まこっちゃん主義、さらに深読む 〜raremetal heart編


まこっちゃんファンの三本立て妄想企画も、いったんラストです。

最終回は個人的に思い入れ深い大好きな曲、raremetal heart/コタニキンヤ. でいきたいと思います。(文中はどっとがなくなってますがご容赦ください)

▼ キンヤ.という歌い手

このレアメタルは、Mads様としてではなくDA個人がキンヤさんに曲を書いた初めての作品だ。あれだけ盛大に Mads様にプロデュースされていながら、DAにバックで弾いてもらったことがなかったり、曲を書いてもらったこともなかったりする、それが Mads様の配下から逃れた後も長らく運命づけられていたキンヤさんのキャラである。

そんなキンヤさんが満を持してDAからゲットしたレアメタル、2016年の発売だったんですね。ちょうど日本では熊本で大きい地震があったあとでした。

歌詞にはそのへんのタイムリーな事情を表す言葉が織り込まれています。

ユルめのキャラにはヤられちゃって
キツめのBossには歯が立たない
どっちにしたってゲームなんで
リアルに投影無く泣くナイ?

あぁ、はんぱなくまこっちゃん節!!!打ってて感激で唇が震える。(手で打ってますよ)
ユルめのキャラはもちろん、熊本といえば浮かんでくるほっぺの赤い大きなあのモンですね。キツめのBoss、それはそんな熊本を打ち負かそうとしてきた自然災害。

キンヤさんといえば生粋のゲーマーで、レアメタルに関しても、PVみたいなものを自らプレイするゲームの実況画面で編集作成するという謎の手間暇をかけた最高に笑える作品まであったんですが、あいにく大人の事情でポシャったようです。そんなゲーマーキンヤさんを象徴するような言葉で、こちらもゲームの主人公になって一緒に進んで行く的なワクワク感が演出されてます。なんていい歌詞。

漲るのは勝つんじゃなくて
護る為の力 TA・RA・RE・BA
仮想ギミの時代こそ
触れたいキミのheart(すべて)

ここは特にキンヤさん自身も一押ししてた箇所だったと記憶してます。ゴリゴリに勝ちに行くスタイル、パワーでねじ伏せるタイプではない。ちょっとへなちょこだったり泣き顔だったり、そんなラジカセ担いでたころのキンヤさんから、もう大のおとなになっても変わらない部分がある。悩んで迷って、でも走り抜いてここに戻ってきたキンヤさんが、今ある素敵なものを護ると決めて放つ思いと力。つまり彼の歌声の魅力そのものをめっちゃよく描き出している。

キンヤさん自身は、あくまで辺境ヲタクが少々知る限りだけど、決して底抜けに前向き一辺倒のオトコ、という感じでは実はない。もちろん絶対あきらめないで進んでいくし、ファンのことをそれはもうびっくりするほど大切に考えていて、とにかくやるときゃやる人なのだが(それはこれまでのEDKなどでご存じの方が多いだろう)シャカリキ進んでいくタフさが売りだとかバイタリティの塊、強メンタルの鬼だとは思わない。だから、答えなどナイけど、とちょっととまどいながらもフィールドを進んでいく主人公キンヤの姿が、ものすごくフィットするのだ。

自分の信じた道を突き進む力、というか、彼がそれを信じるに至るまでにきっと彼ならではの葛藤や自分への問いかけやいろいろあったんだと思うが、それを乗り越えて一度信じたらもう絶対突き進む力が、彼にはある。護りたいものがはっきりしていて、ファンの目の前でそれを、聞いてるほうが恥ずかしくなるぐらい真っ直ぐに伝えることができる。大事なものが見えているから、それ以外のなにかに足を取られてつまづいたときでさえただじゃ起きない。もし失敗してもそれを活かすのは「自分の糧」なんて狭い世界じゃなく、彼を応援して歌を聴いてくれるみんなのため、支えてくれる仲間のため、となんの疑問もなく心から素直に考え、しかも実行してしまえる。

レアメタルがなんで好きかって、本当にそんな、あっちこっちぶつかり怒られながらも進んで行く、いかにもキンヤさんらしい歌なのだ。

へなちょこゲームの主人公を応援したくなって、自分も一緒になって手や足や振り上げたり武器はなんだと探してるうちにやたらと元気が出てくる、走り出したくなるエンジン全開曲が俺にとってのレアメタルだ。

暗い話で恐縮だが、リリースのころは俺個人的に、母と祖母を立て続けに亡くしてけっこうどんよりしてる時期でもあった。そんなときに聴いたレアメタルは拍子抜けするほどスッと心に入ってきて、音楽を受け付けないとさえ思った時間をほどいて現実へとつないでくれた。あのときどれだけ元気づけられたか忘れられるはずがない。本当にこの曲が出たタイミングといい、感謝しかない。

▼ キンヤ.を育てた神

歌詞以外の話になるが、Mads以来ひさびさの曲提供だと言っても、本当によくDAはキンヤさんの声を知ってるんだなと率直に思った。KINYA時代の曲も含めちょいちょい聴いてたけど、ここまで今のキンヤさんにしんどそうな声を出させる曲はそうそうない。人の魅力を引き出す天才DA、極まれる。

キンヤさんは、聴いてわかるとおりめちゃくちゃに歌がうまい。ラジカセの頃からはけっこう歌い方も声も変えた部分もあるが、俺はひそかにデビュー当時のキンヤさんの鼻にかかる声が抜群に好きだった。最近そのようなタイプの歌い方をすることはほぼなくて、その声が聴きたい時は昔のCDを聴くしかない状態だったのだが、レアメタルったらどうだ。

見事に苦しそうな、頑張るキンヤがあらわれた!!
テンポは速いしキーは上がるし、この絶妙な域をついてくるのはやっぱりさすが我らがスコーp浅倉大介神としか言いようがない。

そこに来てまこっちゃんの歌詞だ。
「ん」だとか「か」だとか、高音が映える音が随所にはめられている!!グッジョブとはこういうとき使う言葉だ。

▼ raremetal heart まとめ

DA&まこっちゃんコンビにかかれば、キンヤさんも一瞬で彼のゲームの主人公だ。ファンのためみんなのためとがんばりすぎるキンヤさんが、しっかり自分のステージで、純粋に最高に輝くための曲として、レアメタルはぴったりだ。彼自身がそのゲームをがむしゃらクリアする姿を、ファンはときめきながら一緒に楽しめばいい。

元気の出る歌詞、主人公の思いと歌声、前向きなメロディ、いつまでも聴いていられる音、そしてタイミング。すべてがミラクルレベルにあわさって生まれた輝きが raremetal heartだ。

ずっとこの先も、俺の人生を近くで支えてくれる曲であり続けるだろう。あのゲームで感動をくれた最強コンビ、勇者と盟友のように。

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