<vol.1> web3 × セキュリティ:新たな詐欺手口と位置情報を用いた対策
近年、暗号資産(仮想通貨)の盛り上がりやブロックチェーン技術の進化を背景に、「Web3」というキーワードが脚光を浴びています。Web3は、中央集権的な管理者なしでユーザー同士が直接やり取りできる“分散型”のインターネットとも呼ばれ、既存の金融やゲーム、SNSなどさまざまな分野に大きなインパクトを与えています。しかし、その利便性と自由度が高まる一方で、詐欺やハッキングなどの犯罪行為も新たな手口へと進化しているのが現状です。
ここでは、Web3がもたらす新たな世界観に潜む詐欺の手口と、その対策としてどのような方法が考えられるかをわかりやすく解説します。最後には、私たちが提供する「TRUSTAUTHY」というソリューションについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1. Web3がもたらすメリットと課題
Web3と聞くと、「なんだか最先端で難しそう」という印象を抱く方もいるかもしれません。従来のインターネット(Web2)では、私たちユーザーは大手プラットフォーム(SNSや検索エンジンなど)を介して情報をやり取りし、そこでのルールに従う形が主流でした。一方、Web3はブロックチェーンなどの分散型技術を使うことで、中間に大きな管理者を置かず、ユーザー同士が直接やり取りできる世界を目指します。
メリット
中央管理者への依存が少ない:個人が自分の資産やデータを自律的に管理できる。
透明性が高い:ブロックチェーン上の取引は公開され、改ざんが困難。
グローバルで瞬時のやり取りが可能:送金やNFT(デジタル資産)の取引などが、国境を越えて素早く行える。
課題
操作が難しい:ウォレットの管理や秘密鍵の扱いなど、ユーザー自身が慎重に行う必要がある。
トラブル発生時の保証が薄い:送金アドレスを間違えた場合、中央管理者がいないために返金が困難。
詐欺・ハッキングの巧妙化:新しい技術が登場するたび、それを悪用しようとする詐欺師も現れる。
こうしたメリットと課題を踏まえ、Web3を安全に楽しむためには、利用者がしっかりと最新の犯罪手口を把握し、自分の資産を防衛する心構えを持つことが求められます。
2. 新たな詐欺手口の実例
Web3環境で近年急増している詐欺の中には、従来のフィッシングメールなどと似た方法もあれば、ブロックチェーンの仕組みを悪用した全く新しいものも存在します。具体的な例をいくつか挙げてみましょう。
SNS・メッセージアプリでの偽サポート詐欺
有名ウォレットや取引所を騙るアカウントがSNSで「あなたの口座が危険です! すぐに手続きしてください」とDMを送り、リンクを踏ませる手口です。ユーザーが焦って偽サイトに秘密鍵やパスワードを入力すると、そこから資産を抜き取られてしまいます。エアドロップ詐欺
「限定トークンを無料配布中!」とSNSで宣伝し、ユーザーを誘導。手順に従ってトークンを受け取るつもりが、知らない間にウォレットの承認権限を与えてしまい、そのまま資産を引き抜かれる事件が発生しています。NFT・コレクティブルの偽販売
実在のアーティストや有名コレクションを装って、「ここでしか買えないNFTだよ」と高額で販売。実際には価値のないただの画像データで、後から偽物と判明しても返金不可というケースが多発しています。フロントランニング・スキャム
DeFi(分散型金融)の取引で、ユーザーがスワップ取引を行おうとすると、契約前に仕掛けられた悪意あるボットが先に同じ取引を実行し、価格を操作するなどして利益を奪う手口があります。
これらの詐欺は、表面上は「お得な話」「有名プロジェクトによる公式キャンペーン」などと宣伝されるため、慣れていない人ほど引っかかりやすいのが現状です。
3. 基本的な対策
ウォレット・秘密鍵の管理を徹底する
自分のウォレットアドレスや秘密鍵を第三者に教えないのは大前提。ハードウェアウォレットや、オフラインのバックアップを利用するなど、物理的に安全な方法を選びましょう。偽サイトやDMを疑う
SNS上で「サポート担当」を名乗る人から連絡が来たら、それだけで警戒してください。公式サイトや公式アカウントの認証を確認し、本当に正当なサポートかどうかを別の手段で確かめましょう。承認トランザクションを細かくチェックする
DeFiやNFTの取引では、“承認”という操作を行うケースが多いです。そこに「制限なしでトークンを引き出せる権限を与える」ような記述がないか、メタマスクなどのウォレット画面をよく確認してから承認しましょう。過度に魅力的なオファーを疑う
「これをするだけで数倍に増える」「限定キャンペーンだから急いで!」など、極端においしい話には必ず裏があります。ちょっとでも不安に思ったら、必ず一度冷静になって情報収集をするクセをつけると安心です。
4. それでも防ぎきれないリスク
上記のような基礎対策を講じても、悪意ある攻撃者は手を替え品を替え侵入経路を狙ってきます。特に巧妙なケースは、ユーザー個人だけでなく、取引所やプロジェクトチームの内部を狙ったソーシャルエンジニアリング攻撃や、不正アクセスを伴う大規模ハッキングに発展することも珍しくありません。
ソーシャルエンジニアリング:偽のリクルートやメールなどで社員に接触し、マルウェアを仕込む手口。
内部犯行や権限の乗っ取り:権限を持つ管理者が攻撃者に騙されると、大量の資産が一気に流出する危険がある。
物理的に社員端末を操作される:紛失・盗難・盗み見などによる秘密鍵の漏えい。
こうした高度な手口は、被害額が大きいだけでなく、一度奪われた暗号資産を取り戻すのは非常に困難です。ブロックチェーン上の取引は取り消しができないため、犯罪者に渡った資産は追跡できても返還を強制する術がほぼありません。
5. 最先端の対策:TRUSTAUTHYの「位置情報×暗号技術」
そこで私たちが提供しているのが、TRUSTAUTHY です。TRUSTAUTHYは、従来のパスワード認証や二段階認証では防ぎきれない“不正アクセス”や“権限乗っ取り”を、「位置情報」 の力でブロックするという新たなコンセプトを掲げています。
■ どんな仕組み?
位置情報による多要素認証
送金やウォレット管理など重大な操作を行う際に、ただIDとパスワードを入力するだけでなく、「その人物が物理的にどこにいるか」を確認します。たとえば「日本国内にいるはずの社員アカウントが、海外からアクセスしていないか」をリアルタイムで判定することで、ソーシャルエンジニアリングの影響を大きく抑えることができます。プライバシー保護設計
「位置情報を送る」というと監視のイメージがありますが、TRUSTAUTHYは暗号技術(ゼロ知識証明など)を組み合わせることで、実際の座標をそのまま相手に伝えなくても「この場所にいること」を証明可能です。ユーザーは「どこにいるのか」が丸裸になる心配をせずに、安心して認証に参加できます。なりすましやセッションハイジャックを阻止
仮にパスワードや秘密鍵が盗まれても、物理的にユーザーがいない場所から操作されようとした時点でブロックできます。社員端末のセッション情報を奪われたとしても、“位置”が一致しなければ送金処理を完了させない仕組みが実現できます。
■ どう役立つ?
取引所やウォレット事業者:内部権限管理の多層化が可能。社員IDを乗っ取られても、海外からのアクセスは遮断できる。
DeFiプロジェクト:ハッキングリスクを下げることで、ユーザーに「ここなら安心してステーキングできる」という信頼感を与えられる。
一般ユーザー:自分の大事な資産を「場所」という追加要素で守れるため、高額取引をする際にも一段と安心感が増す。
6. まとめ:安心してWeb3を楽しむために
Web3は、中央管理に依存しない新しいインターネットの可能性を切り開くすばらしい概念です。しかし、その自由度の高さゆえに詐欺やハッキングも巧妙化しているため、「自分の資産は自分で守る」 という意識が今まで以上に求められます。
まずは基本的なセキュリティ意識を身につける
次に、ウォレットや取引所を含むシステムが十分な対策を取っているか確認する
そして最終的には、TRUSTAUTHYのような「次世代型の認証システム」を活用し、攻撃者を寄せつけない多層防御を構築する
こうした取り組みが広がれば、Web3はより安全に、より多くの人にとって魅力的な存在となるでしょう。私たちTRUSTAUTHYは、位置情報を活かした暗号技術を通じて、「誰でも簡単に、かつ強固な認証」を実現し、暗号資産やNFTなどの大切な資産を守る手助けができればと願っています。
もしご興味があれば、ぜひTRUSTAUTHYの公式サイトやブログでも、具体的な導入事例や仕組みをチェックしてみてください。 皆さんが安心してWeb3の世界を楽しめるよう、一緒にセキュリティを高めていきましょう。
Vlightup(ブライトアップ)株式会社
東京都千代田区丸の内1−11−1パシフィックセンチュリープレイス丸の内
公式X https://x.com/Vlightup_offl
Webサイト https://trustauthy.jp/