「養育費の実体験から見える現実と実効性のある対策」
結論
⚫︎養育費は家庭裁判所か公証役場で取り決める。
⚫︎面会交流が条件になり得る為、子どもの利益を最優先にし、養育費と同時に司法の場で取り決める。
養育費とは
養育費に係る条文
養育費に関する手続き
1.実体験から語る養育費の実態と現実
今年、次女が20歳になり、保護者としての役割から解放され、元夫との最後のつながりも終わりました。
離婚してから、養育費の支払いが終わるまでの15年間、本当に多くのことがあり、長い旅でした。
この記事は私の個人的な経験に基づいています。
参考になるかは分かりませんが、ご一読いただけますと幸いです。
下記のウェブサイトもぜひチェックしてみてください。
リンクを添付しておきます。
こどもの健やかな成長のために ~離婚後の「養育費の支払」と「親子交流」の実現に向けて~法務省 2024年版https://www.moj.go.jp/content/001322060.pdf
子どもの養育に関する合意書(記入例)
https://www.moj.go.jp/content/001394348.pdf
①養育費の初期の合意について
離婚調停が不調に終わった結果、協議離婚となりました。
調停で合意に至らない場合は裁判に移行します。
それには費用と時間がかかる上、身体的、精神的、経済的な負担も大きくなります。
私はそれぞれ前進し、これからのために労力や時間を使うことを、相手方に直接提案しました。
相手方もこれに同意しました。
そして、養育費の金額については、双方が納得する形で合意に至りました。
言った言わないの争いにならないように、公証役場で公正証書を作成することを提案しましたが、私たち双方とも公務員であるため、相手方はそれを必要とせず、私も正直なところ、もう関わりたくなかったので、その提案に同意しました。
②養育費の未払い時期
約5~6年が経過した時、通帳に養育費の入金がないことに気づきました。
最初は単なる遅延だと思っていましたが、数ヶ月間も続きました。
その時期に、相手方から面会交流に関する調停の申立てがあり、私も養育費の未払い請求について調停を申立てを行いました。
離婚調停の際には弁護士に依頼しましたが、この事件については、養育費と面会交流に精通している別の弁護士に相談しました。
弁護士が介入しても、状況が大きく変わるわけではないため、調停と審判の前に、弁護士からのアドバイスを受けていました。
③養育費の支払い再開
裁判官は、相手方に多額の借金があり、借りた元本が減少することはないため、算定表に基づく金額を支払うと生活が成り立たず、結果的に養育費が支払えなくなると言いました。
そのため、算定表よりは少なくなるが、細く長く支払ってもらった方が良い。という裁判官の提案に同意しました。
また、数年後に子どもの養育費を増額するための調停を申し立てることも、一つの方法であると、裁判官は言いました。
具体的な金額、期間、年齢、月を明記し、双方が合意の上で、それが裁判所の記録として残されました。
以降、同じ金額が今年に至るまで支払われてきました。
理想的には、大学卒業まで支払いが続くことが望ましいのですが、当時の借金の状況と関係の長さを鑑みて、20歳の誕生月までと決定しました。
養育費は滞りなく毎月支払われており、裁判官が言及していた養育費の増額に関しては、再度の調停申立てを行っていません。
生活に追われる中で、増額のための調停がさらなる疲弊を招き、仕事ができなくなるリスクが高まると判断したためです。
2.最後に
離婚時には、多くの事項を取り決める必要があります。
しかし、養育費の支払いを先延ばしにしたり、公的機関に有効な書面で手続きをしないと、養育費が支払われなくなることがあります。
最初に、家庭裁判所または公証役場で文書を残すことを強く推奨します。
面会交流事件も同様に重要ですが、今回はその話題には触れません。
ただ、家庭裁判所で面会交流事件の審判が養育費とも関連したもので、大変重要だったことは付け加えておきます。
子どもの食費だけでもかなりの出費となります。さらに、進学にも費用がかかるのは言うまでもありません。
子どもに罪はなく、子どもの人生を最優先に考えてきました。
私の経験では、裁判官から言われた通り、長期にわたって少ない養育費を支払われることが、結果的には良かったと思います。
もし、養育費のことで相談する必要があるのなら、無料で相談に乗ってくれるところもあります。
しかし、一番早いのは、家庭裁判所で調停申立てを行うことです。
未払いの際には、再度相談することもできます。
そのアドバイザーとして、弁護士に相談することを、私の経験からお勧めします。
今回、養育費の支払いがすべて完了して思ったこと。
「本当にここまで、よくやってきたね、
これからは、いよいよ、本当にあなたの人生を生きる時がきましたよ。」
そんなふうに自分に声掛けをしました。
子どもが20歳になったこと。
子どもを通じて繋がっていた元夫との糸が完全に切れたこと。
それは、何となく施しを受けていたり、他人に頼っていたような気持ちの自分からの解放でした。
親権者は私ですが、相手方にわずかでも金銭的に支払う、親としての責任を全うしてもらうことが必要でした。
私には、相手方を懲戒する権限はありませんが、司法によって決定された事項は、遵守してもらう必要があります。
子どもの親として、子どもの自立を共に支えることは、例え離婚しても消えない事実です。
これは、離婚後も両親が子どもに対して共同で、責任を果たしていることを示していると思います。
親として逃げずに責任を果たすことの誇りと、それらによる補償は、自分がまともなことを成し遂げたと、自らの人生を肯定するために欲しかったものかもしれません。
そして、双方の義務を果たした後、新たな人生が本当に始まったと感じました。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
私が目指しているのは孤立のない共生社会の実現です。