの概要や、作ったワールドをプラグインにアップロードするまでの手順を詳しくご紹介していきます!
ワールドアップロード機能について
ワールドアップロード機能は、WordPressでメタバースが作れるプラグイン「Vma plus Station」PRO版で利用することができる機能です。
Vma plusがあらかじめ用意しているテンプレートを使ってオリジナルのワールドを作り、プラグインにアップロードすることで、ご自身のWordPress上に自分で作ったワールドのメタバース空間を作ることができます。
プラグインにアップロードすることができるワールドは、テンプレートとして提供されているPlayCanvasのプロジェクトを使って作られたワールドのみとなっており、ご自身のWordPress上に自分で作ったワールドのメタバース空間を作るには、PlayCanvasのアカウントが必要となります。
ワールドアップロードの手順
事前準備
ディレクトリ構成の確認
テスト実行
自分で用意したワールドのインポート
プラグインにアップロードするワールドをエクスポート
PRO版のプラグインへアップロード
事前準備
✅PlayCanvasのアカウントの準備
前述のとおり、ワールドアップロード機能を使うには、PlayCanvasという3Dコンテンツをブラウザ上で実行することができるゲームエンジンを使ったワールドのカスタマイズが必要になるので、PlayCanvasのアカウントを用意してください。
✅テンプレートプロジェクトを複製し、自分用の新規プロジェクトを作成する
1.PlayCanvasにログインする
まず、PlayCanvasの公式サイトにアクセスし、アカウントにログインします。
ログインはこちらから:https://login.playcanvas.com/
2.テンプレートプロジェクトをフォーク*する
(1)テンプレートとなるPlayCanvasのプロジェクトページにアクセスします。
テンプレートプロジェクト:https://playcanvas.com/project/1246843/overview/wordpresstemplate
(2)PlayCanvasにログインした状態で、ページ上部にある「Fork」ボタンをクリックします。
(3)「プロジェクト名」を入力するウィンドウが表示されたら、わかりやすい名前を入力し、「FORK」ボタンを押してプロジェクトを複製します。
3.編集画面を確認する
「EDITOR」ボタンをクリックしてプロジェクトの編集画面が確認できれば複製完了です。
ディレクトリ構成の確認
ディレクトリ構成を確認するには、シーンの編集画面の左側にある「Code Editor」メニューをクリックします。
テンプレートプロジェクトのディレクトリ構成は以下の通りです。
本テンプレートでは変更可能なディレクトリと、変更不可なディレクトリが明確に分かれています。
「CoreProject」配下のディレクトリには、本プロジェクトのコアとなるスクリプトやアセットが含まれており、「CoreProject」配下のディレクトリに変更を加えてしまうと、予期しない動作が起こる可能性がありますので、編集はしないでください。
「UserFiles」配下のディレクトリのみを更新するようお願いいたします。
テスト実行
PlayCanvasでは、ブラウザ上で、編集したワールドのテスト実行をすることができます。
テンプレートをフォーク(複製して新しいプロジェクトを作成)してすぐの段階でも動作は可能です。
✅PlayCanvasで自分が作ったワールドをテスト実行するための手順
1.PlayCanvasにログインする
ログイン済みの場合はスキップしてください。
2.プロジェクトを開く
フォークしたプロジェクト詳細画面の「EDITOR」ボタンをクリックしてプロジェクトの編集画面を開きます。
3.シーン*を選択する
(1)プロジェクトの編集画面上にシーン一覧が表示されるので、テスト実行を行う場合は、「Initialisation」シーンをクリックします。
(2)選んだ「Initialisation」シーンがロードされて、シーンの編集画面が表示されます。
4.テスト実行する
(1)シーンが正しく表示されたら、画面右上にある「Launch」ボタンをクリックします。
(2)別のタブまたはウィンドウで、ワールドが実行されます。この画面で、ワールドの動きを確認したり、プレイしてテストすることができます。
5.テスト結果を確認する
フォークしてすぐのテスト実行の場合は、メタバース空間に入れればテスト完了です。
それ以外の場合は、テスト実行画面(メタバース空間)で動きを確認し、問題があればPlayCanvasの編集画面に戻って修正を行います。
必要に応じてテスト実行を繰り返しながら修正の反映確認をしてみてください。
自分で用意したワールドのインポート
✅インポートするワールドを準備
ワールドのファイル形式としては、GLB、FBX、COLLADA、OBJなどが使用できますが、PlayCanvasではGLB形式が推奨されています。
まずは、これらの形式でワールドのファイルを用意しましょう。
本マニュアル記事では、上記の形式でワールドの作成はできているものとして手順を紹介していきます。
✅ワールドをPlayCanvasへインポートする
1.PlayCanvasにログインする
ログイン済みの場合はスキップしてください。
2.プロジェクトを開く
フォークしたプロジェクト詳細画面の「EDITOR」ボタンをクリックしてプロジェクトの編集画面を開きます。
3.シーンを選択する
(1)プロジェクトの編集画面上にシーン一覧が表示されるので、「SceneTemplate1」シーンをクリックします。
(2)選んだ「SceneTemplate1」シーンがロードされて、シーンの編集画面が表示されます。
4.用意したワールドのファイル(GLBなど)をインポート
(1)画面中央下部「Assets」パネル内の「UserFiles」 > 「SceneTemplateAssets」 > 「Assets」フォルダに、用意したワールドのファイルをドラッグアンドドロップします。
(2)インポートすると、PlayCanvasが自動的にそのワールドに対応するTemplateファイルを「Assets」フォルダの中に生成してくれます。
✅ワールドを配置する
1つ前の手順で自動生成されたTemplateファイルを「Hierarchy」上にドラッグアンドドロップしてシーンに配置します。
これで、ワールドがシーンに表示されます。
✅コライダーを設定する
1.配置したワールドのオブジェクト(床、壁、天井など)に合わせて、衝突判定用の「Collision*」を作成します。
(1)「HIERARCHY」に追加したオブジェクトの中のから、「Collision(当たり判定)」を設定したいオブジェクトをクリックして選択し、「ENTITY」パネルの「+ADD COMPONENT」ボタンをクリックします。
(2)表示されたメニュー一覧の「Physics」をクリック → 「Collision」をクリックします。
(3)「Type」プルダウンリストの中から設定したいコリジョンメッシュ*を選択することで、「Collision」を有効にすることができます。
(4)各パラメーターの指定方法についての説明はここでは省きますが、正確な当たり判定を行うため、各コリジョンメッシュに応じて特定のパラメーターを指定してください。
2.「Collision(当たり判定)」を付けだけでは物体同士の衝突などは機能してくれないため、さらにオブジェクトに「RigidBody*」コンポーネント*を追加して、物理挙動が適用されるようにします。
(1)「HIERARCHY」に追加したオブジェクトの中のから、「RigidBody」を設定したいオブジェクトをクリックして選択し、「ENTITY」パネルの「+ADD COMPONENT」ボタンをクリックします。
(2)表示されたメニュー一覧の「Physics」をクリック → 「RigidBody」をクリックします。
(3)「Type」プルダウンリストの中から設定したい物理タイプを選択することで、「RigidBody」を有効にすることができます。
(4)各パラメーターの指定方法についての説明はここでは省きますが、オブジェクトの動きや衝突の挙動を細かくコントロールしたい場合は、「RigidBody」のタイプに応じて各プロパティ値を指定してください。
3.床のオブジェクトには、「ground」タグを付けておきましょう。これにより、後でアバターが正しく立つようになります。
(1)「HIERARCHY」に追加したオブジェクトの中のから、床のオブジェクトをクリックして選択し、「ENTITY」パネル > 「Tags」入力欄に「ground」と入力しEnterを押します。
(2)「ground」タグが追加されます。
✅ポスターの配置
「Vma plus Station」プラグインで作れるメタバース空間には、複数のポスター(リンク付き画像)を配置することができます。
無償版・PRO版どちらもポスター画像を配置でき、配置できるポスター画像の枚数はワールドによって異なります。
1.ポスターが管理されている場所を確認する
(1)プロジェクト詳細画面の「EDITOR」ボタンをクリックしてプロジェクトの編集画面を開き、シーン一覧から「SceneTemplate1」シーンをクリックします。
(2)「SceneTemplate1」シーンの編集画面が表示されたら、左側の「Hierarchy*」リストを開きます。
(3)「Root」>「ModalScreens」オブジェクトの「posterController」コンポーネントがポスターを管理しているスクリプトです。「ModalScreens」オブジェクト配下の「1」~「6」と採番されたオブジェクトが、ポスターのオブジェクトです。
2.ポスターを増やす
(1)「ModalScreens」ディレクトリの中にある既存のポスターオブジェクトを右クリックし、「Duplicate」または「コピー」を選んで、新しいポスターを作ります。
(2)コピーしたポスターの名前をわかりやすく変更します(ここではわかりやすいように連番の名称にしています)。
オブジェクトの名前はオブジェクトをダブルクリックまたはオブジェクトをクリックすると表示される「ENTITY」パネルからも変更が可能です。
(3)作成した新しいポスターを、好きな場所にドラッグして配置します。3D空間上でポスターの位置や大きさを調整してください。
(4)「Hierarchy」パネルで「ModalScreens」ディレクトリをクリックし、「ENTITY」パネルに表示される「posterController」内のプロパティを操作していきます。
(5)表示するポスターの最大枚数を設定する項目「maxPosterCount」の数値を、「ModalScreens」ディレクトリ配下に存在するポスターの枚数と同じ数値に設定します。
(6)「maxPosterCount」と同じく、ワールドに実際に配置するポスター枚数を設定する項目「postersArray」の数値も、「ModalScreens」ディレクトリ配下に存在するポスターの枚数と同じ数値に設定します。
(7)「postersArray」の数値を増やすと、新しくポスターを追加する要素項目が増えるので、「Hierarchy」ディレクトリ上で新しく作成したポスターをドラッグ&ドロップでアタッチ(追加)します。
3.ポスターを削除する
(1)シーンの編集画面左側の「Hierarchy」パネルを開き、「ModalScreens」ディレクトリ内の削除したいポスターオブジェクトを右クリックし、「Delete」または「削除」を選んで削除します。
(2)これで、シーンから対象のポスターオブジェクトが消えます。
(3)ポスターを削除したら、「Hierarchy」パネルで「ModalScreens」ディレクトリをクリックし、「ENTITY」パネルに表示される「posterController」内のプロパティを操作していきます。
(4)表示するポスターの最大枚数を設定する項目「maxPosterCount」の数値を、「ModalScreens」ディレクトリ配下に現在残っているポスターの枚数と同じ数値に設定します。
(5)「maxPosterCount」と同じく、ワールドに実際に配置するポスター枚数を設定する項目「postersArray」の数値も、「ModalScreens」ディレクトリ配下に現在残っているポスターの枚数と同じ数値に設定します。
✅スポーン位置の調整
1.「Hierarchy」上の「SpawnPoint」を開始時にアバターをスポーン*させたい場所に設置します。
(1)「HIERARCHEY」上の「SpawnPoint」オブジェクトをクリックして選択し、「ENTITY」の各プロパティ値を調整します。
2.アバターの向きを任意の方向に回転させます。
(1)1.の手順(スポーン位置の調整)と同様に、「ENTITY」の各プロパティ値を調整してください。
✅テスト実行
本マニュアルの「テスト実行」を参考に、動作が確認できれば完了です。
プラグインにアップロードするワールドをエクスポート
ここまでの手順に沿って作成したオリジナルのワールドをプラグインにアップロードするために、ワールドを作成したPlayCanvasのプロジェクトをZip形式でエクスポートします。
エクスポートするにあたり、まずはワールドをプラグインにアップロードする際に必要となるファイルをご紹介します。
✅プラグインにアップロードするプロジェクトに必要なファイル
プラグインへアップロードする際に必要なファイルは3つあります。
3つのファイルはすべて、テンプレートプロジェクトの「UserFiles」 > 「SceneTemplateAssets」 > 「Resourses」配下に配置します。
1.world-setting.json
● ポスターの数を定義しているファイル
● このファイルをWordPressで読み込み、ワールドの設定画面で表示するポスター入力フォームの数を決定する。
● ファイルは以下のような構成 ↓
{"posterNum": [配置しているポスターの数]}
2.[world名].png | jpg | jpeg ※
● ワールドのサムネイル用画像
● 推奨解像度:横512px ×縦512
● この画像をWordPressのワールド選択時のサムネイル画像として表示する。
● プラグインにアップロードしなくても特にワールド内の動作には影響しない。
● ただし、WordPressのワールド選択時のサムネイル画像は弊社の用意したデフォルト画像となる。
3.[world名]-map.png | jpg | jpeg ※
● ワールドのマップ用画像
● 推奨解像度:横512px ×縦512
● この画像をWordPressのワールド作成時のMap画像として表示する。
● プラグインにアップロードしなくても特にワールド内の動作には影響しない。ただし、ワールド作成時のMap画像は表示されない。
✅プロジェクトをエクスポート
上記の準備ができたら、エクスポートを行います。
手順は以下の通りです。
1.エクスポートを始める
(1)メニュー一覧の「Publishing」メニューをクリックします。
(2)「BUILDS」画面が表示されたら、「DOWNLOAD .ZIP」をクリックします。
2.エクスポートするシーンを選択
(1)特にシーンを新たに作成せず、「SceneTemplate1」シーンを利用していた場合は、「Initialisation」シーンと「SceneTemplate1」シーンにチェックをつけます。
(2)シーンを新たに作成した場合は、「Initialisation」シーンと新たに作成したシーンにチェックをつけます。
(3)「Initialisation」シーンがPrimaryシーンとなっていることを確認します。
3.エクスポート
(1)「DOENLOAD NEW BUILD」画面左下の「DOWNLOAD」ボタンをクリックすると、シーンのビルドが始まります。
(2)シーンのビルドが完了したら、「Your build is ready」と表示され、右下に「DOWNLOAD」ボタンが表示されます。
(3)「DOWNLOAD」ボタンをクリックするとダウンロードが行われ、プラグインにアップロードするZipファイルがエクスポートされます。
PRO版のプラグインへアップロード
1.WordPressの管理者画面を開く
ご自身のWordPressの管理者画面にログインします。
2.ワールドをアップロードする
(1)Vma plus Station プラグインの管理メニュー「Worlds」をクリックします。
(2)「Upload World」ボタンをクリックします。
(3)エクスポートしておいたワールドのzipファイルを選択して、「Upload」ボタンをクリックします。
(4)ワールドをアップロードすることができます。
以上、WordPressプラグイン「Vma plus Station」PRO版で利用可能な、ワールドのアップロード機能のご紹介でした!
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