糸つむぎ日記④
プログラムの調整も済んで、手作り電動糸紡ぎ機がひとまず完成したので紹介します。コンセプトは「好きな紡ぎ方を探るための電動糸紡ぎ機」です!
全体の様子
糸によりをかけるフライヤーと、糸をまきとるボビンをそれぞれ別のモーターで動かしています。普通、糸車と言ったら足踏みでも電動でも、動力はひとつです。でも初心者には、よりをかける強さや巻き取るスピードを細かく調整できた方が、好きな紡ぎ方を見つけやすいのでは?と思って2つのモーターを使うことにしました。
機能紹介
2つのモーターの動きを細かく調整できるようにしてくれているのがプロトタイピングツール「VIVIWARE」です。糸紡ぎ機のモーターとVIVIWAREのブランチをつないだら、アプリ上でモジュールを組み合わせて、いい感じにモーターを操作できるようにプログラムしました。
プログラムでやっていることは主に5つです。
①スライダーでモーターのON/OFFとスピード調整をする
②ローテーターでフライヤーとボビンの速さの比を調整する
※ボビンの方が速くまわるとよりをかけた糸が巻き取られていきます
③フライヤーとボビンが同じ向きに回転するようにする
④フライヤーとボビンの速さを表示する
⑤もしものための、強制ストップボタンを設定
紡いでみる!
つまみを動かして速さやボビンに糸を巻き込むスピードを調整しながら糸を紡いでいきます。途中切れそうになったときは、一度止めて、原毛を継ぎ足して、しっかりめによりをかけてからボビンに巻き取ります。細い糸を紡ぎたいときは、糸紡ぎ機の動きよりも手元で原毛をよくほぐして少しずつ送り出すといいみたい。かなーりゆっくり動かせるので、落ち着いてできます。楽しい!
左側が電動糸紡ぎ機で、右側がスピンドルを使って手紡ぎした糸です。かなーり均一にふんわり紡げるようになりました。
手紡ぎの糸は、まだうまくできなくて、ふんわりしちゃったり逆によりがかかりすぎてキツキツだったりしています。でも、使いようによってはこれはこれでいいのです。たとえば簡単な枠で小さな織物を作ってみると、糸の太さのばらつきがちょうど模様のようになって素敵です。
どんな糸になっても、活かし方次第ですてきにできそう。そうすると、もっともっといろんな糸を紡いでみたくなりますね。太かったりすっごく細かったり、ゆるっとしてたりぎゅうぎゅうだったり。ウール以外の繊維もやってみたくなります。
今回VIVIWAREを使って作った電動糸紡ぎ機のコンセプトが「好きな紡ぎ方を探るための道具」で、細々と動きを調整できるようにしてあるというのは、こういうわけなのです!(続く)