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実は大変!「経理検査」の準備とポイント!第1回 〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜

こんにちは!この記事に興味をもっていただき、有難うございます。

今回は、〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜として、国プロにおける「経理検査」について、3回に分けてお話ししていきたいと思います。

第1回では、経理検査を初めて受験される方でも理解できるように、経理検査の内容や、経理検査の観点について、お話ししたいと思います。

1.経理検査とは?

「国プロ(政府研究開発プロジェクト)」では様々な事務手続きを行う必要があります。その中でも、最も大変なのが「経理検査の受験」です。

では、そもそも「経理検査」とは一体どんな検査なのでしょうか?

「経理検査」とは、その名の通り、国プロの事業期間中に発生した経費の内容をチェックする検査です。
具体的には、国プロ受託者が経理書類(国プロ期間中に発生した経費の全ての証憑書類を紙で出力した書類)や社内規程類を準備し、それらの書類を検査担当者が様々な観点でチェックします。

では、なぜこのような検査が必要なのでしょうか。

その理由は、国プロでは契約時に決定した契約金額が必ず支給されるわけではなく、あくまで、事業に実際に要した経費のみが支給されるからです。
つまり、事業終了時の経費執行額が「契約金額」>「実際に要した経費」の場合、「実際に要した経費」の金額までが支給されることになります。
そのため、国プロでは、国プロ受託者が申告した「実際に要した経費」の積算が正しいことや申告内容に不正がないことが重要になり、経理検査を通して各経費を細かく精査し、確認する必要があります。

では、経理検査では、具体的にどのような観点で検査が行われるのでしょうか?

2.経理検査の観点

経理検査の観点としては、各国プロごとで多少異なりますが、主に、以下のような観点で検査が行われます。

(1)当該事業に必要な経費であるか?

経理検査では、使用した各経費について、国プロの事業に必要な経費であるか否かを確認します。国プロはあくまで国民の税金を原資として国や地方公共団体が主導で実施する事業であり、国プロの経費はその事業の目的に準じて使用しなければなりません。
従って、国プロでは事業の目的に合わない経費や事業遂行に不必要な経費は経費計上が認められないため、経理検査を通じて、そのような経費申告がないかをチェックします。

必要な経費であるか否かの判断基準は、
例えば、
①契約時に提出した予算計画書に記載されている経費であるかや、
②実施計画書の内容から考えて必要と考えられる経費であるか
などがあります。また、実施計画書や予算計画書からでは必要性が確認できない場合は、ヒアリング等を行い、必要性を判断します。

このように、経理検査では使用した経費の必要性を確認するため、国プロの受託者は、極力実施計画書や予算計画書に記載した通りの調達を行うことが推奨されます。また、もし予算計画書に記載した内容以外の調達が発生した場合でも、調達理由書などを作成することによって、本事業での必要性を理解しやすくする工夫が求められます。

(2)不当に高額なものや不要な範囲の経費でないか?

次に、経理検査では、使用した各経費の中に、不当に高額なものがないか、また、不要な範囲のものがないかを確認します。
上述した通り、国プロは事業に実際に要した経費までの金額しか支給されません。そのため、予算を全て執行するために、例えば、通常よりも高額なPCを購入したり、事業終了直前に大量の試薬を購入するなど、事業の目的にそぐわない調達をするケースがあります。

このような不適切な経費執行を防ぐために、この観点で確認を行います。

この観点について、国プロの受託者は通常どおり調達をしていれば特段気にしなくてよいのですが、上述のように予算を全て使い切るなど、不適切な経費執行をした場合、検査で指摘されますので、経費執行をする際は注意が必要です。

(3)国プロが定めた経理処理ルールに従って適切に処理された経費であるか?

次に、経理検査では、使用した各経費が、その国プロで定められた経理処理ルールに従って処理をされたかを確認します。

国プロでは、使用した経費の処理方法ついて、予めルールが定められています。
具体的には、特定の金額以上の調達の場合は、相見積りを取得し、価格の妥当性を確認した後に発注をしなければならないであったり、特定の外注の調達をする場合は事前に担当官へ事前協議しなければならない等があります。また、それ以外にも、計上ができない経費が定められていたり、経理検査までに準備しなければならない証憑書類が定められています。

このように、国プロでは調達前、調達後、経理検査前など各タイミングごとに注意しなければならない点が異なるため、国プロの受託者は、それらのルールをしっかりと熟知した上で、経理処理を行う必要があります。

(4)当該事業期間中に発生した経費であるか?

最後に、経理検査では、使用した経費が、国プロの事業期間中に発生した経費であるかを確認します。国プロの事業期間中に発生した経費とは、契約開始日以降に発注を行い、契約終了日以内に納品・請求が完了している調達の経費のことを指します。

よく発生する悪いケースとしては、事業開始日を国プロの採択決定日と間違えて、契約書締結前に発注してしまったケースや、事業期間中に発注したものの事業終了日までに納品が完了しなかったケースなどがあります。

このようなケースになった場合は、経費計上ができず、当該経費を国や地方自治体に経費申告できなくなるので、注意が必要になります。

3.最後に

いかがだったでしょうか。ここまで読んでいただき、経理検査とは一体なんなのかや、経理検査はどういった観点で検査が行われるのかについて、ご理解いただけたのではないかと思います。
次回「実は大変!「経理検査」の準備とポイント!第2回」では、実際に経理検査の受験を控えている方などに向けて、経理検査の当日の流れについて、お話ししたいと思います。

また、経理検査など準備が大変でサポートをしてほしいなどといったお困りごとがあれば、ぜひ弊社までご連絡ください。国プロに関する豊富な知見を持った担当者が皆様のお困りごとをサポートいたします。
>>https://vlightup.studio.site/

ここまで、読んでいただき、有難うございました。
今後も、〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜として、様々な角度からスタートアップ×国プロの説明をしていければと思いますので、次回もぜひ読んでみてください。

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