ひとみを閉じた、その先に。
—ごとごと、
ごとごと—
いかがでしたか、初の人生は。
満足のいくよう、生きられましたか。
そうですか。
それは何よりでした。
—ごとごと、
ごとごと—
ふむ、それはまた奇怪な。
科学の進歩というものは、
いつも我々凡人の想像を超えてきますね。
—ごとごと、
ごとごと—
大分、景色が変わってきましたね。
貴方は、
…いえ、何でもありません。
—ごとごと、
ごとごと—
そろそろ着くようですよ。
随分と暢気ですね。
私がいうのも何ですが。
—ごとごと、
ごとごと—
貴方ならば、
まだ戻れるのではありませんか。
現し世は随分と様変わりしているようですし、
まだ楽しめるのではありませんか。
—ごとごと、
ごとごと—
いえ、そういうわけではありません。
しかし、
—ごとごと、
ごとごと—
そうですか。
今こうして此処に在ること、
それ自体が貴方が望み、行動した結果—
というわけですね。
わかりました。
—ごと、
ごと—
それでは参りましょうか。
今度は二人で、
新たな景色を観に参りましょう。