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5分でディップの企業財務分析評価


挨拶

このページをご覧になってくれている方ありがとうございます。改めましてコブータと申します。私は米国公認会計士や簿記2級の学習を通じて会計のマニアになりました。企業の財務分析を行うことで皆様の投資判断の材料にしたり、就職、転職の企業分析にお役立ちいだだければと思います。今回はディップを解説していきます!テレビCMにもよく出る会社ですが、その実情を約3,000文字(読む時間5分)で分析していきます。分析をしてほしい企業があったらコメント等に残してくれると嬉しいです!またメンバーシップを始めました!過去の有料記事から最新記事が全て読み放題なので気になる人は是非!初月無料です!

企業概要

ディップは1997年にコンビニエンスストアのマルチメディアステーション端末を利用した「無料カタログ送付サービス」の運営を目的として設立されたのが始まりです。翌年には「人材派遣お仕事情報サービス」を開始し現在のメイン事業になりました。決算月は2月です。

事業内容

ディップの事業は下記の2つの事業に分けられています。

  1. 人材サービス事業

  2. DX事業

人材サービス事業はCMでよく見かけるバイトルやバイトルNEXTの運営です。ディップは派遣会社とは異なり、求人を自社のサイト等に載せることで求職者を募り、企業に掲載料を払ってもらうというビジネスモデルです。
DX事業は中堅・中小企業の採用・人事DX化の推進を行っています。簡単に説明すると採用・人事のIT化、自動化を推進しています。

人員について

ディップの従業員数内訳は下記の通りです。
従業員数2,699人の会社です。その内の約6割の従業員が人材サービス事業に従事しています。やはりメイン事業は人材サービスなのか。しっかりとメイン事業で儲けているのか分析していこうと思います。

ディップ従業員数

働きやすさについて

現在注目されている働きやすさですが、ディップは女性の管理職は36.2%と割合が高いです。男性の育休取得率も100%と文句なしの数値が出ています。平均勤続年数が5.1年と少ないのは気になりますね。平均年齢も30以下とかなり若い会社です。平均年間給与は多くはありませんが極端に少ないわけでもないです。

ディップ多様性指標①
ディップ多様性指標②

ディップの売上構成

ディップは売上高約530億円の企業です。その内8割以上の売上を人材サービス事業で稼いでいます。2022年度と比較すると売上は約9%増加しています。コロナの影響で売上は大きく一時的に下がりましたが、すぐに業績は回復して毎年増収を達成し、2023年度は直近では最高の売上になりました。ディップは2019年にグループ会社を所有し始めたため2019年度までの連結財務諸表はなく、ディップ単体の財務諸表しかありません。
売上増加の要因としては人材サービス事業の売上増加が大きいです。特にメディアを利用した求人広告サービスはディップの主力事業であり、売上は約30億円増加しています。それこそバイトルやバイトルNEXT等でそれだけ売上が増加したことになります。近年の人手不足もあり、コロナも落ち着いたことにより採用を増やそうとしている企業もそれだけ多いと分析できます。
DX事業も売上高で約10億円増加しており成長率25%なので成長性は高いです。応募者との面談スケジュールの自動調整等を行う「面接コボット」や派遣会社の営業先リスト自動作成等の営業支援を行う「HRコボット」のほか、職場紹介動画をはじめとするバイトルの独自機能を活かして企業の採用ページを作成する「採用ページコボット」等の売上が好調だったようです。こうして人事・採用・営業にかけるコストをDX化することで減らそうとする企業は多いようですね。

ディップセグメント別売上

営業利益と当期純利益

収益の増減も重要ですが、営業利益と当期純利益についても無視することはできません。
ディップの営業利益率は約23.7%です。高利益体質の企業と言っても良いでしょう。売上が増加し、営業利益もしっかりと増加しているのはとても良い傾向です。高利益率の要因は

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