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218.夫婦の関係もトライ&エラー

勝手に紹介させていただくが、neneさんの書いた記事を読んで、とても素敵なご夫婦だなと思った。


夫婦一緒に寝ていたけれど、旦那さんのいびきがうるさすぎて双方のストレスの原因になっていたところ、ある日の喧嘩をきっかけに夫婦別寝にしたら喧嘩がなくなったのだそう。

何がこうもいいなぁと感じるかを考えてみたところ、ある答えに辿り着いた。多分、「まずやってみる精神」を感じ取ったからだ。

これが原因かどうか分からないし、この対処法で合ってるかどうかは分からないけれど「結果がどうであれとりあえず試してみる」というのは、夫婦関係に限らず、誰かと深い関係を築いていく上でとても有効な手段だと思う。

neneさん自身も、以下のように綴っている。

夫婦の形は夫婦で
試しながら決めるべきだなと
つくづく思った。

私はここに、とてつもなく共感したのだ。

どの夫婦だってオンリーワンな存在なのだから、とにもかくにもやってみなければ自分たちに合うかどうかは分からない。


我々夫婦も話し合いの中で「とりあえずやってみるか」となることがかなり多い。

例えば、うつの診断を受けたバジさんと過ごしていくにあたって、心の状態の可視化を試してみたことがある。

初めは、赤・黄・緑の3色で、自分の心の状態を示せる掲示板のようなものをリビングの壁に作ってみた。朝起きた時や仕事から帰ったときに、自分の心身の状態に合う色を表示させるのだ。

心身ともに良好な状態で家事も普通にこなせる状態なら緑、心身のどちらかの調子が悪く、家事は少し滞ってしまう状態なら黄、心身どちらかまたは両方の調子が悪く何もできない状態なら赤、というような具合だ。

数週間やってみて、お互いの感想を話し合った。

バジさんにはかなりハマったようだ。自分の心と一瞬でも向き合う時間をとることで、自分の状態を把握するきっかけになったし、私の状態が分かることでずっと気を遣った状態から解放されたらしい。

でも反対に、私には苦痛になっていた。バジさんの欄はずっと緑以外の色しか表示されていないし、相手の状態に合わせて自分の対応を変えるというのがストレスだった。
そもそもマメじゃないから、表示を変えること自体を手間に感じるし、自分の心の状態はグラデーション過ぎて3色なんかじゃ表せないことが多かった。

それならばどうしようかと、次に試したのは口頭での確認だ。相手の心がマイナスに傾いていそうなのを感じ取ったとき、その瞬間に「今なんかしんどいことある?」と聞くのだ。これを、お互いがルールとしてやってみた。

けれどこれも失敗に終わった。聞かれたって自分でも何がしんどいか言語化できないことが多いのに、聞かれたことで無理に言語化させなくてはと思い、余計落ち込んでしまうことが分かったからだ。

そしてまた、どちらからともなく感想を伝え合い、別の方法を模索する。そんな感じで、時にはマイナーチェンジを交えながらどんどんと形を変えていった。

そしてとうとう、自分たちにハマる方法を編み出したのだけれど、それはまたいつか紹介したいと思う。


私たちがこの方法に辿り着けたのは、お互いがトライ&エラーを前提にしていたからだと思う。

夫婦間に起こる問題にアプローチするとき、私が一番に失いたくないと思っているのがモチベーションだ。そして、そのモチベーションが下がる原因として、停滞感や孤独感がある。

その点、実践を前提とすれば何かしら”進んでいる感”がでるし、失敗すらも前進と捉えるから、後退も停滞もない。

また、進む方向(目的)が共有されていれば、「実践→見直し→形を変えて実践」という行程の中に確実にパートナーの存在が必要だ。孤独感を持つなんて、むしろできない。

なにより、失敗も含めてすべてが夫婦の財産になっていく。こればかりは、積み重ねた人にしか分からない感覚があると思うが、私はこの感覚がとても愛おしい。

いつか子どもたちが成長して夫婦の時間をたくさんとれるようになった時、バジさんと積み重ねた数多のエラーを、二人して盛大に笑い合っていることだろう。


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