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5分でスクロールの企業財務分析評価


挨拶

このページをご覧になってくれている方ありがとうございます。改めましてコブータと申します。私は米国公認会計士の学習を通じて得たスキルを使い企業の財務分析を行うことで皆様の投資判断の材料にしたり、就職、転職の企業分析にお役立ちいだだければと思います。今回はスクロールを解説していきます!カタログ・ネット通販の大手ですが、その実情を約3,000文字(読む時間5分)で分析していきます。分析をしてほしい企業があったらコメント等に残してくれると嬉しいです!またメンバーシップを始めました!過去の有料記事から最新記事が全て読み放題なので気になる人は是非!初月無料です!

企業概要

スクロールは1943年に静岡布帛工業株式として設立したのがルーツです。縫製の会社だったようです。戦次中に工場が消失しましたが工場を建て直し、操業を再開しています。1967年には衣料品のカタログ販売を行い、通販、カタログビジネスを広げていきました。決算月は3月です。

事業内容

スクロールの事業は下記の5つの事業に分けられています。

  1. ソリューション事業

  2. 通販事業

  3. eコマース事業

  4. HBT事業

  5. グループ管轄事業

ソリューション事業は通信販売代行サービスです。通信販売を行う際に必要な決済や物を出荷する工程を代行する会社です。通信販売のお手伝いをしているイメージですね。
通販事業はスクロール自体が製品を販売しています。アパレル、インナー、雑貨等が多いようです。
eコマース事業は個人向けの洋服や雑貨、アウトドア用品、化粧品などをネット上で販売しています。
HBT事業はオリジナルブランドの化粧品や健康食品の販売、旅行の企画・販売も行っているようです。
グループ管轄事業は物流事業、不動産賃貸事業、海外子会社の管理等を行っています。外部への売上が殆どないのでその他と考えてもよいでしょう。

人員について

スクロールの従業員数内訳は下記の通りです。
従業員数886人の会社です。その内の約35%の従業員がソリューション事業に従事しています。次に多いのは通販事業で約30%の人員が割かれています。なのでメインの事業はソリューション、通販事業だと思われますが実情を分析していきます。

スクロール従業員数

働きやすさについて

現在注目されている働きやすさですが、スクロールはグループ会社も多いので単体のみのデータを持ってきました。女性の管理職は30.6%とかなり割合が高いです。元々衣料品の通販を行っていたので従業員も女性の方が多そうですね。男性の育休取得率は100%と良い数値が出ています。男性の育休にはとても力を入れていそうです。女性の管理職を今後さらに伸ばしていけるのか注目です。

スクロール多様性指標

スクロールの売上構成

スクロールは売上高は約790億円です。その内約50%の売上を通販事業で稼いでいます。従業員数ではソリューション事業の方が多いですが、売上は通販事業のほうが多くなっています。2022年度と比較すると売上は約2%減少しています。コロナの2020年度に業績が上昇するもそれ以降は毎年売上が減少してしまっています。
原因としてはeコマース事業の売上減少が大きいです。アウトドア用品・キャンプ用品の市場が縮小していることに加え、ブランド商材はコロナが改善してから実店舗との競争が激化したのが要因です。コロナの時期は全員外を出歩かなかったのでその分スクロール等の会社で通販購入をしていたようです。なのでコロナの2020年度はこの通販業界にとっては特需でした。
eコマース、通販事業で苦戦している一方で、ソリューション事業は売上を14%増加させています。それだけ通販事業に参入してくる事業者が多いということですね。スクロールは古くから通販事業を行っているのでノウハウもあるのでしょう。スクロールはこのソリューション事業に注力しています。
売上は日本向けが約90%超えで国内メインのビジネスを行っています。主要顧客はコープデリです。コープデリ向けとなると食品が思い浮かびますが、オリジナル健康食品の売上がそこまで多くないので別の製品も販売していそうですね。

スクロールセグメント別収益

営業利益と当期純利益

収益の増減も重要ですが、営業利益と当期純利益についても無視することはできません。
スクロールの営業利益率は約6.6%です。あまり高い利益率ではありません。売上が減少している分、利益額も減少してしまっています。ですが

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