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美しく、そしてかっこいい大人は、常に学び続けている

筆を執るにあたって―知見を社会と共有

 先月のある日、大学卒業後もよく相談に乗ってもらっている教授から、私のもとに一通のメールが届いた。そのメールには、『学問のすゝめ』で有名な福沢諭吉と、近畿大学の創設者で衆議院議員などを歴任した世耕弘一の二人に共通する点について書かれていた。

 その先生のメールによれば、この二人に共通するのは、知見を社会と共有しようと試みていた点にあるそうだ。私たち一人ひとりが知っていることは、この世の中のほんの一部分に過ぎない。だからこそ、学んだことや考えたことを何かしらの形で発信し、共有しつづけることは、自分にとっても、そして社会にとっても有意義な営みに違いない。そう思って、今日から筆を執ることにした。

生涯学習の本質を考える―美しく、そしてかっこいい大人になるために

 昨今、「生涯学習」という言葉をよく耳にする。文部科学省によると、生涯学習とは「人々が生涯に行うあらゆる学習」[1]のことであり、人生100年時代や超スマート社会(Society5.0)を迎えるにあたって、その重要性が高まっているという。

 しかし総務省統計局の「社会生活基本調査」によると、社会人が学びに充当する時間は、1日あたり平均6分という結果が出ている[2]。残念ながらこの結果は、生涯学習からとてもかけ離れた状態である。学んでいない大人の多くは、「十分な時間がないから」「学費や受講料の負担が大きい」という理由を挙げている[3]。それらはただの言い訳に過ぎないし、大人としてみっともないと私は思う。私の周りに学びに対して貪欲な人がいるが、その人たちの顔は「きらきらと輝いているし、美しくて、かっこいい」。しかもそんな人たちと関わっていると、人生が豊かになっているという実感がある。それこそが生涯学習の本質に違いない、と私は確信している。

 そして世界情勢は不透明であり、日々刻々と変わっている。社会が変わっているということは、すなわち過去に学んだ知識も更新していかなければならず、学ばないと置き去りにされてしまうことを示唆している。その点は京都芸術大学の副学長の本間正人さんが提唱されている「最新学習歴の更新」を参考にされたい。

 通勤時間や就寝前の時間など僅かな時間を活用したり、スマートフォンなどのツールを活用したりすることが出来れば、「誰でも」「どこでも」「いつでも」学ぶことができる。

 現状に満足せずに変身していくためにも、お金がない、忙しいを言い訳にするのは今日でおしまいにして、興味のあることから学び始めてみよう。だって美してかっこいい大人になりたいから。


[1]文部科学省「平成30年度 文部科学白書」(https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab201901/detail/1421865.htm) 2022年2月13日閲覧
[2]総務省統計局「平成28年社会生活基本調査結果」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000031617830&fileKind=0)に基づき、25歳以上の「学業」と「学習・自己啓発・訓練」のカテゴリーから総平均時間を筆者算出
[3]小林聖「90%の働く人が「学びたい」理由、でも「学べない」理由」(https://www.mashingup.jp/2018/05/recurrenteducation.html) 2022年2月13日閲覧

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