着信音にビクつく、を綴る

着信音は無意味に人を緊張させる要素があると思う。いつも電話が鳴ったら、とりあえず一呼吸置いて出ている。僕の携帯はiPhoneなので、お馴染みのあの、

♪チャチャチャチャチャチャチャーン

という音を聞いたら瞬時に身構えてしまうのだ。(文字で音を表現すんな)

今の時代、LINEやメールでなんでも連絡は出来るのにわざわざ電話をしてくるってことは、良くないことなんじゃないかと疑ってしまう。かける側になっても、相手が今どんな状況なのか考えすぎてしばらく電話が出来ない。あと、シンプルに電話が苦手だ。知らない人と突然話さないといけない状況になるのが、とても嫌だ。
しかし、映画を撮ってる者としては、アポどりなどでたくさん電話をしないとならない時がある。最初はアポ取りが苦手で、しれっと他のスタッフに任せていたのだけど、最近はいざ電話するとなったら別の自分がムクムクと出現して、いくら電話をしても大丈夫になってた。だが、仕事が終わってその自分がいなくなると、途端に電話に出るのを緊張してしまう。
いつまでもこの最強メンタルが続けばいいと思うのだけど、この別の自分は言ってしまえば仕事のスイッチみたいなもので、こいつが四六時中僕の中にいるとなったら、多分疲れると思う。
仕事以外の所では疲れたくない。

でもたまーに、仕事以外の所で、こいつに出てきて欲しいと思う時がある。お店などで、相手の不備に対して指摘をする時だ。明らかに自分が損をしている時店員さんに声をかけたいのだけど、なかなか言い出せない。こういう時、仕事の時の電話の自分を求めてしまう。

このコントロールをうまく出来る様になりたいなと思いながら、今日も、中華料理店の豚ニラ炒めの中に入った髪の毛を箸で弾いて、卓上のペーパーの上に置き、しれっとご飯を食べ進める。

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