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【食べチョクアワード2024 ~未来につなげる~受賞インタビュー】100回失敗して、101回目にやっと成功するぐらいがちょうどいい。失敗に挑戦する意味とは? #5

2024年に人気のあった生産者を表彰する「食べチョクアワード2024」において、「野菜部門」第1位を受賞された、兵庫県 南あわじ市でタマネギやレタスを生産する「銀山博之」さんに、食べチョクスタッフが変わらぬ味を保つ秘訣について、お話をうかがいました。

コロナが運んできたものとは

2021年8月頃に食べチョクへご登録いただきました。きっかけは?

銀山博之)きっかけは、新型コロナウイルス流行による影響でした。元々、99%をJAに出荷していましたが、新型コロナウイルスが流行してから1・2年ほどで、売上が10〜20%下降してしまい、どうにかしないとと思っていました。

そこで、食べチョクに出品していた「Hope Will 淡路島」さんに勧められて、食べチョクに出品しようと決めました。

左 銀山博之さん、右 Hope Will 淡路島の池田敏和さん

食べチョクを始めて、変わったことは?

銀山博之)1番は現場の動きが変わりましたね。というのも、より味にこだわりたいという気持ちが強くなりました。

元々は父親が農業をやっていて、お米で味が出るように、自分で作った有機肥料を田植えの前に畑に入れていたんです。父親が作っていた20年前の味にしたいという思いはあったんですが、実を言うと父親の真似をするのが嫌で、父親に教えてもらわなかったんです。

しかし最近の天候などにより、どう頑張っても20年前のような父親と同じ味のものが作れなくて。プライドを捨てて父親に頭を下げたら、うまく行きましたね(笑)全部ノートに書き出しました。

あとは、お客様にお代以上のものを返したいと思うようになりましたね。
食べチョクを始めた当初は、先輩にはすごい注文がくるのに、自分のところには全然来なくて悔しかったんです。何が違うのかと自分のものと比べてみると、見た目も味も全然違いました。
そこから、次第にお客様にお代をいただくにあたって、恥ずかしくないものを送りたいという気持ちが強くなりましたね。例えばお客様から1,000円のお代をいただいたら、2,000円分の恩をお返しするぐらいの気持ちで、毎日荷造りしています。
それもあり、父親に頭を下げて、今では有機肥料を自分で作っています。

毎日が実験

農業をしている上で、一番のやりがいは?

銀山博之)やりがいというか、毎日農業が面白くて仕方ないです(笑)。仕事がきついとか、寒いとか、暑いとかよりも、とにかく面白いです。毎日実験しているような感じですね。

昔、農業のどこが理系なんだろうと思ったことがありました。農業をやっていた父親を手伝ってみるとその意味がわかりましたね。
「原因があって、結果がある」
なるほど、理系やないかい!って思いました(笑)
うまくいってもその原因がちゃんとあって、結果がある。失敗してもその原因がちゃんとあって、結果がある。理系そのものだなと感じました。

今は、100回挑戦して、100回失敗して、101回目にやっと成功するぐらいがちょうどいいと思ってます。毎日毎日挑戦して、失敗して、その失敗の原因が何なのかを考えてやるのが楽しくて仕方ないです。

お客様が今の自分まで育ててくれた

お客様との印象的なエピソードがあれば教えてください。

銀山博之)特に印象に残っているのは、食べチョクに登録して1年目の時に、レタスを初めて買ってくださった方ですね。それも1玉1,950円のレタスを(笑)。
その時は、荷物の送り方も収穫してから箱詰めするまでの管理の仕方も全然分からなくて…。
でも、この瞬間のこのレタスはもう絶対、「極上の中の極上」を選んで送りました。

結果的にそのお客様はリピートしてくださり、今でもずっと注文してくださってます。中には間違えて商品を送ってしまったこともありましたし、品質が良くないものもあったと思います。
しかしそのお客様は、それに対して何も言わず、今までずっと注文してくださいました。私はその時の恩を、今思いっきり返したいという気持ちが強いですね。今思えば、このお客様に私は育てていただいたのかもしれません。

たくさんの失敗に挑戦

今年、特に取り組んでいきたいと思ってることはありますか?

銀山博之)今までの延長にはなりますが、「毎年延長線上の中で挑戦し実験していくこと」ですね。
毎年栽培していく中で、自分の興味が出てくる栽培方法や管理方法があります。特に、これやったら絶対失敗するだろうというものとか。
その絶対失敗すると分かっているものを、小規模な面積で挑戦して、なんで失敗したのかという原因を追求して次の年に繋げるのがやはり楽しいですね。

もちろん、農業はただやっているだけでは儲かるものではないし、失敗する余裕はないんですよ。だからこそ、絶対失敗すると分かっている方法を、小規模面積で挑戦してみて、それを成功に繋げていこうと原因を追求していけば、その2・3年後には、大規模にやっても成功するんですよね。それに、少し気候が変動してもそれに対応できるようにもなります。

この失敗への挑戦は、自分自身にとってもすごい勉強になりますし、次の年の自分はすごい実力をつけてますね。失敗は覚悟を決められる糧にもなっていると思います。

お客様へ

最後にお客様へのメッセージをお願いします

銀山博之)環境がどんなに変化しても、今まで通りの味を、一生懸命お届けします。

結びに

今回は、総合3位および野菜部門1位を受賞した銀山博之さんにお話をうかがいました。失敗の原因を追求していくそのストイックさが、まさに野菜の味につながっているのだなと強く感じました。

食べチョクでは、銀山博之さんが日々研究を重ね、どんな時でも美味しい野菜を購入することができます。ぜひ一度チェックしてみてください!

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「食べチョクアワード2024」受賞生産者さん

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