Vlag yokohama 公式レセプション|トークセッション②~現場を知る地元スペース利用者・運営者が語る、横浜のポテンシャル~
横浜からイノベーションを──。
6月20日、横浜駅直結の地上42階に唯一無二の事業共創施設「Vlag yokohama」が誕生しました。
国際競争力の強化、経済活動拠点の形成促進を目的とした「国家戦略住宅整備事業」の第一号が横浜に竣工。
横浜を経済拠点として盛り上げるために株式会社相鉄アーバンクリエイツ(以下、相鉄)と東急株式会社(以下、東急)、UDS株式会社が連携し、「未来の兆し(=Vlag)溢れる共創の場」を開業します。
今回はグランドオープンに先立ち実施した「Vlag yokohama 公式レセプション」から、
トークセッション②
「現場のリアルから語る、横浜とALL神奈川のポテンシャル」
をダイジェストでお届けします!
登壇者:
・株式会社NERV 増井めぐみさん(ファシリテーター)
・京セラ株式会社 研究開発本部オープンイノベーション推進部責任者 大崎哲広さん
・SHIN4NY株式会社 代表取締役CEO 工藤春香さん
・合同会社げんてん代表社員 ラージンガー・マルセルさん
神奈川の魅力は「なんでもある」のバランス
増井
それでは、トークセッション2つ目のテーマ「現場のリアルから語る、横浜とALL神奈川のポテンシャル」について議論していきたいと思います。
増井めぐみ(ますい・めぐみ)写真左────────────
株式会社NERV Chief Design & Communication Officer
1985年、兵庫県出身。新卒で美容業界を経て、2009年に衆議院議員秘書、2011年には内閣官房内閣広報室に勤務。主に総理大臣付き広報担当審議官(内閣審議官)のサポート業務を務め、様々な制作企画を担当。東日本大震災で有事の災害における緊急度の高い課題に直面し、2012年に任期満了を経て、Legolis design farm を設立し独立。2016年にヤフー株式会社、2020年に株式会社パソナJOB HUBにおける様々な地域での事業経験を経て、2023年12月より株式会社NERVに参画。湘南エリアのまちづくりとイノベーションを支援し、スタートアップエコシステムの形成に寄与する。
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まずは簡単に自己紹介をお願いします!
大崎
京セラ株式会社の大崎と申します。京セラは京都に本社がある会社ですが、私自身は埼玉県出身です。
大崎哲広(おおさき・てつひろ)────────────
京セラ株式会社 研究開発本部 研究開発戦略企画室 オープンイノベーション推進部 責任者
青山学院大学理工学部卒、1991年京セラ株式会社に入社。総合技術本部にてⅢ-Ⅴ半導体薄膜デバイス研究開発に従事。GaAs on Siデバイスの量産プロセス開発、量産立上げ、品質保証に従事。その後中央研究所(現けいはんなリサーチセンター)で半導体機能材料開発を経て2015年にソフトウェア研究開発組織「ソフトウェアラボ」の立上げに参加。2019年より現職。外部との共創を進めるオープンイノベーション推進業務に従事。
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2019年に京セラのみなとみらいリサーチセンターができ、そこでオープンイノベーションの企画を担当しています。
横浜の方々や近隣企業の皆さんと一緒にいろいろな取り組みをさせていただいています。横浜に来て1年ですが、皆さんの受容する力の強さを感じています。
・SHIN4NY㈱ 代表取締役CEO 工藤春香さん
・合同会社げんてん代表社員 ラージンガー・マルセルさん
工藤
SHIN4NYの代表の工藤と申します。私は東京出身ですが、4年前に横浜市西区に住んでいて、今は神奈川県西部の真鶴町という人口6600人の小さな町に住んでいます。
工藤春香(くどう・るか)────────────
SHIN4NY株式会社 代表取締役CEO
慶應義塾大学卒業後、海運会社で営業を経験した後、米国資本の商社に転職。2020年~神奈川県が管轄するベンチャー支援拠点「SHINみなとみらい」のコミュニティ立ち上げ・運営を担った後、現在は静岡県三島市「LtG Startup Studio」コミュニティ運営に従事。2022年、自身もSHIN4NY株式会社を小田原で起業。「ワクワクテック」を掲げ、ヒトの発話音声から感情を見える化するシステムや、人体発出電波の計測システム等を開発中。日本青年国際交流機構(IYEO)事務局長。2022年~事業構想大学院大学 公民共創プロジェクト研究@小田原 研究員。好きな言葉は「和を以て貴しとなす」。 信条は「胸に射抜かれた矢を花束で返す」。現在、神奈川県の西端・真鶴町と小田原そして三島、横浜、東京を行き来している。────────────────────────────────
仕事としては、関内駅至近にある関東学院大学横浜・関内キャンパス内にあるコワーキングスペース「AGORA KGU KANNAI」のコミュニティマネージャーを務めています。
また、2022年にSHIN4NY株式会社を小田原で起業しており、現在は「ヒトの声から感情を計測するシステム」の開発を行っております。
神奈川県西部と横浜の両方に関わりがあるので、その視点からお話しできればと思います。
マルセル
合同会社げんてんのラージンガー・マルセルと申します。オーストリア人と日本人のハーフで、以前はオーストリア大使館の商務部で勤務していました。
ラージンガー・マルセル ────────────────
合同会社げんてん 代表社員 CEO
オーストリア生まれ、母親が日本人。幼少期を日本で過ごし、ウィーン大学国際経営学を卒業。日本製品の輸出入に関わる仕事に従事した後、2011年、地域在日オーストリア大使館商務部に副商務参事官補として来日。 オーストリア企業の日本市場参入のための戦略企画およびサポート業務、地域サスティナビリティ、イノベーションに関わるコンサルタント業務等に8年間従事した後、2019年、合同会社げんてん設立。循環経済およびイノベーションにより深く関わる。 日・独・英を操るマルチリンガル。
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横浜のドイツ学園に娘が通っていることをきっかけに、横浜にオフィスを構えました。
「横浜をつなげる30人」というプロジェクトに参加したことで、横浜の方々とつながりができ、この街の魅力を感じています。
私の仕事は、海外、特にドイツ語圏とのビジネスの架け橋になることです。グローバルな視点を持ちつつ、横浜でのビジネス機会創出に貢献できればと考えております。
増井
ありがとうございます!
それでは「暮らす」という観点から、横浜・神奈川の魅力について伺います。
工藤さん、いかがでしょうか。
工藤
神奈川県は「なんでもある」ことが魅力だと思います。
横浜は東京に行かなくても生活できるほど利便性が高いですよね。
一方で私が住む真鶴町は県内で唯一の過疎法に基づく「過疎地域」ですが、隣の小田原まで出ればなんでも揃います。海も山もあり、自然と都市が程よいバランスで共存しているのが神奈川の良さだと感じています。
最近は真鶴町への移住者が増えており、起業等のチャレンジにも地域を挙げて応援する雰囲気があります。そうした地域の結びつきの強さも魅力ですね。
増井
なるほど。都会すぎず田舎すぎず、バランスの取れた暮らしやすさが神奈川にはあるのですね。
マルセルさんは横浜の暮らしをどう感じていますか?
マルセル
私も神奈川の魅力は「なんでもある」というバランスの良さだと思います。
特に子育て中の身としては、子供の教育環境と安全性の高さを実感しています。
例えば、日本では小学生が一人で学校に通うことができる。これは私が生まれたオーストリア、ヨーロッパの市街地(地域にもよりますが)では考えられないことなんです。
そうした生活面での安心感があるからこそ、仕事にも集中できるのだと思います。
横浜は熱量の伝わりやすい「大きな村」
増井
安全で暮らしやすい環境があってこその経済活動だというご指摘ですね!
「働く」という視点では、横浜・神奈川の可能性をどのように捉えられていますか?
工藤
横浜は「人」の魅力が大きいと感じています。
コミュニティマネージャーとして関わる中で、皆さんが自分ごととして地域課題に向き合い、当事者意識を持って活動に参画してくれます。
行政の方々も柔軟に相談に乗ってくれるなど、オープンでフラットな関係性があります。
こうした「人のポテンシャル」が、横浜ならではのイノベーティブな活動を支えていると感じます。
増井
人と人とのつながりが、イノベーションを生み出す土壌になっているのですね。
大崎
横浜の良さは、働く場所と住む場所、そして余暇を過ごす場所が近接している点だと思います。
都心に出やすく、仕事帰りに中華街で食事をしたり、休日にヨガに通ったりと、メリハリのある生活が送れます。
全てが近いということが、横浜の大きな魅力であり強みだと感じています。
増井
住む・働く・遊ぶがコンパクトに集積していると。
「学ぶ」という観点から、横浜・神奈川の学びの場としての可能性についてはいかがでしょうか?
大崎
横浜は「熱い人」が多いという印象があります。
京セラのイベントでも、参加者の方々の熱量の高さを肌で感じます。集まった人同士の化学反応が起こるんです。
東京のイベントだと参加するだけで終わりがちですが、横浜だとその場でつながりが生まれ、話が発展していく。
そうした「熱量」と「多様性」が、学びを加速させる原動力になっていると思います。
マルセル
横浜の魅力を「大きな村」だと表現した方がいました。東京ほど匿名性が高くなく、顔の見えるつながりがあります。
そうした風土があるからこそ、「横浜をつなげる30人」のようなプロジェクトが生まれ、地域の中で学び合うことができるのだと思います。
参加者それぞれの専門性を持ち寄り、一緒に学んだ経験と成果を次につなげていく。そういう学びの循環が横浜にはあると感じています。
セクターを超えて「神奈川でなければできない」を
増井
熱量と多様性、そして顔の見えるつながりが、学びの場としての横浜の強みになっているんですね!
次に「交わる」という観点ではいかがでしょうか?
大崎
都心にいながら自然を感じられる環境は、交流する上での大きなアドバンテージだと思います。
京セラのみなとみらいのオフィスからは、海が見えるんです。その眺望だけでテンションが上がりますし、オフィスに来ていただいた方からも「すごい景色ですね」と必ず言われます。
豊かな自然は、人と人とが交わるきっかけになり、何かを生み出すための潤滑油になると感じています。
工藤
交わるという観点では、「人」の力が大きいですよね。
先ほど触れた「横浜をつなげる30人」のメンバーとは、プロジェクト終了後も個人的につながりが続いています。
行政の方々も相談に乗ってくれたり、スタートアップ支援で一緒に動いてくれたりします。
それぞれの立場を越えて「この人だったら」と思える信頼関係があるからこそ、スムーズな協働が可能になっていると思います。
マルセル
交わるという意味では、グローバルなつながりをどう作るかも重要だと考えています。
横浜には知名度の高いグローバル企業が多数ありますが、意外と地元との接点は少ない印象です。
行政などが間に入り、グローバル企業と地域をつなぐ役割を果たすことで、新しい可能性が開けるのではないでしょうか。
私自身、「YOKOHAMA GATHERING」という、海外と日本双方の視点を持つ人々が集うイベントを定期的に開催しています。こうした場を通じて、多文化交流の入り口を増やし、自然な形でグローバルとローカルをつなげていきたいですね。
増井
自然との触れ合いと人との信頼関係、そしてグローバルとローカルをつなぐ仕掛けが鍵を握るということですね。
最後に、横浜・神奈川が更に輝くためのポイントについて、お一人ずつお話しいただけますか。
大崎
横浜には多様なコミュニティがあり、それぞれが熱い思いを持って活動しています。
その一方で、コミュニティ同士の交流はまだ十分とは言えません。
異なるコミュニティをつなぎ、互いの強みを活かし合うことで、イノベーションが加速するのではないでしょうか。
そのためには、Vlagのようなハブとなる場が重要だと感じています。
マルセル
人と人がつながるだけでなく、ビジョンを共有し、その実現に向けて共に行動することが大切だと思います。
横浜には優秀な外国人材が多数いますが、日本人コミュニティとの接点が少ないのが現状です。
お互いの可能性に気づき、ウィンウィンの関係を築くきっかけを増やしていく。そのための文化の違いを越えた交流の場として、Vlag yokohamaに期待しています。
工藤
行政や企業、スタートアップなど、セクターを越えた連携が神奈川の強みだと感じています。
その上で、まだ地域によって温度差があるのも事実です。広域連携をどう進めていくかが課題ですね。
でも、だからこそ「神奈川でなければできない」ことがあるはずです。
多様性を強みに、新しい形の地域間協働を生み出せる。そこに神奈川の可能性があると信じています。
大崎
イノベーションは、成功事例を生むことが難しいテーマです。何が新しい価値を生むのか、私自身も試行錯誤の途上にあります。
ただ、だからこそ、Vlagのような場で地域の英知を結集し、共に模索していくことが重要なのだと思います。
完璧な答えはないかもしれません。でも、この地域の力を信じて、共に前へ進んでいきたいと思います。
増井
多様性を強みに、セクターや地域を越えて共に模索し、行動していく。そうした熱意と探求心こそが、横浜・神奈川の更なる発展を支えるエンジンになると思います。
登壇者の皆さま、そして会場の皆さま、示唆に富む熱い議論をありがとうございました。
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トークセッションからは「多様性」「つながり」「共創」といったキーワードが浮かび上がります。
横浜・神奈川には、多彩な人材、豊かな自然、都市の利便性など、多様な魅力が凝縮されています。
そうした地域の強みを生かしながら、セクターや分野を越えて協働を推進する。
「Vlag yokohama」は「未来の兆し(=Vlag)溢れる共創の場」をコンセプトに、オフィスや会員制ワークラウンジ、カフェ&バー、ホールなどがそろう複合施設です。
詳細はこちらから:https://vlag.yokohama/
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