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貴婦人のコルヴェイユ|Under the rose《1》|Nuit blanche

 街路樹の葉が徐々に色付き、秋も深まる8番地。
 初めてのフェアに賑わうヴィヴィアンズ百貨店では、各店のショーウィンドウが一層華やかに装飾され、道行く人々の目を奪っています。

 空想宝飾店”Under the rose”では、飾り窓一面にスパンコールの星を縫い付け、中央にぽっかりと浮かぶ満月をしつらえました。天井から垂れる乳白色のベール。そのドレープが作り出す柔らかな月光に、4種の昆虫とクリスマスローズが集っています。

本記事にてご紹介
第二回目の配信記事でご紹介

 貴婦人の豊かな時間を集めた花籠(コルヴェイユ)。
 当店はその「夜」へ焦点を当て、彼女が過ごす美しい夜長に寄り添う作品をご用意致しました。
 モーヴ色の花籠へ、ビーズ煌めく不思議の花を添えましょう。

 惜秋の庭園を彩る、可憐なクリスマスローズ。少女の涙が姿を変えたとされるその花は、今宵も溢れそうな程の夜露を花弁に溜め、静かに月光を束ねています。

 貴婦人が窓辺から眺めた儚い光の粒。
 慎ましやかな涙の花は、その神秘的な美しさで彼女の心を満たしたことでしょう。

 本作は、まもなく開花時期を迎えるクリスマスローズを、独創的なビーズ刺繍で表現しました。スモーキーカラーの上品なベロア生地に、フレンチワイヤーの装飾。立体的な花冠は内側へ立ち上がり、俯きがちに咲く特徴的な花の姿を表しています。

 中央のクリスタルガラスを引き立てるよう、花弁には夜露を辿る格子模様を施しました。柔らかなファーと一粒の涙を身に着けた、冬の貴婦人の名に相応しいブローチです。

 薔薇色の肌に白の装飾が映える「ロゼ」、オリーブグリーンとモーヴの配色がミステリアスな「ブラン」の2色をご用意致しました。冬を迎えるこれからの季節、お帽子やコートの襟元へ咲かせてみてはいかがでしょう。

 満月は既に宙高く昇り、庭園の樹々も眠りにつく頃。
 追想に耽っているのでしょうか、貴婦人の私室では、仄かな蝋燭の灯りが揺れ続けています。
 彼女が思い浮かべる、花のように美しい記憶。
 その懐かしく甘い香気に誘われて、一頭の夢虫が姿を現しました。

 月の女神オオミズアオをモチーフに仕立てた、神秘的な昆虫のブローチです。気品ある薄緑色の大きな翅には、フレンチワイヤーで精美な翅脈を描き、輝くビジューの斑紋を散りばめました。

 豊かな白毛で覆われた胴体には、満月を思わせるクリスタルガラス。優雅に翅を上下させる度、青みを帯びた不思議な煌めきを放ちます。
 展翅をすれば、一際豪華に耀う姿。月光を宿した美しい昆虫は、貴方を幻想的な月世界へ誘うでしょう。

 記憶と戯れる夢虫は、貴婦人の指先へ触れ、感謝の口付けを落としました。それは幸運のおまじない。東の夜空が白む頃、彼女の記憶には新たな美しい思い出が刻まれていることでしょう。

 と或る貴婦人の夜の物語、お楽しみいただけましたでしょうか。
 小夜風を受け、ひとり過去を偲ぶ贅沢な時間。彼女の花籠には、夜露の光る月白の花が添えられました。
 皆様にとって当店でのお時間が、花籠を彩る豊かなものとなりましたら幸いです。

 日々を愛する貴婦人のように、沢山の美しい時間を集め、ご自身の花籠を満たしてくださいませ。

Under the rose | ビーズ刺繍アクセサリーブランド →X
碧い茨に隠された『秘密』(Under the rose)という名の宝飾店。
月が差し込む硝子ケースの舞台には 天鵞絨で着飾った
多様な動植物が集う ミラの星が輝く晩
仮初の自由を手に 一夜限りの宴が始まる…  
「空想宝飾店」をテーマに、昆虫をはじめとした動植物のアクセサリーを制作・販売しております。ビーズ刺繍で着飾った、華やかで不可思議な世界をあなたに。



【通販期間】
11月24日(日)21時~26日(火)21時
【BASE20%OFFクーポン利用可能期間】
諸条件あり
11月24日(日)21:00~23:59

作家名|Under the rose
作品名|ビーズ刺繍のクリスマスローズのブローチ No.41「マデロン ラルム」・2色
ロゼ or ブラン

フェルト・スウェード・ベロア・ガラスビーズ・フレンチワイヤー・ファー
作品サイズ|約55×60mm/約8g
制作年|2024年(新作)

ロゼ
ロゼ(裏面)
ブラン
ブラン(裏面)

作家名|Under the rose
作品シリーズ名|ビーズ刺繍の昆虫ブローチ No.42「フォルモント」

フェルト・スウェード・ベロア・ガラスビーズ・フレンチワイヤー・ファー
作品サイズ|約120×110mm/約20g
制作年|2024年(新作)

開翅
裏面

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