大手Vの切り抜き動画でアフィを稼ぐ業者がいる?
切り抜き動画のことで、ちょっと気になることがあったので、記事を書きました。
周知の事実なのかもですが、気になったので。
切り抜き動画の求人
Crowd Worksをぼーっと見てたら、下の画像のような募集がありました。
募集の概要を画像の下に書きます。
読んでみると、有名なVtuberの動画から切り抜き動画を作成する業務の募集のようです。
・業務は切り抜き動画を作ること
・切り抜き動画は、大手Vtuber(にじさんじ、ホロライブ)のもの
・報酬は、固定報酬+再生数に応じたインセンティブ
気になるのは、このインセンティブ報酬が、広告収入を前提にしているように見えること。
この募集からでは分からないことも多く、推測に基づいて話を組み立ててしまいますが、再生数に応じて収入が増えるということは、広告が前提ではないかと考えるわけです。
これが、Vtuberの収入機会を奪うのではないか、というのがこの記事のテーマです。
切り抜き動画が許されている背景
現在、切り抜き動画は肯定的に捉えれていると思います。
実際に、切り抜き動画を作ると、Vtuberは喜ぶことがほとんどでしょう。
その理由は、切り抜き動画に次のようなメリットがあるからだと思います。
1:元動画やVtuberへの宣伝・誘導効果
2:Vtuberを応援するため、善意で作られていること
3:(全ての切り抜き動画ではないが)Vtuberへの悪影響を最小限に抑える努力をしていること
一方で、切り抜き動画にはデメリットもあります。
1:元動画の視聴機会を少なからず奪う(特に同じプラットフォームでは)
2:著作権法に違反し、Vtuberの権利を侵害している
3:Youtubeの規約違反である
これらは、ある程度知られているとは思うのですが、それでもVtuberやリスナーから見逃されている、肯定されている理由は、メリットがデメリットを上回っていると捉えられているのだと思います。
同人誌やゲーム実況の中には上記と同じデメリットを含むものがあると思いますが、それらに目くじらを立てられていないのは、同人誌などが原作へもたらすメリットの方が上回っていると判断されているからでしょう。
従来の切り抜きと、求人の切り抜きの違い
個人的に善意で作られていることに思い入れがあるぶん、画像の求人は衝撃でした。
広告はつけなくても良いものです。
それをあえて付けるということは、これが従来とは異なるモデルであることを示している用に思います。
つまり、従来の善意や応援を動機とする切り抜き動画作成モデルではなく、金銭収入を動機としたモデルです。
求人のモデルは、善意や応援の気持ちが無くても成り立つものです。このモデルで切り抜き動画を作る動機は、善意や応援が無くとも、金銭収入があれば周るものです。
それをあえて付けるということは私には衝撃でした。
また、広告をつけるということに、私は漫画村のモデルを思い出しました。
漫画村と重なる点
この「業者による切り抜き動画」が、漫画村のような要素を持つように私は感じています。
ご存知のとおり、漫画村は、本来有料の漫画コンテンツを違法にアップロードして誰でも無料で読めるようにしたウェブサイトで、多くの閲覧者が訪れることで広告収入を稼いでいました。
漫画村も、メリットが一切無かったわけではないでしょう。
無料で漫画を読めるというモデルは電子漫画サービスではよくあることですし、宣伝効果もあったでしょう。
善意のある人は、漫画村で面白い漫画を見つけて、その後コンテンツにお金を支払うこともあるの「かも」しれません。
しかし、原作者のデメリットがあまりにも上回っていたために、漫画村はオタクから憎まれ、社会から追放されました。
業者による切り抜き動画も、漫画村のように、デメリットが大きくなりすぎるのではないかと私は懸念しています。
切り抜き動画だけで満足してしまう人口もいるかもしれない。
そういった人たちが切り抜き動画を見るだけで満足してしまい、元動画の視聴に貢献しなかった場合、切り抜き動画が「宣伝」こそすれ、「誘導」せず、メリットが減ってしまう。
その時、メリットとデメリットを比べると、漫画村のようにデメリットが上回ってしまうのではないか、と考えるわけです。
業者をどう考えるべきだろう
市場メカニズムを使ってより多くの切り抜き動画が生まれることを喜ぶべきか、
それとも他人のふんどしで広告収入を稼ぐことを憎むべきか。
私はデメリットが上回っているのではないかという立場で書きました。(それもあって切り抜き動画で収益化してそうなチャンネルを通報しまくろうという気持ちに溢れています)
オタク文化の重要な部分である「同人」は、原作へのメリット・デメリットのバランス抜きには語れないところもあるぶん、切り抜き動画のメリットとデメリット、どちらが上回るかは、これから考え続けないといけないように思います。