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流用制限という考え方!第2回〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜
こんにちは!
前回の〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜では、「流用制限という考え方!第1回」ということで、経費の流用について、お話をしました。
本日は「流用制限という考え方!第2回」ということで、流用制限とよくある間違いについてご紹介をしたいと思います。
1.流用制限とは?
前回は国プロにおける「流用」の定義についてお話ししましたが、それを踏まえ、今回では「流用制限」とは一体何かについて話したいと思います。
流用制限とは、費目間の流用をする際に設けられる一定の制限のことです。
例えば、流用制限は、直接経費から間接経費もしくは間接経費から直接経費に流用を禁止するという制限だったり、費目間で流用できる金額(流用制限額)を一定金額までとするという制限だったりします。
前回お話ししたとおり、流用制限は、国プロが目的通り実施され、かつ、国プロ受託者が被る不利益を解消するための考え方となり、基本的には、どの国プロにもその考え方が適応されています。
一方で、流用制限は、国プロの事業ごとで制限の内容が異なりますので、まず、自分たちが受託している国プロではどのような流用制限が定められているかを確認する必要があります。
その上で、どの程度、予算計画通りに経費執行しなければならないのかを把握することが重要です。
2.流用制限を超過した場合の対応
では、仮に流用制限を超過してしまった場合、どのような対応が必要なのでしょうか。
基本的には、流用制限を超過している場合は、何かしら実施計画に影響が出ていると考えられるため、実施計画の変更手続きが必要となります。
詳細な手続きについては、国プロごとで対応が異なるため、国プロ担当事務局に確認をするようにしてください。
また、流用制限を超過したというのはどういう状況であるかというのは、国プロごとで流用制限の考え方が異なるので一概には言えませんが、例えば、
・流用できない費目への流用が発生した場合
・費目間で流用できる金額の上限(流用制限額)を超過した場合
などが挙げられます。
3.流用制限額のよくある間違い
ここまでで、流用制限とはどういうものかについて説明をしてきました。
ここで1つ、流用制限額に関するよくある間違いについて紹介したいと思います。
(なお、以下の考え方は一般的な考え方であり、国プロの事業によっては、考え方が異なるケースがありますので、必ず、国プロの担当者に確認をするようにしてください。)
今回紹介する間違いは、流用制限額を費目ごとで判断すると勘違いしているいるケースです。
よくある間違いのケースとして、以下のような例があります。
<よくある間違いのケース>
直接経費が1,000万円の国プロ事業において、流用制限は「直接経費の20%まで」というルールが定められていたとします。
ちなみに、流用制限額は1,000万円×20%なので、200万円になります。
この場合、経理担当者は、以下のように流用できると考えていました。
<当初の予算計画> → <流用後の予算計画>
1.設備備品費: 500万円 → 300万円(ー200万円)
2.人件費: 250万円 → 50万円(ー200万円)
3.旅費: 100万円 → 300万円(+200万円)
4.諸経費: 150万円 → 350万円(+200万円)
つまり、この経理担当者は、流用制限額を費目ごとで判断すると考えており、設備備品費から旅費に200万円を流用し、人件費から諸経費に200万円を流用しているため、流用制限額200万円は超過していないと考えていました。
もちろん、この経理担当者の考え方は「間違い」です。
流用制限額は、基本的に、プロジェクト全体で計算します。
具体的には、流用によって各費目に追加される金額の合計額、もしくは、流用によって各費目で減額される金額の合計額が流用制限額を超過しているか否かで判断します。
上記の例で言い換えると、流用によって旅費と諸経費が200万円ずつ追加されたので、追加される金額の合計額は400万円になります。同様に、流用によって設備備品費と人件費で200万円ずつ減額されているので、減額される金額の合計は400万円になります。
よって、流用制限額は200万円のところ、400万円の流用を行っており、200万円の流用制限額の超過をしているということになります。
このように、基本的に、流用制限額は、費目ごとで判断するのではなく、プロジェクト全体で判断します。
流用制限に関する考え方を間違えると、最悪、国プロでもらえる金額が減額される可能性がありますので、以上のような間違いが起こらないように気をつけていただければと思います。
4.最後に
いかがだったでしょうか。
2回に渡って、流用制限についてお話ししてきましたが、流用制限についてお分かりいただけたでしょうか。流用制限は、国プロ特有の考え方であるため、この記事が皆様のお役に立てれば光栄に思います。
また、国プロの経費の管理についてどうしたら良いかわからないなどといったお困りごとがあれば、ぜひ弊社までご連絡ください。国プロに関する豊富な知見を持った担当者が皆様のお困りごとをサポートいたします。
>>https://vlightup.studio.site/
ここまで、読んでいただき、有難うございました。
今後も、〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜として、様々な角度からスタートアップ×国プロの説明をしていければと思いますので、次回もぜひ読んでみてください。
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