女性ポーカープレイヤーの憂鬱【前編】
自己紹介
はじめまして。ポーカープレイヤーのViViです。現在カナダのモントリオールにアパートを借りて一人暮らししています。
副業などは一切しておらず、収入はポーカーのみの専業ポーカープレイヤーです。トーナメントはせずにキャッシュゲーム、ノーリミットテキサスホールデムのみをして日銭を稼いでいます。残念ながら私のような女性の専業ポーカープレイヤーはまだ少なく、日本人だと私を含めて片手で数えられる程度しか存じ上げていません。私のような旅人スタイルで専業をしている女性はもしかしたら日本人だと私しかいないかもしれません。ニッチ過ぎる存在だと自覚しております。
最近は日本でもポーカーが流行っているようで女性プレイヤーも増えてきたので嬉しく思っています。
もっと女性の専業プレイヤーが増えたらいいなと思う反面、様々な理由から女性が海外でギャンブルを生業にすると言うのはなかなかハードルが高いのかなぁと言う気もします。
記念すべき第1回目は女性専業ポーカープレイヤーの苦悩について書いていこうと思います。
興味があれば読んでいただけたら幸いです。
ポーカープレイヤーにとって大切なこと
みなさんがポーカープレイヤーにとって1番大事だと思う事は何ですか?
GTO??
ヒューマンリーディング⁇
もしあなたが10/20以上打つハイステークスプレイヤーなのであればその答えは知りません。打った事ないので(笑)
私が常駐しているレートは2/5ですが、気分によっては1/2も打ちますし、5/10もテーブルがいいと座ったりします。そしてこれらのレートに1番必要なのは、、、
「安定したメンタル」
そう思っています。
何を当たり前の事をと思ったあなたは多分ポーカー専業向いています。
私は専業を始めた初月はかなり上振れていたのでメンタルも安定していましたし、専業って思ったよりイージーだなと思っていました。しかしそんな事は当たり前ですが長くは続きません。
朝から晩まで正しいプレイをし続けてもマイナス収支で終わる。
それが何日も続く。
一生懸命稼働してお金が減るなんてそんな理不尽な事があっていいのかと思うのですが、ポーカー専業はそれの繰り返しの日々です。
我々は多大なる自由と引き換えに多くの人が経験しない理不尽に耐えながら生活しています。
私のような愚直な人間は勝ち続けている上振れの期間には万能感さえ感じる時もあります(笑)
言い換えるとアップダウンの激しい感情的な性格の為に負けが続いた時の私のメンタルは最悪です。バッドビートをくらって大きなポットを落としてトイレに駆け込み号泣した事もあります。どれだけ普段タフだろうが気が強かろうが、ただの女の子なんです。(女の子と言っていい年齢かどうかは定かではないですが)
女性は一般的に男性より感情的だと言われていますが、個人的な気持ちとしてはその通説は間違っていないと思っています。
トラッキングアプリの罠
先程も書きましたが専業初月の成績はとても良く、浮かれてTwitterにドヤ顔で公開するくらいには調子に乗っていました。
毎日成績はトラッキングしていました。「私の今月の時給六本木のキャバ嬢くらい出てるんだけど、私ってめちゃくちゃポーカー才能あるんじゃない?」って本気で思ってたし、謙虚さもなく嫌な奴だったと思います。当時はフォロワー数が現在の半数以下だったのに定期的にアンチに絡まれていました。納得です(笑)
そして順調に成績を伸ばしていた2ヶ月目の中盤に人生で初めて下振れを食らいます。
増えないどころか減っていく成績をトラッキングし続ける毎日。
負けた事実を可視化させる事によって私の心は猛スピードで乱れていきます。
「ええっと、3日で1200負けたから今日は最低でも1000は取り戻さなきゃ、、、」
負けたセッションを可視化させてしまった事により私の思考はセッションを始める前から既に正常ではありません。
負けを取り戻すと言う思考を持ったままプレイすると当然のように負けます(笑)
何日間か連続で負けて約$2000程下降した所でポーカーに行く事自体が嫌になり、専業生活2ヶ月目の後半にポーカーに行く気持ちが消失しました。当時は1/3をプレイしていたので700BBの下降で大幅に負けた気分になっていました。
ラスベガスにいた事もあり先輩や友人達とBBQをしたりクラブに行ったり負けた現実に目を逸らし最高に楽しい毎日を送れました。(笑)
何日かまとめてお休みを取った後、恐る恐るテーブルに座りましたが、お金を失う事への恐怖心から基本よりも更に狭いレンジでプレイしていました。もちろん時給は落ちるだろうし、いつまでも下振れの過去に引っ張られていて、なんだかこれは精神衛生上良くないな〜と思いライブキャッシュ歴の長いセイゲンさんに相談したら「消せば?」とバッサリと言われ成績のトラッキングはその時に全て削除しました。(笑)
そして出来るだけ現金を使うようにして自分がいくら勝ったか負けたか、今いくらお金があるのかを自分にわからないようにして生活していました。
その状態はなんと!!専業生活7ヶ月目まで続いていました!!
収支を分からなくして自分を誤魔化す戦略は私にはかなり効果がありました。せいぜい覚えられていても3日分くらいの成績なので「負けた分を取り返す」この思考は持たなくなりました。
なので自分が時給いくら出ていたのか正確な数字は1〜7ヶ月目までは実は分かりません。ざっくり後追いで残っている現金と大体使った金額と貯まったコンプから稼働時間を逆算して、7ヶ月目までのなんとなくの時給は割り出すことが出来ました。旅を継続させられるくらいは稼いでいましたし1/3→2/5へはすんなりとレートアップ出来ました。
専業生活7ヶ月目には私のポーカー専業への意識を大きく変える節目の出来事、そして自分にはないと思っていた破滅願望が現れて、現金破産寸前までお金をばら撒いたり、、、
この時は2週間部屋から出れなくなりゴハンも食べれなくなったりポーカーを始めてから1番苦しい時期でした。SNSとは距離を置いていましたし塞ぎ込んでいました。
※絶望の7か月目についてはまた別の機会に詳しく書きます。
心の弱り切った私は、一時的にポーカーを引退してもう少しBRを増やそうと思い、遠隔で香港のキャバクラの面接を受けて採用を頂きました。(笑)
この出来事は私の心の大きな保険になりました。感謝です。
絶望の7ヶ月目を経験し、更にはそれを乗り越えて、専業生活12ヶ月目の現在は成績のトラッキングへの苦手意識は一切なくなり、下振れを目で見ても何も感じなくなりトラッキングアプリの苦悩から解放されてひとまわり成長した感覚です。
次回後編でこの記事の本題に触れていこうと思います。
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拙い文章ですがここまでお読みいただきありがとうございました。