彼女と親からの愛
僕は中学二年生頃から、性欲が極薄になってしまった。
だが、そんな中でもなぜか彼女が欲しい。
女性とイチャイチャしたい。
何故だろう、と考えるうちに、一つの可能性が浮かび上がってきた。
僕は、親からの愛をあまり感じず育った。
(変な書き方になってしまうのは、愛を注がれなかったのか確証がないからです)
その影響で、女性からの愛を異常に欲してしまうのではないか、という可能性だ。
いや、愛というのは少し違う。僕は、全肯定と癒しが欲しいのだ。女性を、心の拠り所にしたいのだ。
思えば、僕はこれまで3人ほどの女性とお付き合いしてきたが、全ての人が、僕を肯定してくれた人だった。
多分女性に、昔与えられなかった「母親」の面影を感じて、付き合っていたのだろう。
だが、どこかで自分が求める「母親」像と齟齬が生まれて、どの人も結局長続きしなかった。
僕は、母親が嫌いだ。いや、怖いのだ。
僕を怒鳴りつけて、殴ったりしたから(今じゃ考えられないことかもしれないね)。
でも、今でも母親と定期的に連絡を取っている。
一年に一度くらい、一緒に買い物もしている。
とある人から聞いた話では、男性は母親とあまり連絡を取らなくなるそうだ。
僕は、母親に飢えているのだろう。
無償の愛とか、包み込むような温もりとか。
それでいて母親を恐れているので、女性が怖いんだろう。
僕の母親は、僕に向き合った事があったんだろうか。
僕は、母親に向き合った事があったんだろうか。
できる事なら次会った時に話し合いたい。
向き合いたい。
でも、もう遅すぎるような気もするのだ。
お互いきっとどこかでぎこちない、ずれを感じていた。でもそれを、30年ちかく無視している。
もう言えない。
遅すぎるなんてことはないとか言う人もいるけど、今更親子喧嘩して母がそのまま死んでしまったら、母が僕と過ごした最後の記憶が喧嘩になってしまう。それは嫌なのだ。
やはり今のまま、僕が異常だってことはわかってるけど、なにもなく、ズレを無視して微笑みながら別れられるのがいいな、と思う。
そりゃ、僕の苦しさもわかって欲しいけど。
冷たいようだけど、家族でも他人なんだよね。