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「自己破産します」と子どもに言ったら
債務整理のことは、子どもには隠すつもりでした。
親として情けないって気持ちがあったし、これからまだ学費がかかる子どもに心配かけたくないし……。
でも、ある日郵便屋さんがきたんですよ。
「記録配達です。サインお願いします」って。
見ると取引のない銀行からの封書。子どもあて。
「……………なっ、なんじゃこりゃあああああっっ」
子どもが帰ってきてから聞いたら、自分用の口座を作りたかったとのこと。
別に、クレカを作ろうとしてたとか、後ろめたいことがあったわけではなかったみたいだったけれど、ネットで高校生が口座を作れちゃう時代だってことを実感。
これから子どもが出て行くことになる社会には、お金に関する落とし穴が無数にある。それをわかってもらうための一番説得力のある教材、反面教師に、私は、……なれる、なれてしまう、いや、あえてなろう!
と、決意し、時間を見つけて話をしました。一部始終を包み隠さず話したあと、子どもは、
「そうだったんだ……」と絶句。
そのあとで
「大変だったんだね。全然知らなくてごめんね」
と、温かい言葉。それから、すっごく実感のこもった声でこう続けました。
「今、その話が聞けてめっちゃよかった。すっごく気を付けるようにする! クレカ作らずにデビッドカードにする!大きいお金のこととかはお父さんお母さんに相談する!」
よかった。ちゃんと伝わった。
私には、私たちの債務整理のことと併せて、伝えておきたかったことがもう一つありました。それは、奨学金のことです。
「借金の怖さをこれだけ話したうえで、とても申し訳ないんだけど、奨学金は借りてもらうことになると思う。借りれるのはありがたいけどあれも立派な借金なの。もし返済が始まって、でも仕事がうまくいかなくて返せないってなって弁護士に相談したら、ほぼ確実に、『自己破産しなさい』って言われる額になる。そういう借金を背負わせることになるのは本当に申し訳ないしリスクがあるから怖いとも思っている。なるべく学費を貯めるように、早く返せるようにこれからも頑張るね」と。
債務整理をオープンにしたことで、郵便物にも電話にもびくびくしなくて済むし、子どものバイト代の給与明細をコピーさせてもらうこともしやすくなったし、子ども自身も自分のお金の使い方について考えるようになった。私たちが働いてお金を得ていることに対しても、以前よりも感謝の気持ちを伝えてくれるようになった。
いいことばっかりだった。
子どもだから、と、自分たちが恥ずかしいから、と蚊やの外にしてもいいことなかったなあと思ったのでした。
そんな私の債務整理体験はこちらにまとまっております。よかったらぜひ。
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