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【食べチョクアワード2024 ~未来につなげる~ 受賞インタビュー】ふぁーむbuffoが目指す、つながりと発信で育む循環型養鶏のかたち #3
2024年に人気のあった生産者を表彰する「食べチョクアワード2024」において、「畜産物部門」第1位を受賞された、広島県で平飼い有精卵を生産する「ふぁーむbuffo(ブッフォ)」さんに、食べチョクスタッフが「お客様との絆を育む発信と地域循環型養鶏」について、お話をうかがいました。
(インタビュアー:プロダクトチーム/エンジニア 久保)
お客様との距離を縮める
2021年3月頃に食べチョクへご登録いただきましたが、食べチョクを利用しようと思ったきっかけは?
ふぁーむbuffo 岩崎さん)利用する前から食べチョクのことを知ってはいましたが、その時すでにお客様への直接販売を行っていたので、自分には必要ないと考えていました。
その後コロナ禍となり、ClubhouseやSNSを通じて他の生産者さんとの交流が増えていく中で、食べチョクの利用を勧められて始めてみることにしました。
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実際に食べチョクを使ってみてどうでしたか?
ふぁーむbuffo 岩崎さん)以前は広島県内の地元のお客様に購入していただくことが多かったのですが、食べチョクを使い始めてからは全国のお客様との出会いが生まれました。また、食べチョクを使うことで商品の情報をお客様に伝えやすいと感じています。
ふぁーむbuffoでは、鶏をひよこから平飼い飼育しています。平飼いの性質上、季節や与える餌によって卵の黄身の色が変わったり、若い鶏が産んだ卵はサイズが小さかったりします。使用している餌や育て方をお客様に詳しくお伝えすることで、黄身の色の変化や卵の大きさなどの違いについて理解していただき、楽しんでもらいたいと考えています。
そのために、食べチョク上で生産者ブログを書いたり、ショート動画をアップしたりしています。また、商品をお届けする際にはそのお客様が何回目のご注文かを確認し、毎回異なるパンフレットを商品と一緒にお送りするようにもしています。
お客様とは単に注文のやりとりだけではなく、こちらから商品の情報を詳しくお伝えしたり、お客様から食べた感想をいただいたりと、相互にやりとりを重ねるうちに、お互いの距離が近付いてくると感じています。
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地元の恵みを活かした循環型養鶏
生産方法の特徴やこだわりを教えてください。
ふぁーむbuffo 岩崎さん)鶏の餌には輸入トウモロコシを使わずに、糠、野菜くず、くず米、くず大豆、酒粕、オカラなど地元で手に入り、人間が食べることのできない未利用資源を活用しています。さらに、鶏の糞は発酵させて堆肥化して地域の農家さんに使ってもらい、そこで作られた生産物の不可食部分をまた鶏の餌に利用するというように地域循環型の養鶏を特徴としています。
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地域循環型の養鶏を始めたきっかけは?
ふぁーむbuffo 岩崎さん)学生時代に農業系の大学に通っていたので、畜産農家さんのもとで実習をする機会がありました。実習先では牛の餌に輸入トウモロコシを使用していたのですが、円安になると餌代が高騰し苦労されている姿を目の当たりにしました。その時にどうにか改善できないかと考え始めたのがきっかけです。
その後、別の生産者さんのもとで、自分が用意可能な牧草だけで牛を育て、牛の糞を肥料にして牧草を育て、その牧草でまた牛を育てるという循環型の生産方法を知りました。その姿を見て、自分もこうした循環型の生産をやってみたいと思うようになりました。
ただ、牛で新規就農することはハードルが高く、どうしようか考えていた時に循環型の養鶏を実践されている生産者さんのことを知り、その方のもとで研修を受けて自分でも養鶏をスタートしました。
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地域循環型の養鶏をやっていてどのような時にやりがいを感じますか?
ふぁーむbuffo 岩崎さん)他の生産者さんから未利用資源をいただく時に、「くず米やくず大豆を捨てるには抵抗があるけど、鶏が食べてくれると思えば報われる」というお声をいただくことがあります。
助けていただいている立場ではありますが、未利用資源の活用に貢献できていると思うと、とても嬉しいです。
地域循環型の養鶏を行う上で大変なところは?
ふぁーむbuffo 岩崎さん)餌の元になる未利用資源の量が不安定なところです。未利用資源はあくまで副産物であり、供給量が世の中の状況や作物の生育状況に大きく左右されるためです。
例えば、コロナ禍ではその影響が顕著でした。飲食店が営業を停止するとビールの製造量が減り、ビール粕が手に入りにくくなりました。また、学校が休みになると豆腐の生産量が減少し、オカラの供給も少なくなりました。他にも、くず米やくず大豆などは、その年の作物の出来によって供給量が大きく変わります。
餌に必要な資源を確保することが地域循環型の生産方法で一番難しいところです。
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交流から広がる学びと発信の輪
地域以外の生産者さんとの交流はありますか?
ふぁーむbuffo 岩崎さん)オフラインでの交流もあります。日常的にClubhouseを朝から晩まで繋ぎながら、他の生産者さんと話しています。食べチョクの機能を教え合ったり、商品をお互いに送り合って梱包のチェックをしたりすることもあります。仕事とは関係のない雑談をすることも多いですね。
日々の仕事では単純作業も多いので、そういう時に話したり、たとえ話さなくても同じ時間に作業していることがお互い心の支えになります。
また、養鶏に携わる他の生産者さんとは直接会ったことはありませんが、食べチョクやSNSを通じてお互いのことを知っており、生産方法や使っている道具などを参考にさせてもらっています。
他の生産者さんから多くのことを教えていただいているので、自分も誰かの役に立ちたいと思い、さまざまな媒体で情報を発信するようにしています。食べチョクでショート動画を掲載できるようになった際には、Clubhouseでつながっている生産者さんと一緒に、ショート動画のトップをジャックしようとしたこともあります(笑)。
ジャックできたんですか?
ふぁーむbuffo 岩崎さん)奇跡的に1回だけ成功しましたが、なかなかタイミングが難しかったです(笑)。
私も見てみたいので、またチャレンジしてみてください(笑)。
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人と自然がつながる新たな場づくり
未来に向けて取り組んでいることはありますか?
ふぁーむbuffo 岩崎さん)昨年から、鶏小屋の後ろにある裏山の整備を始めました。人が入れるように整備して、子どもから大人までみんなが楽しめる場を作ることを目指しています。将来的には、キャンプなどゆっくり過ごしてもらえるような空間にしたいと考えています。
また、鳥インフルエンザの関係で時期によっては鶏小屋を見学してもらうことが難しいという課題があります。人が入れる場所を作ることで、そこで卵や肉を食べてもらう体験ができると良いなと思っています。オンラインだけでなくリアルな場でも情報を伝え、お客様に直接体験していただくことで、より多くの方に私の取り組みを知ってもらいたいと考えています。
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生産者とお客様の間に距離があることによって、商品の情報や生産の背景が十分に伝わらず、お客様の期待とズレが生じてしまうという課題を以前から感じていました。
この課題を解決したいと思い、これまで情報の発信に力を入れてきました。これからも商品や生産について理解していただくために、私自身のことだけではなく、他の生産者さんの取り組みも含め、さまざまな形で情報を発信していきたいと思います。
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結びに
ふぁーむbuffoさんのお話を伺い、お客様だけでなく、生産者さん同士でも情報を発信し合い、つながりを育んでいる姿がとても印象的でした。
使用する餌や生産方法など、商品の背景や想いを丁寧に届けるその姿勢がお客様との信頼に繋がっているのだと感じました。
食べチョクでは、ふぁーむbuffoさんの想いが詰まった卵を購入できます。ぜひ一度チェックしてみてください!
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