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ビビっと!トーク① 「原動力は芸人の皆さまへのリスペクトと感謝」三方良しのお笑いライブ制作団体を目指す。

初めまして。ビビプロです。

"ビビプロ主催者"と呼ばれていましたが、最近はビビプロそのものを名乗っています(?)

元々映像制作会社を経営しており、夏にお笑いライブ制作団体『ビビプロ』を創設し、10月に旗揚げライブを開催してから早2ヶ月が経過しました。
前触れも無く唐突に立ち上がったせいか、「ビビプロって何?」と疑問を抱く方も少なくないと感じます。

そこで、ビビプロ創設の経緯・ライブ制作の想いなどを文字に起こしておこうかと思ったのですが、自分で綴るのが思った以上に小っ恥ずかしくて。

お笑いメディア『ワラパー』さん協力のもと、インタビューをしていただきました。自己申告制インタビュー。新しい。

お笑いとは無縁だった自分がどうしてライブを制作していくことにしたのか。
ビビプロのwebメディア『ビビッと!マガジン』1本目として、残しておくことにします。




(以下、ワラパーさん取材)


初めてのお笑いライブが「ヤレロマ」

———ビビプロ立ち上げまでの流れを教えてください。

そもそものきっかけとなったのは、2023年に開催された、令和ロマンとヤーレンズのツーマンライブ(通称:ヤレロマ)です。

令和ロマンの髙比良くるまくんが大学時代の同級生なんです。2022年に令和ロマンがM-1敗者復活戦で爪痕を残している姿を見て、それまで少し堅めの企業系PR動画を作っていた僕も「エンタメ方面の映像制作をやってみたい」と思うようになって。「ヤーレンズさんとツーマンライブをする」と聞き、翌年1月に「お手伝いをさせてほしい」と伝えて毎月1回、1年間並走させてもらいました。

第1回 ヤーレンズ×令和ロマン
〜ヤーレヤレ、もうすっかり令和ですわ。複雑な現代に漫才パンチ〜 (2023.1.25)より

そして2023年、令和ロマン・ヤーレンズが揃ってM-1決勝に進出し、優勝・準優勝。当時、僕は社会人6年目。仕事が落ち着き挑戦することが減っていた時期だったのもあり、お笑いに真摯に向き合う彼らを見てすごく刺激を受けたんです。それで、「自分も人生を変えたい」と思うようになって。映像を撮影したり編集したりするだけではなく、エンタメ空間自体をつくれるようになりたい……そう思い、ライブ制作団体を立ち上げることにしました。

———2022年のM-1後、約半月後には「手伝いたい」と言っていたんですね!お笑いライブの現場でスタッフをしたのは、ヤレロマが初めてですか?

初めてですし、お笑いライブを観たのもそれが初めてでした。ヤレロマ初回なので、2023年1月25日のことです。

———初めてお笑いライブを観て、どう思いましたか?

劇場に来ていたお客さんたちの熱量も高く、芸人さんとお客さんが一緒に笑いの渦をつくり出すライブ感がすごかったです。2組とも劇場にいる方の顔を見ながら自分達のお笑いを届けていて、その姿勢が強くイメージに残っています。

ライブを観て感じた、令和ロマン・くるまのプロフェッショナル

———大学時代、くるまさんとはどんなきっかけで友だちになったのでしょうか?

僕が大学時代に運営していたイベントに出演いただいたのがきっかけですね。自分は、大学の新入生歓迎会などのイベントを開催する学生団体に所属していたんです。そのイベントでは、4時間くらいかけてチアダンスやフリースタイルバスケなど、入学生に向けて在校生がいろんなパフォーマンスをしていました。

で、僕の代で初めて“漫才”のコンテンツをやったんです。学園祭で見た漫才がめちゃくちゃ面白くて、声をかけたのが髙比良くんが所属するお笑いサークルだったんですよ。松井(ケムリ)さんも、別のコンビで出演いただきました。なので、イベントを主催する側とパフォーマンスしてくれる側で出会ったのがはじまりです。

———学生の頃から知っていたくるまさんが舞台上でネタをする姿を目の当たりにして、どう思いましたか?

学生時代からすごくレベルの高い漫才をしてましたが、それが洗練されて世間にもキャラクターが受け入れられ、よりプロフェッショナルな感じが増したなと思いました。

第1回 ヤーレンズ×令和ロマン
〜ヤーレヤレ、もうすっかり令和ですわ。複雑な現代に漫才パンチ〜 (2023.1.25)より

———ヤレロマで初めてヤーレンズさんとお会いしたと思います。そのときの印象はいかがでしたか?

初対面から「今日はよろしく頼むよ」という感じで、すごく物腰の柔らかい方々でした。いちカメラマンの僕に笑顔で接してくださって、漫才ももちろん面白かったですけど、すごく優しい方だなと思ったのを覚えてます。

第1回 ヤーレンズ×令和ロマン
〜ヤーレヤレ、もうすっかり令和ですわ。複雑な現代に漫才パンチ〜 (2023.1.25)より

令和ロマンとヤーレンズの活躍で「人生を変えたい」と思うように

———2023年に1年間ヤレロマを手伝い、その年のM-1で2組が優勝・準優勝を果たしたんですね。そのときはどんな感情でしたか?

令和ロマンがトップバッターになったときはひざから崩れ落ちました(笑)。ヤーレンズさんもすごく点数が高くて、世の中にすごい衝撃を与えているのを見てドキドキしましたね。

令和ロマンが優勝したときは実感がわかないというか、「チャンピオンになってしまった、どういうこと!?」みたいな感覚で。1年にわたりご一緒した方々が最終決戦に残り、しかも2組の名前が順番にめくれていって……日本一のお笑いライブを1年間見続けていたんだなと感慨深く思いました。

ヤーレンズ×令和ロマン〜ヤーレヤレ、もうすっかり令和ですわ。複雑な現代に漫才パンチ〜
トークライブ(2024.1.30)より

———そのときの感動が、ライブ制作団体『ビビプロ』の立ち上げにつながっていくんですね。

はい。M-1が終わってそのままの勢いでYCA(よしもとクリエイティブアカデミー)に入学しました。当時、僕は30歳。「このまま映像制作だけで人生を全うするのではなく、なにかを変えたい」とすごく思って。現状にもある程度満足していたんですけど、令和ロマンとヤーレンズさんの活躍を見て「このまま甘んじるのではなく、人生を変えたい」と思ったんです。

また、ヤレロマのご縁から出井さんにお声がけいただき、2024年1月からは『ヤーレンズ寄席』や『ハッとして!Talk』(不定期開催のトークライブ)、『ベストネタライブ』(2024年9月23日開催)、『コントの虎 漫才の狼』(ジグザグジギーとのツーマンライブ)といった、ヤーレンズさんが主催するライブのお手伝いをするようになりました。僕がやっていたのは、ライブの写真撮影と映像撮影&編集です。ヤーレンズさんのおかげで様々な芸人さんと出会うことができ、そのときの感動がビビプロライブにも反映されています。

第1回ヤーレンズ寄席(2024.1.11)より
ヤーレンズ × ジグザグジギー ツーマンライブ コントの虎 漫才の狼 (2024.3.15)より
ヤーレンズベストネタライブ(2024.9.23)より

手探りで開催した旗揚げライブに申込1500

———10月17日に開催された『ビビプロ旗揚げライブ』は、なかのZERO小ホールで行われました。初めての主催ライブで500席キャパの会場。だいぶ思い切りましたね。

いや、お笑いライブの通常の規模感を知らなかったんです……。後から、無鉄砲なことをしたんだなと思いました。でも旗揚げライブは、キャパ500に対して1500くらいのお申し込みがあったんです。お笑いライブに関する常識がないところが、逆に良かったのかもしれません。

———それは、初回から大成功ですね!

1500も申し込みがあったときは嬉しかったんですけど、それは自分の実力ではないんですよ。芸人さんの知名度や人気、チケットのシステム、フライヤーデザインに助けられた反響だったと思います。一線で活躍する芸人さんたちが自分の色を出して、その上で「面白い」と思われる空間とスパイスを準備するのが自分の仕事。未経験の僕がそういった舞台をつくることになるので、プレッシャーはすごかったです。

ビビプロ旗揚げライブ(2024.10.17)より

———未経験でのライブ制作、大変なことも多かったのでは?

本当に知らないことばかりだったので、日々学ぶことばかりでした……。音響・照明さんや会場の方との打ち合わせをしても、知らないことばかりで。しかも3台の業務用カメラを伴う生配信をすることにしたので、会場にネットを通す工事をしたり、配信設計をしなきゃいけなかったりもして。思い返すと、旗揚げライブほど準備が大変なものはなかったかと思います。

———元々映像制作の仕事をしていることもあり、ビビプロのライブ配信は画質がすごく良いですよね。

複数カメラ・高画質でライブ配信を届けるのは費用も相当かかるので、ライブシーンではやっていない人が多いと思います。その点においてはビビプロとして注力したいポイントです。ただ、ビビプロライブの魅力=映像にしてはいけないと思うんです。高画質でライブ配信を行うことは目的ではなく手段なので、映像を通じて何を伝えたいかが大事。僕が伝えたいのは、芸人さんとお客さんが一緒につくる、劇場の“臨場感”です。それをどれだけ解像度高く伝えられるかが重要だなと考えています。

映像制作の強みを活かしたライブ制作

———今後、ビビプロはどのように動いていこうと思っていますか?

月1回程度、安定してライブ開催ができたらと思ってます。2024年10月に始動した後は、月1回ライブ開催ができました。お客さんにすごく楽しんで帰っていただけた感覚があり、僕自身にもすごく満足感があるんです。そういったクオリティーのライブを、定期開催していきたいですね。そのうえで、ビビプロとしてどう届けるかも追求していきたい。普段、映像制作会社をやっているからこその強みを活かしたなにかにチャレンジしたいと思っています。

それから、ビビプロに期待してくださっているお客さんを裏切らない活動をしたいと思っています。最近、Threadsをはじめたんですよ。Xは告知ばかりになってしまうので、Threadsでは僕の想いを発信できたらなと思って。そしたら、「頑張れ」とか「応援してるよ」と言ってくれる方がいて、「ビビプロ主催者」という存在を応援してくださっている方がいることを感じたんです。好きな芸人さんを劇場で見たいと思っている方はもちろん、地方に住んでいてなかなかライブを観に行けない方は高画質の映像に感謝してくださったり……。芸人さんの存在が大前提ですけど、副次的にビビプロに愛情を持ってくれている人に対しては「期待を裏切りたくない」と思いますね。

恩返しをモチベーションに、三方良しを実現する団体に

———映像制作という本業がありながらお笑いライブを開催する。この2軸を並行で進めるのは大変ではないですか?

大変ではありますけど、めちゃくちゃモチベーション高くやれています。映像制作はクライアントワークなので、納期までに期待値をどれだけ越えられるかみたいなところが勝負。そこに対してやりがいも感じるし、クライアント様の期待に応えようとしてレベルが上がっていくことも感じます。でもその上で、自分の手で付加価値を作って届けるような活動もしたいんですよ。ライブ制作はゼロから自分の手でできるし、芸人さんと一緒に戦っているみたいな感覚も味わえます。社会人になってから、今が一番「自分の人生を生きているな」と感じられています。

ビビプロ寄席ライブ(2024.11.28)より

———モチベーションを支えている、もっとも大きな基盤はなんですか?

「恩返し」ですね。令和ロマンとヤーレンズさんは「エンタメ空間をつくりたい」という想いを羽ばたかせてくれた存在ですし、それによって自分の可能性も信じられるようになったんです。これって僕の人生のなかではすごく大きな出来事で、ゼロから旗揚げライブの空間をつくれたことはそれまでの人生の集大成でもあります。そういった経験をさせてもらえて感謝をしているので、その意味での恩返しですね。

YCAの講師にも、「令和ロマンやヤーレンズに対して恩義を感じているなら、彼らに対してどんな機会を創出できるかを今後考えながらやっていくべき」と言われているんです。ただライブをさせてもらうだけではなく、ビビプロを彼らの気持ちを満たせるような場所にしていきたい。その先に、ファンの皆様に満足いただける世界があるのかなと。芸人さんが満足して、ファンの方が満足して、ビビプロも満足する。そんな三方良しのライブをつくり続けたいと思っています。

【協力:ワラパー】
文・編集:堀越 愛

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