日記 6月10日

晴れ

今日はいつもの乗り継ぎ先の電車が点検だかなんだかで止まっていて、違う路線を迂回したのち徒歩15分かけてバイト先に行った。知らない道だしいつもなら5分もかからないから、遅刻しないか不安だった。しかしそんなことよりひさびさの知らない道だった。

新しい場所を歩くとワクワクして、スマホでもなんでもいいからとりあえずシャッターを押すことができる。でかいガレージみたいなフォトスタジオとか、ちっちゃくてでも野菜とか安そうなレトロな感じの地域のお店の集まりとか、軒先の鉢植えの中の紫陽花、色褪せたポスターで目隠ししてるひとんちの扉、2メートルくらいの幅高さしかない鉄道下の通路、途中で買った500ミリのお茶がほぼなくなるくらい(飲むのは人より早い)暑かったけど楽しかった。どんどん歩いていくと見慣れた景色に突然接続して、頭の中のテリトリー地図が少し拡大した気がした。

最近は学校にもバイト先にも慣れて新しい道を通っていなかった。日常を撮れない自分に気づいた。前みたいにどこに立ってるのか分からなくて、毎日違う明日が来るような私ではなくなっていることか嬉しいし、少し寂しい。

代わりに新しい景色をもっと自分に見せてあげるべきだと思った。


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