デート・アプリがIPOする日
IPOを計画しているBumble社のS1(目論見書)の中から、会社の紹介部分(の中のごく一部分ですが)を翻訳してみました。私とBumbleとの出会いについてですが、表題の写真にありますマグカップに書かれていたbumbleの文字。それが全てでした。このマグが女性の地位向上を目指す目的で実施されたイベントで配布されたことだけが手がかりでした。「女性を支援する会社なのかな」という印象だけで終わってしまいましたが、それも何年も前の話。この会社がどのように女性を支援しているのか、それはこの目論見書を読んで今回ようやく知ることになったのです。
(免責事項:翻訳が完全で正確なものであることは保証致しかねます。また投資対象として会社を評価するために重要と思われる数字は、今回はほぼ含まれておりません。私自身が投資についてを勉強している段階ですので、ご自身の責任で利用していただければ幸いです。)
私達の会社について
Bumbleを設立したのは、2つの異なるしかし関連している社会における問題に気づいたからです。
「未だに時代遅れの基準に基づいているジェンダーに対する見方」それから「インターネットにおける、相手を思いやる気持ちの欠如と無責任」です。女性は社会において、特にロマンティックな関係の上で平等には扱われていない時が多いと感じています。同時に、ソーシャル・ネットワークは人と人の繋がりをつくる可能性があるにも関わらず、既に知っている人同士の繋がりにフォーカスしており、オンラインにおける振る舞いをより良くするようなレールがないことも。
現状を変えるためにBumbleをつくったのです。Bumbleブランドは女性を中心にして作られています。そこでは女性がまず最初に第一歩を踏み出すのです。私達がしているのは、女性にとって安全で女性にも権威が与えられるようなプラットフォームによって、時代遅れの標準の上でつくられた台本を書き換えようとしているのです。
人々は私達のプラットフォームを使って繋がることが出来て、平等で健康的なリレーションシップを彼女たち自身が決めたルールに従って育むことができるのです。オンライン・デートを超えて、生活の全て全て面(愛、友情、キャリア、されにそれ以上の)において健康的なリレーションシップのために、私達のプラットフォームを拡張できる重要な機会が得られると信じています。全てのリレーションシップにおいて女性に権威を与えることで、Bumbleは傑出したグローバルな女性のブランドになる可能性を秘めています。
2つのアプリおよびアプリを超えたムーブメント
現在、Bumbleは2つのアプリを運営しています。BumbleとBadooです。一ヶ月あたり4000万人以上のユーザが訪れ、安全で安心できてなおかつ女性にも快適な環境において新しい人々を発見しています。(2020年の9月30日の段階で、月間アクティブユーザ数は4210万人で、この数には当社が運営している他のアプリの利用者数も反映されています。)私達は、成長の速いオンライン・デート空間を提供しています。オンライン・デートは過去10年間でどんどんポピュラーになっており、合衆国では新しいカップルが出会う手段として最も多いのはオンラインになっています。(学術研究誌"Proceedings of the National Academy of Sciences"による。)
私達のコミュニティはアプリを非常に盛んに利用しており、1500万通におよびメッセージが毎日やりとりされています(2020年の9月30日以前の9ヶ月間)。
Bumbleは単なるアプリ以上のものです。私達はムーブメントを作り出しているのです。私達の「ミッションを第一に掲げる」戦略は、ビジネス上の決定とパフォーマンスをガイドすることに価値を置いていおり、私達がインパクトのあるビジネスを行うことを可能にしています。私達の戦略は、力強いブランド力、製品におけるリーダーシップ、秀逸な運営力、そしてインパクトをもたらす独創性によって支えられています。私達のビジネスのスケールは、革新性のあるユーザのエクスペリエンスを提供し、ブランドをより広く認知されるようにして、ビジネスモデルを強固なものにすることを継続して行うのに役立ちます。
・Bumbleアプリは目的を持って製作されています。女性に威厳を与えて、彼女たちにリレーションシップにおいてより多くのコントロールを与えます。私たちがもっと女性を中心に置くためにリレーションシップにおけるダイナミクスを書き換えることで、世界はすべての人にとってより良いものになっていくと信じているのです。
・Badooは実直な方々のためのデートを実現するプラットフォームの分野でリーダーとなることにフォーカスしており、Bumbleを支えている価値感を広げています。Badooの製品において安全性と安心感を高める機能を再設計したことで、より平等で多くの方々に安全に責任をもってオンライン上で繋がることが出来るようになりました。
・アプリを超えたところでインパクトのある独創性を打ち出してブランドの魅力を高めています。その中には、オンライン上で望ましくない猥褻な画像を禁止するポリシーを提唱したり、女性の企業界を支援するBumble Fund(初期段階にある、有色人種の女性が主導になり起業されているビジネスに投資することを第一にしているファンド)に投資することを約束しています。
・女性の地位を向上させることを中心としたマーケティング・キャンペーンによって私達のブランド力を強固にしています。キャンペーンには“Be the CEO Your Parents Wanted You to Marry”や “Believe Women”があります。
私達が成功しミッションを実行していくことで、さらにブランドを認知してもらい、より私達のプラットフォームに多くの人が惹き寄せられると信じています。
私達のユーザとエクスペリエンス
私達のユーザはブランドに深いところで結びついているので、口コミによって確実に効率よくユーザを獲得できるパワフルなマーケティング・ツールとしての役割を果たしてくれています。事実、020年の9月30日以前の9ヶ月間の間で、直接のマーケティングによってアプリに興味を持ったと思われるユーザは新規加入者の22%しかいません。コミュニティが成長するにつれて、ユーザのエンゲージメントとそれによる課金は向上します。それによって、私達はさらに製品の革新性とマーケティングに投資することが出来て、結果的により多くの人が私達のプラットフォームに集まるでしょう。このパワフルなネットワーク効果が、成長の原動力となって、ユーザ一人あたりの課金率を高めています。020年の9月30日以前の9ヶ月間の間、すべての新規加入ユーザについて、ユーザ獲得のためコストを回収のために必要な期間(Payback Period)は平均して3ヶ月未満という結果でした。
私達の信条として、人々を繋げる手段が幾らでもある現在で競争に勝つ最大の方法は革新的な製品です。製品の設計がユニークなのは、ユーザ・エクスペリエンスを通じて安全性と安心感を優先するエンゲージメントを可能しているところです。継続的にユーザからのフィードバックを集めることで、我々の製品の開発のロードマップに役立てています。BumbleとBadooアプリは共通のインフラストラクチャを持ち、得られた見識をアプリ間で共有できるのです。モバイル・アプリとサーバーの開発、データ・サイエンスそして機械学習を専門とするグローバルなチームのエンジニアにより構築された共通のインフラストラクチャは、ユーザに個別化されたより良いエクスペリエンスを提供するのにも欠かせません。チームはオンライン・デートの中でも製品に関するリーダーシップの面で目立った実績を上げています。私達は以下のような機能を最初に実装したメジャーなデート・アプリです。
・安全性を高めるための機能として、写真による自動認証。(2016年)
・アプリ内でのビデオ・チャット機能。(2016年)
・機械学習を利用した猥褻画像のボカシ機能。(2019年)
この会社はまだ始まったばかりです。事業の中心にあるオンライン・デート市場には、シングルの世界的な増加傾向により、まだまだ開拓の余地が残されています。合衆国とそれ以外の地域でもオンライン・デートに適応してそれにお金を払う傾向は増加しています。オンライン・デートに始まって、今ではコミュニティから得られた知見によってBumbleが生活のより多くの領域に広がることが期待されています。将来的にこれらの新しい機会に対応出来るように、プラットフォームは柔軟性を持ってつくられています。例えば、プラトニックな友人関係およびビジネス上のネットワーキングのために、それぞれBumble BFFおよびBumble Bizzという製品を開発している初期段階にあります。
世界には約380億人の女性がいて、そのうち110億人がシングルであり、180億人が仕事を持っています。女性は、多くの場合に家庭内での決定権を持ち、30兆ドルの購買力を持っていると考えられています。その割に、テクノロジーを活用したプラットフォームは、女性を中心に据えて作成されているとは言い難いのです。女性を中心としたテクノロジーのプラットフォームを基礎として、私達はグローバルな女性の傑出したブランドになれる大きな可能性を秘めています。女性の居るところなら何処でも、私達は行くことができます。(今回の翻訳終わり)
記事中の画像にありますBumble Bizzについてのバンブル社のCEO、WHITNEY WOLFE HERD のインタビューはこちらを参照しました。