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幻のパーティ(ホントウにあった怖い話)

何年か前の話だけど、ペンシルベニア州の郊外のハウス・パーティに出掛けた。その頃はミシガン州に滞在していて、いろんなところにドライブしていた時期だった。パーティがどんなところで行われるのかは、行ってみないと分からない。4時間ほど走っただろうか。着いてみたらそこは、本当に何もないところだった。ただ広く余った土地(犬を散歩させたり遊ばせたりするような場所だということは看板でわかった)の中に、ポツンとそれらしき小屋のようなものが建っていてそこが会場らしかった。

予約しておいたモーテルは、逆に広い部屋で何故かジャグジー付きにアップグレードされていた。もちろんジャグジーのついた部屋に泊まるのは初めてであった。そこで一休みしてから会場に出掛けた。そして、観たものはすでに空っぽになった会場だった。観客が来なかったのではない。居たにも関わらず、途中でポリスが来て解散させられたのだと言う。

何故ポリスが来たのか?関係者の話によると「銃を持っている」という通報があったらしい。さらに後から分かったのは、それはパーティを中止させる目的で「偽の通報をした主催者サイドの仕業」だと言う。ホントかよ、って正直思ったが、主催者の思惑は「不慮の事故によってパーティが中止になった場合に保険が下りる」ことを理由にしたかったのだろう、ということだった。

結局、保険が下りたのかは知る由も無いが、パーティのチケットは払い戻された。こういうのも悪徳プロモーターと言うのだろうか。主催者も、出演者も、観客も、オレも(モーテルのジャグジーは良かったけど)誰も得をしないパーティは、こうして幕を閉じた。今朝、ペンシルバニアの山奥で雪が降っている写真を観て思い出したのは、そんな過去の話。あの町も今雪が降ってるんだろうか。おそらく2度と行くことは無いだろうが。


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