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5分で日産化学の企業財務分析評価
挨拶
このページをご覧になってくれている方ありがとうございます。改めましてコブータと申します。私は米国公認会計士や簿記2級の学習を通じて会計のマニアになりました。企業の財務分析を行うことで皆様の投資判断の材料にしたり、就職、転職の企業分析にお役立ちいだだければと思います。今回は日産化学を解説していきます!高配当株でもあるこの企業の実情を約3,000文字(読む時間5分)で分析していきます。分析をしてほしい企業があったらコメント等に残してくれると嬉しいです!またメンバーシップを始めました!過去の有料記事から最新記事が全て読み放題なので気になる人は是非!初月無料です!
企業概要
日産化学は1887年、高峰譲吉、渋沢栄一、益田孝ら明治の先覚者により日本初の化学肥料製造会社である東京人造肥料会社として創業したのが始まりです。100年以上続いている老舗の会社です。ちなみに日産と名前が付いていますが日産自動車とは資本関係はありません。決算月は3月です。
事業内容
日産化学の事業は下記の6つの事業に分けられています。
化学品事業
機能性材料事業
農業化学品事業
ヘルスケア事業
卸売事業
その他の事業
化学品事業は硫酸、硝酸、アンモニア等の基礎化学品、殺菌消毒剤等のファインケミカルの製造・販売しています。
機能性材料事業はディスプレイ材料、半導体材料等の製造・販売をしています。
農業化学品事業は農薬や動物用医薬品原薬を製造・販売しています。
ヘルスケア事業は高コレステロール血症治療薬原薬を製造・販売しています。
卸売事業は卸売の販売部門です。
その他の事業は肥料、造園緑化、運送、プラントエンジニアリング、硫酸の製造・販売等を行っています。
人員について
日産化学の従業員数内訳は下記の通りです。
従業員数3,137人と大企業です。一番従業員数が多いのは機能性材料事業です。その次に農業化学品事業、化学品事業と続きます。従業員数と売上規模に相関があるか分析していきたいと思います。
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働きやすさについて
現在注目されている働きやすさですが、日産化学はグループ会社も多いので単体のデータを見てみましょう。女性の管理職は4.2%と割合がかなり低いです。男性の育休取得率は52.8%とまずまずです。女性管理職の育成と男性の育休取得には力を入れてほしいです。平均勤続年数が約16年と長く、平均年齢も40歳以上なので長く働き続ける人が多いようです。平均年間給与はメーカーとしては高いと言えるでしょう。
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日産化学の売上構成
日産化学は売上高約2,200億円の企業です。その内約3割の売上を機能性材料事業と農業化学品事業で稼いでいます。2022年度と比較すると売上は約1%減少しています。コロナの2020年度には売上が落ちましたが、すぐに持ち直し、毎年増収を達成していましたが、2023年度は売上が減少してしまいました。
要因としては化学品事業と農業化学品事業の売上減少が挙げられます。接着剤等に使用されるメラミン素材の販売終了、殺菌消毒剤の市況下落により化学品事業の売上は減少しました。農業化学品事業では除草剤や殺菌剤の販売が減少しました。
その他の事業では売上が増収している事業もありましたが、上記2事業の売上減少をカバーすることができませんでした。と言っても減少率は1%以下でメラミン素材の販売終了による売上の減少の影響もあるので2024年度にしっかり売上増加されていれば問題なさそうです。
売上は日本向けが約46%程度で、グローバル企業です。その次に売上が多いのは欧米です。中国、韓国にも多くの製品を納入しているようです。
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営業利益と当期純利益
収益の増減も重要ですが、営業利益と当期純利益についても無視することはできません。
日産化学の営業利益率は約21.2%です。メーカーとしては高利益率と言えます。売上が減少しており、営業利益も減少してしまっています。その要因は
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