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政府研究開発プロジェクト(略して「国プロ」)の手続きは、意味不明でめんどくさい

いわゆる国プロといわれる、公的資金を用いた委託研究開発委託契約は、各省庁が研究テーマ毎の受託先を公募審査によって選考し、採択された研究機関がその後委託契約を締結し研究を実施するものです。

皆さんも日々実感されていることかと思いますが、国プロはここから先が大変です。なぜなら、契約期間中は非常に厳格なモニタリングを受けるとともに、そもそも資金が後払い式(精算方式)だからです。
ただでさえ研究に割ける時間が少なくなっているなかで、省庁対応もやらなければならない。そして、支出の内容も省庁でそれぞれ異なるルールを理解しながら緻密に正確に記帳していないと、あとからお金をもらえなくなる。。それ以外にも資産管理、知財処理はたまたデータマネジメントまで求められます。
最近はイノベーション創出をテーマとした国プロが増えているにもかかわらず、本題の研究に投下する時間も資金も限られてしまうなんて本末転倒です。

毎年国プロ予算を受けていれば、なんとなく求められる手続きやその内容というのはわかってくるでしょう。研究支援体制が充実した大学等であれば経理などは事務局がやってくれる。でも、スタートアップでは、国プロ関連手続き専門の人材を採用することは困難です。また、国プロには特有の用語が使われており、それを理解するためにはいろんな法律を調べていかないとなかなか意味がわかりません。そうなると、本質的な意味を理解しないまま言われるがままに手続きを進めてしまって、理不尽な対応を求められることもしばしばです。

noteでお伝えする内容

国プロの手続を理解するためには、その特有の用語をとりあげて説明することがわかりやすいため、連載タイトルを国プロの「読み方」としています。
研究者が国プロで理解しなければならない基礎概念から手続きを契約、経理、知財及びデータマネジメントの幅広い観点から可能な限りその背景事情に迫りながら説明します。

本連載をお読みいただくことで、国プロの手続きが実は研究者を守るために非常によく練られたものであること、そして国プロを上手く利用することで研究開発というリスクの高い取り組みにもっと積極的に取り組むことができることを理解いただけるとうれしいです。


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