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VOGUE BUSINESS: NikeがWeb3プロジェクトを擁するプラットフォーム「Dot Swoosh(ドット・スウーシュ)」を発表

ナイキ・バーチャル・スタジオが提供する新しいプラットフォームは、Web3に興味のあるナイキのコンシューマーに向けたもので、Rtfkt(アーティファクト)の戦略を借りたロードマップに乗じている。

Japanese translation of "Nike unveils ‘Dot Swoosh’ platform to house Web3 projects" 執筆 MAGHAN MCDOWELL 2022年11月14日
(※ 翻訳の正確さについては上記のオリジナル記事を参照してください。

ナイキは昨年買収したデジタル・デザイン・スタジオRtfkt の買収によってファッションNFTのリーダーになった。現在、スポーツ用品の巨大企業として、仮想通貨の初期の頃から利用者向けではなく、元々いるブランドのファンにアピールするようにデザインされた独自のWeb3戦略を開発中である。

本日(訳注:記事は11月14日付)、ナイキは新しいWeb3のプラットフォームおよびエコ・システムである「ドット・スウーシュ」を発表した。ドメイン名はSwoosh.nikeである。プロジェクトはかつてナイキのSnkrsアプリを陣頭指揮したVPのRon Farisが率いるナイキ・バーチャル・スタジオの元で行われている。ドット・スウーシュは、ナイキのバーチャルにおけるクリエイション活動の拠点となる、とFarisは言う。この金曜日(訳注:現地時間11月18日)にローンチした(訳注: 現在はウェイトリストへの申請は締め切られている)。最初のデジタルのコレクションは1月にドロップされる。

プラットフォームで人々はフィジタルおよびバーチャルの製品を購入したり、他の人に見せたり、交換したりすることができる。さらにイベントと製品へのアクセス権利を得たり、製品のクリエイトに参加したりすることもできるとFarisは言う。彼の役割は、ナイキのブロックチェーン、Web3およびメタバース戦略のリードである。「バーチャル・シューズのような製品について考えた場合に、それは単なる靴を指すのでなく、製品とサービスと、さらに利用者に対する特典になる体験、も含まれます。」バーチャル・シューズは、例えばその所有者(ホルダー)にとって、対応するフィジカル製品をプリ・オーダーする、靴のデザイナーとチャットするためのトークンを入手する、好きなゲーム内で(訳注: アバターが)靴を履けるようになるといった特典を指している。「バーチャル製品それ自体は、購入して終わりではなく、むしろそこからが始まりなのです。」とFarisは言う。

Rtfktのチームと戦略が、ナイキ・バーチャル・スタジオには大きく影響しているが、ドット・スウーシュのプロジェクトはナイキだけのものである、とFarisは言う。「(Rtfktは)Web3におけるエクスペリエンスの開拓者であり、コミュニティと繋がるためのデジタルの経験を構築する新しい方法の青写真を生み出したのです。スポーツの更なる進化を見ていく過程で、ナイキにとってコミュニティ、クリエイティブな共同作業、ブランドに対するロイヤリティを再考する新しい方法を見てきました。」

ドット・スウーシュはナイキの新しいWeb3プラットフォームとエコシステムである。(写真提供: Nike)

RtfktのNFTの売上と、そもそもWeb3出身の会社であるRtfktが元々持っていたNFTのコレクションと合わせて、ナイキはすでに少なくとも1億8500万3千ドルをWeb3製品の売上がある。競合のアディダス(売上1100万ドル)やプーマ(推定130万ドル)と比較して群を抜いている。RtfktのCloneX NFTアバターのコレクションが、ナイキのNFTの売上の半分を占めていることが、Rtfktの買収がナイキのWeb3戦略にとっていかに重要であったを示している。ドット・スウーシュがそれに加わることで、ナイキはWeb3戦略の対象を、全体的に広げようとしているが分かる。Rtfkt固有のカスタマーだけでなく、Web3の世界にはまだそれほど精通していない自身のカスタマーも対象にしようとしている。目標は、Web3固有のユーザだけでなく、ナイキのコミュニティーを教育して参加してもらい「プレイ・フィールドを同レベルにする」ことにある、とFarisは言う。

これを成し遂げるために、ナイキ・バーチャル・スタジオは6つの都市(アトランタ、ロス・アンジェルス、シャーロット、タラハシー、ルイーズビル、ニューヨーク)で順次イベントを行う。アクセス・コードを配布し、ユーザに包括性(インクルーシブ)を提供することに特に焦点を当てる。それらの都市は明らかにテクノロジーの首都とは言えず、むしろ新しいイノベーションが普段から早期にはやってこない都市だと、Farisは言う。

何かが購入できるようになるまで一ヶ月はかかるという。「そこですぐに何かを販売しようと考えてはいません。まず教育に時間をかける段階に移行します。困難が予想されるのは、巨大なオーディエンスを置いてけぼりにして彼らがアクセスを失うことなく、Web3の原理をどのようにリスペクトしつつ彼らを誘導していくかです。」

ドット・スウーシュのプロジェクトはしばくの間密かに進行していた。5月にナイキはENSドメインの dotswoosh.eth を19.72イーサリウム(当時およそ3万8千ドル)で購入していた。さらにはドット・スウーシュのマイクロサイトを、ナイキのスウーシュのロゴのアニメーションを見せることで「先出し」していた。ナイキのチーフ・デザイン・オフィサーであるJohn Hokeはその当時、Vogue Business に対して「我々にとってメタバースは探検のために開かれた球体である。次の世代にとって『アヴァン・ギャルド』とは何であるのか。自身や自分のアバターをどのように着飾ることができるか。どのようにしてスタイルのセンスを磨くことで切り開いていけるだろうか。」

Web3の環境において、一ヶ月は永遠のように感じられるほど長く、トレンドは素早く変化してしまうようにも思える。仮想通貨の価値が下がり続けている状況において、売上を共有することはかつて予想していたほどには楽に儲からない可能性もある。このことが、時間をかけて着実に進めようとする際に困難を生むことになるかもしれない。Farisによると、どんなことに参加者が強く反応を示すかを学ぶことによって戦略を決める必要がある、という。

重要な要素として共同でクリエイトすることがある。そこには参加者がデザインの重要な構成要素を決定して彼ら自身が共同でクリエイトした製品を売ることや、ヴァーチャルのグッズからロイヤリティを稼ぐことも含まれる。コミュニティ・チャレンジの勝者には、共同クリエイターとして制作作業を行ったバーチャルの製品すべてに対してロイヤリティを稼ぐことも出来るようになる。Rtfktを通じて、ナイキの2次ロイヤリティは12億9千ドルとなっている。つまりナイキは、共同クリエイターのロイヤリティ料として少なくない額を仕払っていることになる。

正確にどんな仕組みになるのかは、まだ現在開発中とのことだが、靴ひもや色を投票して決める機能も考えられている。人々は自分自身のサイトを .nike ドメインの元で構築(例えば「名前.nike」)し、彼らのグッズを表示し、販売すら出来る可能性もあるという。「私達はクリエイターになるとはどういうことかを再定義し、スポーツの未来は創造性と包括性にある」と彼は言う。ナイキがスポンサーとなっているアスリートやセレブリティから始める可能性が高いと彼は付け加えた。

Web3のコミュニティは、メインストリームからの視線が注がれている一方で、実際の利用者に関しては比較的ニッチである。より大きなオーディエンスを実際に参加させることによる見返りは、リスクに見合ったものなるかもしれない。「現時点で私達は(Web3に)もっと幅広い事柄を取り入れて世界からアクセスし易いものにすべきです。」Farisが言うには、ナイキは最早、(Web3内で)実験して学習する段階にはないという。「特にこの状況においては、もし私達が思慮深く尚且つ注意深く行いたいのであれば、私達の作品をどのような原理で規制していくか、ということから始めるようにする必要があります。その原理とは、まず第一人者になることではありません。より永続可能な計画をたてることにあるのです。」(翻訳ここまで)

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