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5分で日本特殊陶業の企業財務分析評価


挨拶

このページをご覧になってくれている方ありがとうございます。改めましてコブータと申します。私は米国公認会計士や簿記2級の学習を通じて会計のマニアになりました。企業の財務分析を行うことで皆様の投資判断の材料にしたり、就職、転職の企業分析にお役立ちいだだければと思います。今回は日本特殊陶業を解説していきます!聞き馴染のない会社ですが高配当株です。その実情を約3,000文字(読む時間5分)で分析していきます。分析をしてほしい企業があったらコメント等に残してくれると嬉しいです!またメンバーシップを始めました!過去の有料記事から最新記事が読み放題なので気になる人は是非!初月無料です!

企業概要

日本特殊陶業は1936年に日本碍子株式会社からスパークプラグ部門を分離し設立したのが始まりです。スパークプラグはガソリンを燃焼させるための着火に必要なエンジン車の部品ですね。エンジン車と言われると今後のEVシフトがどう影響していくのか気になりますね。決算月は3月です。

事業内容

日本特殊陶業の事業は下記の3つの事業に分けられています。

  1. 自動車関連

  2. セラミック

  3. 新規事業

自動車関連はスパークプラグを始め、グロープラグや自動車用のセンサを製造・販売しています。グロープラグもディーゼルエンジンを起動する時に必要な部品です。
セラミックは産業用を中心に半導体部品、医療用酸素濃縮装置等に使われているようです。
新規事業では特に環境に配慮した燃料電池等の製造・販売を行っています。

人員について

日本特殊陶業の従業員数内訳は下記の通りです。
従業員数約1.6万人の大企業です。メインの事業は自動車関連なので8割近い人員が自動車関連に従事しています。ですが、新規事業でも700人も従業員がいるので力を入れているのが分かります。

日本特殊陶業従業員数

働きやすさについて

現在注目されている働きやすさですが、日本特殊陶業はグループ会社も多いので日本特殊陶業単体のみのデータを持ってきました。女性の管理職は4.9%と割合が低いです。男性の育休取得率は59.8%とまずまずの数値になっています。育休の取得には力を入れていそうです。女性の管理職は今後伸ばしていって欲しいですね。男性の育休取得率もさらに改善していってほしいです。

日本特殊陶業多様性指標

日本特殊陶業の売上構成

日本特殊陶業は売上高約6,100億円の大企業です。その内の82%以上の売上を自動車関連で稼いでいます。2022年度と比較すると売上は約9%増加しています。この会社はコロナ影響を殆ど受けておらず、直近5年では毎年増収を達成し、2023年度は直近では最高の売上になりました。
要因としてはインフレによる価格転嫁の影響が大きいようです。コロナ収束と部材不足緩和によって自動車生産は回復傾向にありますが、日本特殊陶業としては、前期と同水準でした。なのに売上が9%も増加しているのは原価が高騰している分、しっかりと売価に反映しているからですね。
売上は日本向けが約18%しかなく、数字で見るとグローバルカンパニーと言えるでしょう。一番売上が多いのは米国で全体の売上の約25%が米国向けで占められています。その次はドイツと車産業の強い国のマーケットに入り込めていることが分かります。中国を含む全ての地域で売上が上がっているのは良いですね。

日本特殊陶業販売実績

営業利益と当期純利益

収益の増減も重要ですが、営業利益と当期純利益についても無視することはできません。
日本特殊陶業の営業利益率は約17.4%です。日本のメーカーとしては高利益体質の企業と言えるでしょう。売上は9%も増加していますが、営業利益は約20%も増加しています。その理由としては

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