【ネトフリ】令嬢アンナの真実は見た?
頭かち割られるほど面白いから早く見た方がいいよ。
ということで以下は、
「令嬢アンナの真実」というNetflixオリジナルドラマについてのレビューです。
本作品は実在した詐欺事件をでっち上げながらドラマにしているので、
以下はネタバレしながらのレビューとなっております。
当該事件を知らない方で、
ネタバレをしたくない人は、
「令嬢アンナの真実」をご覧の上で本記事をどうぞ。
大雑把な内容。
「ドイツの大富豪を父に持ち、信託銀行に6500万ドルある」
という26歳のアンナ・デルヴェイが、
ニューヨークのカネの亡者どもをことごとく手玉に取り、
自身の「財団」を設立すべく、
なんと銀行まで騙し、
あと少しで2500万ドルを融資させるところまでいく。
という実在の事件があり、
それをマンハッタン誌の瀕死のジャーナリストが、
アンナの真実に迫っていく。
つまり本作品は
自称大富豪アンナと、
アンナの真実を追求するジャーナリスト・ヴィヴィアンが
主人公の物語。
前半は、
甲高い声の大富豪の小娘の大胆不敵な詐欺行為
(ただしドラマ上は詐欺と明確にしていない。
最後は観客がどう捉えるか、という構成になっている)
が、
そりゃあファビュラスでラグジュアリーで、
嫌味なほど洗練されたオサレニューヨーカーが、
ことごとく手玉に取られるのだから、痛快です。
ヴィヴィアンがアンナの友人知人に会い、色々と話を聞いていき、その話が回想シーンとなって描かれていく、
というパターン。
で、この小娘を追求するのは、
雑誌社でジャーナリストをしているけれど、臨月が近く、しかも最近なんかやらかして、
「今は大したことできないけど実績がありすぎてクビに出来ないお歴々」
が揃っている、通称「スクリベリア」という日本の窓際みたいな島に流された、ヴィヴィアン。
ヴィヴィアンが「あと少しで書き終わるのに!」
という瞬間に破水が始まってしまい、
それでもアンナの記事を発表、
すると出産直後から反響鳴り止まず、
赤ちゃんにおっぱいあげるのも後回しになって、
また仕事に駆け出していく。
これがアンナの生き様やニューヨーカーのパリピとは違い、地に足が着いた、今を生きる「女」としての悲哀がたっぷりで、見ていて切なくて切なくて泣けてきてしまう。
「女は子どもを産む時は休んだほうがいい」
って、男は平然と言うけどさ。
仕事によっちゃあ、
そう簡単に休みを受け入れることなんて出来ないのよ。
「まだ産まれないで~」と何度も言うんだけど、その気持ちが痛いほどわかるし、
「子どもを産んだことで自分のキャリアを“これで良し”と思うことは違う」
というような台詞もあり、もうね、女子は必見よ。
アンナを取り巻く人たちがお互いに信じ切っていて、しかもそこには確実にマネーの匂いがあって、「人を信頼する」というより、「その人の背景にあるカネを信頼する」みたいな部分があって、それをアンナがうまいこと利用していて、高給取りのニューヨークのバンカーをしっかり騙してくれるのは、
もはや痛快よ!
(このドラマ製作してる人全員こっち側の人だと思うと余計笑える)
あっぱれ!アンナ大先生!!
そしてそれぞれの関係者(登場人物)の考え方、キャラクター性の違いも凄く興味深い。
アンナの彼氏は、コイツが本物の詐欺だったんじゃないか?とか、
アンナの友人でホテル勤務の映画監督ネフは、アンナのカネではなく人を信用していた希有な人だったとか、
アンナを売ったレイチェルはどう生きていくんだろうとか、
ノラおばさんみたいな人はそうやってうまいこと生きるのかとか、
一人一人のキャラクターが濃くて、次々と興味が尽きない。
もちろん、アンナ自身も。
製作(脚本)は、70億の脚本家・ジョンダライムズだよ~。
ちなみに。
本物のアンナは有罪、でも無罪も勝ち取っており、求刑自体は最長14年ってことでしたが、なんだかんだで4年足らずで刑務所を出ます。
そこでネトフリに36万ドルで映像権を売り、そのお金で豪遊していた最中、不法滞在でまた逮捕され、2022年3月に釈放となったそうです。
今この瞬間はどうなっているのかわからないらしい。
奥が深くて、
それでいてばからしさもあり、
人間ドラマとしても盛り上がるし、
サスペンスとしてもドキドキできるし、
これぞエンタメ!!!
マジでお勧めです!!