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委託事業と補助事業の違い 〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜

こんにちは!本日もこの記事を読んでいただき、有難うございます。

これまで「国プロ」のお話しをしてきましたが、過去の記事で、国プロとは「国民の税金を原資として国や地方公共団体が主導で実施する事業等のうち、研究開発事業等に特化した事業」というお話ししました。
つまり、「国プロ」を別の言い方にすると、「研究開発等に関する委託事業」や「研究開発事業等向け補助事業」と言い換えることができます。

ここで、皆さんが疑問に思われるポイントとして、そもそも「委託事業」と「補助事業」って何が違うの?という点があるかと思います。

そこで、本日の〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜では、国プロの中でも委託事業と補助事業の違いについてお話ししていきたいと思います。

1.委託事業とは?

まず、委託事業とは、どういう事業のことなのでしょうか。

委託事業とは、委託元(省庁や地方自治体など)と委託先(スタートアップ企業など)とで委託契約を締結している事業のことをいいます。

もう少し詳しく説明すると、委託事業とは、委託元(省庁や地方自治体など)と委託先(スタートアップ企業など)が委託契約を締結し、当該委託契約の内容に準じて、委託元(省庁や地方自治体など)が委託先(スタートアップ企業など)に対し、特定の業務を遂行することを求め、その業務の対価として委託先(スタートアップ企業など)が委託元(省庁や地方自治体など)から報酬を受け取る事業のことです。

したがって、本来は委託元(省庁や地方自治体など)が行うべき事業を、代わりに受託した委託先(スタートアップ企業など)が実施するという意味で、本質的な事業の主体はあくまでも委託元(省庁や地方自治体など)になります。

2.補助事業とは?

次に、補助事業とは、どういう事業のことなのでしょうか。

補助事業とは、国家的見地から公益性があると認められる事業であり、かつ、その事業の実施に資するため反対給付を求めることない金銭的給付が交付される事業のことです。

定義が少し難しいですが、簡単にいうと、「補助金」を受け取ることができる事業が補助事業であり、「補助金」とは、返還義務等がなく財政援助的な意味を持つ資金のことです。

つまり、補助事業は、補助事業者が主体となって行う事業へ財政援助をするという助成的性格を有するものとされます。

3.委託事業と補助事業の違いとは?

ここまでで、委託事業と補助事業のそれぞれについて説明をしましたが、この2つの事業の主な相違点はどこにあるのでしょうか。

それは、(1)事業の主体と、(2)取得資産の帰属の2点に主な相違点があります。

(1)事業の主体

どちらの事業であっても、実際に事業を実施する者は、スタートアップ企業などの委託先もしくは補助金の受給者になります。

しかし、事業の主体は異なります。

上述で説明したように、委託事業はあくまで本来は委託元が行うべき事業を、代わりに受託した委託先が実施するというものであるため、事業の主体はあくまで委託元、つまり省庁や地方自治体などになります。

一方で、補助事業は、補助事業者が主体となって行う事業へ財政援助をするという助成的性格を有するものであるため、その事業の主体は補助金の受給者、つまりスタートアップ企業などの受託者になります。

(2)取得資産の帰属

次に、取得資産の帰属について、委託事業と補助事業とで取り扱いが異なります。
上述のように、委託事業は事業の主体が委託元になるため、委託事業において取得した資産も、原則、委託元、つまり省庁や地方自治体などの帰属になります。

一方で、補助事業の事業の主体は補助金の受給者、つまりスタートアップ企業などの受託者になるため、補助事業で取得した資産も、スタートアップ企業などの受託者の帰属になります。

この違いは、事業終了後などに大きく影響することになります。

具体的には、委託事業の場合、委託事業において取得した資産は、事業終了後に省庁や地方自治体に返還しなければなりません。つまり、委託事業で取得した資産は、事業終了後は使用できなくなるということになります。

一方で、補助事業で取得した資産は、事業終了後も受託者の帰属となるため、使用し続けることが可能になります。

3.最後に

このように、委託事業と補助事業はどちらも、省庁や地方自治体などから研究開発等の資金を取得できるという点では同じですが、根本的に異なる事業形態となっており、事業の主体や取得財産の帰属において大きな違いがあります。

これから国プロを受託したいと考えている方は、その国プロが「委託事業」なのか、「補助事業」なのかを確認し、それぞれの性質を理解した上で、国プロの応募をしていただければと思います。

いかがだったでしょうか。もし本日の記事を読んで、「国プロのことで相談したい」等のご要望がありましたら、ぜひ、弊社までご連絡ください。
国プロに関する豊富な知見を持った担当者が皆様のお困りごとをサポートいたします。
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ここまで、読んでいただき、有難うございました。
今後も、〜大学発ベンチャーのための国プロ講座〜として、様々な角度からスタートアップ×国プロの説明をしていければと思いますので、次回もぜひ読んでみてください。


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