VIVE XR Eliteを体験してきました

ROBAと申します。VRでエッチなゲームを作ったり悪趣味なゲームを作ったり真面目にCAVEシステムを作ったりしてるおじさんです。初投稿です。VIVE XR Eliteの体験会の参加条件がnoteに感想を書くことなんでアカウント取りました。今後とも宜しくです。多分そんなに記事書きませんが。

さて、2月13日にHTCの新型VRヘッドセット、VIVE XR Eliteの体験会に行ってきました。軽量でMR体験が良いと評判だったのヘッドセットで、体験会をやると聞いて真っ先に申し込んで行ってきました。11日がゲーマー向け、12日がメタバースユーザー向け、13日が開発者向けだったのでVR開発者の端くれとして13日に行ってきました。以下、Quest 2、PICO4と比較しながらの感想になります。

見た目

VIVE Flowとそっくりです。特にバッテリーを外すと正面から見るとぱっと見は色の違いくらいしかなく、上から見ると厚みが違うことに気が付きます。バッテリーパックがついてない状態だとVIVE Flowと同様にヘッドバンドではなくメガネのようにつるを耳の上に掛ける形で装着するのですが、メガネのようにつるを畳むと「え、これだけ?」と思うほどコンパクトになります。標準ストラップを付けたQuest 2はコンパクトで持ち歩きが楽で良かったのですが、比較にならないくらい小さいです。これは素晴らしい。


重量

軽い!後頭部のバッテリーパック込みだと625gだそうでPICO4よりわずかに重いですが、VIVE XR Eliteはバッテリーパックを外して代わりにモバイルバッテリーなどから給電できるため、本体のみだと273gだそうです。もちろんモバイルバッテリーはポケット等に入れて持ってる必要がありますが、顔や頭で重量を支える必要がないために非常に快適です。またバッテリーパックを取り付けると重心が後ろ寄りになるため、顔に負担が全くかかりません。

VR体験

遅延等は感じられず、違和感のないVR体験になっています。視野角は110度と広めで、解像度は1920×1920ピクセルと、現代的なスペックになっています。映像は鮮明でQuest 2よりは明らかに上ですがPICO4と比べるとほぼ同等に感じます。ただしPICO4にあった歪みは感じませんでした。
度の調整が出来るパンケーキレンズを採用しているためかなりの近眼でない限りは裸眼でプレイ出来るのは素晴らしいです。また、無段階のIPD調整機構もついているため、誰でも快適にVR体験ができそうです。
近年のVRヘッドセットとしては標準より少し優れてるくらいの品質のVR体験ですが、これを本体重量300g未満のヘッドセットで行えるというのが驚異的です。

コントローラー

VIVE Focus 3と同じ、Oculus Touch型コントローラーが使われています。良くも悪くもOculus Touch的で、現代のVRコントローラーとしては標準的な使い勝手でした。ただし軽いです。Quest 2のTouchコントローラーより軽かったです。

スピーカー

音質は普通に良いです。

VR睡眠

バッテリーを外すと後頭部に物がなくなり、しかもヘッドセット本体が軽量なため、非常に快適にVR睡眠が行えると思うのですが、自分はやらないのでよくわかりません。というかみんなよくアレで寝られるな。

MR品質

これが一番気になってると人が多いと思いますが、

画質: VIVE XR Elite>=PICO4>>>Quest Pro
立体感:Quest Pro>VIVE XR Elite>PICO4

で、トータルで見てVIVE XR Eliteは現在この3機種で最も優れています。
画質に関してはVIVE XR Eliteはスマホの文字が読めました。PICO4もカメラ品質はあまり変わりないのですが、近い物体の歪みが酷いために文字が読めるほどスマホを近づけると歪んでしまい読みづらいです。Quest Proのカメラは割りと論外ですね。スマホを観るとハレーション起こして文字なんて読めたもんじゃないです(高かったのに…)。
立体感に関してはわずかにQuest Proの方が勝ってるのですが、近くに寄ったときの歪みの少なさはVIVE XR Eliteの方が勝っているように感じました。ただし、VIVE XR Eliteのパススルー用カメラは左右の間隔が人間の瞳孔間距離より広く設置されているため、現実よりも立体感が薄く感じられる気がしました。
要するに、PICO4の画質とQuest Proの立体感を備えてるので最強です。

現在、深度センサーは有効化されてないそうで、現実の物体はかならずCGの後ろに描画されてしまうため、近くに物体がある時に違和感が出ることがあります。ここは今後のファームウェア更新に期待したいところです。

ハンドトラッキング

VIVE XR Eliteはハンドトラッキング機能を持っています。ただし、精度良く認識する範囲はヘッドセット正面の一定距離の間で、そこを外れると認識精度が落ちたり手を見失ったりします。また、認識には遅延があり、手を早く動かすと遅れて手がついてくる感じがして違和感があります。ただし、別売りのVIVEリストトラッカーを手首に取り付けると、コントローラーと同じ仕組みで手の位置を認識するため、遅延も手を見失うこともなくなります。これは思ってた以上に快適です。

フェイシャルトラッキング、アイトラッキング

今後対応するアダプターが発売されるそうです。ここは今のところ標準で対応するQuest Proの独断場ですね。ただ、案外使い道が少ないんですよね、アレ。

まとめ

VIVE XR Eliteは、VIVE Focus 3とVIVE Flowを足したようなVRヘッドセット、という発言がありましたが、全くその通りと感じました。強力なVIVE Focus 3の解像度以外の機能を、軽くて快適なんだけど低機能なVIVE Flowのボディに詰め込んだようなヘッドセットです。決して安価ではないのであまり無責任に買うべきとは言えないのですが、フルスペックのVR体験を過去に無いほどの快適さで出来るという点で唯一無二のVRヘッドセットとなっていると思います。

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