オタクナレッジ共有会をやる意味
こんにちは!viviONのUXリサーチャー後藤です。
今回はviviONのUXリサーチャーが行なっている取り組みについて書いていこうと思います。
オタクは謎に満ち溢れた存在
2006年に大澤真幸さんが書いた論文「オタクという謎」には、オタクがいかに謎に包まれた存在か、が語られています。
実際、私もこれまで多くのオタクにインタビューをしている中で、上記のことをしみじみ実感しています。例えば、ある二次元オタクの方は「普段から好きなキャラのイラストを描いているけど、推しについては好きすぎて描くことができない…。」と言っていたことがありました。
『私(二次元オタクではない人)の視点で考える』と、好きなら好きであるほどイラストを量産するものじゃないの?と思ってしまい、理解に躓いてしまいます。この方を理解するには、『私の視点で考える』ことをやめ、『二次元オタクの視点で考える』ことが必要なのです。
じゃあ、私自身が二次元オタクになればいいのか?いやそういうことではない。
『二次元オタクの視点で考える』ためには、二次元オタクに自分がなったらいいと最初は思いました。しかし、なろうと思ってなれるほどオタクは甘くないし、理性的に推しはつくるものではないのですぐに断念しました。
あるオタク研究者の方に相談した際、「二次元オタクになりきれたとしても主観的な視点に頼ることになり、客観的な視点に欠けてしまうから良くない。その中間に立ち続けることが大切。」というアドバイスをいただき、そのために何をしたらよいかを考えた結果、オタクナレッジ共有会を実施するのが良いと考えました。
オタクナレッジ共有会ってなに?
オタクに関する論文を事前に読んでおいて、その論文内容を読んでいない人にわかりやすく説明するという活動です。
目的は、習慣的にオタクに関する知識を取り込んでいくことで『立場を変えずに視点をオタクに合わせられる』ようになることです。
オタクに関するものであれば二次元、三次元関係なく読んでOK、かつ、新しいオタクサービスにつながりそうなTipsが書かれているものもOKとしています!(心理学とかマーケティング系の論文など)
これを毎週30分程度、UXリサーチャー2名で実施しています。
1人1報の論文を持ち寄っているので、週に2報の論文を読んでいることになります。
オタクナレッジ共有会を毎週30分3ヶ月継続した結果…
私は、オタクを理解する守備範囲が広くなり、研究に使える引き出しも増えました。冒頭でお話しした二次元オタク「推しについては好きすぎて描くことができない…。」についても、「推しではないキャラを描いたときは、ちょっと思ったのと違ったな、を許容できるが、推しだけ特別で自分の頭の中にある詳細な解釈やイメージがあるのでそことのズレが許せない、推しを自分によって汚す行為となってしまう。」など、考察ができるようになりました。
また、他の参加者は『論文は抽象、実業務では具体に触れられるので具体と抽象の行き来ができるようになった。』と言い、思考の幅が広がったと実感していました。
最後に
今回の取り組みがUXリサーチに活かされていることを実感しているため、今後も継続しつつ、今後は社内全体に向けた文献共有会を実施する予定です!
ここまで読んでくださりありがとうございました!これからもお見守り頂けますと嬉しいです!
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