野崎守と乃木、薫の関係について
◆野崎について分かっていること
外交官として、公安としてテントについて調べるため、1年前からバルカの大使館に勤務。
肩書は警視庁 公安部外事第4課 警視。かつてリエゾン(調整役)として北京大使館で働いていたとき、後輩の<劉銘軒(リュウ・ミンシュエン)>を亡くしている。
縫合処置が出来る程度の医療の心得があり、料理も上手。
ポッタリアン。
◆1話で乃木と野崎が出会うまで
(別班、テントについて調査するなかでGFL社・アリ(とすでにザイールも?)に目を付け、丸菱商事とGFL社の共同事業を行うという体で乃木をアリに接近させる)※4話の山本尋問、5話の乃木と黒須の会話から
(公安、テントについて調査するなかでザイールに目を付ける)
【1話冒頭】丸菱商事でGFL社への誤送金事件が発生。
乃木、丸菱の担当者として返金要請をしにバルカへわたってアリのもとを訪れ、密かに携帯のデータを抜いてすり替え、GPS発信器を仕込む。
乃木、丸菱商事での調査により送金操作を行ったのは乃木と判明したことを山本から電話で報告される。
※水上・乃木が2人で金額を確認した上で、水上が宇佐美部長に呼ばれて席を離した隙に、水上のPCから乃木が送金ボタンを押している。別班として動くため、自身が容疑者になるよう仕向けた?なお乃木はこの時点では長野か宇佐美をモニターと踏んでいた。野崎、ドラムに命じて乃木に盗聴器をつける。
※乃木はすぐに気付いている乃木、「誤送金について調べてほしい」という名目でCIAのサムに電話。
乃木、盗聴器のついたバッグをホテルに置いて屋外でサムからの電話を受ける。送金先はザイールと判明、CIAの衛星により所在も明らかになる。
また会話のなかでサム(CIA)がザイール(テント)についてどこまで把握しているかを探っている。
※後に5話・黒須との会話で乃木は「金がザイールに渡ることは分かっていたが、居場所が分からなかった」と言っている。乃木、ザイールのもとへ向かう途中でタクシー運転手に出し抜かれ、砂漠に置き去りにされる。
野崎、発信器を辿ってタクシー運転手を捕らえ、乃木のバッグを回収。
砂漠で倒れた乃木、ジャミーンとアディエル、薫に救われ、なんとかセドルに到着。
現地警察を買収、銃(“例のもの”)を購入してザイールに接触する。居場所と誤送金された金(テントの資金)をダイヤに替えていたことまで突き止められたザイールは、乃木を別班ではないかと疑い、自分はここまでだと悟って自爆を目論む。
盗聴器で乃木がセドルに向かうことを知り先回りしていた野崎、自爆を阻止しようとザイールに発砲。
野崎、爆風から逃れるため乃木を連れてゲルを飛び出す。乃木、野崎負傷。また近くにいたアディエル、ジャミーンをかばって大怪我を負い、後に亡くなる。
◆野崎が乃木についた嘘
1話で乃木が「なぜ自分に盗聴器をしかけたのか」と聞いた際、ザイールとテント、テントと日本の繋がりを調べていた野崎は「ザイールに接触しようとしている日本の商社マンがいたため」と説明したけど…
ドラムが乃木に盗聴器(発信機能付き)をしかけたとき、乃木は(表向きは)まだGFL社の送金先を特定できていない。
サムとの電話により全額がザイールに送金されていると判明し、セドル行きを決めたのはその後。したがって野崎の「ザイールに接触しようとしたから」は嘘ということになる。
※この時野崎は乃木が盗聴器に気付いていたとは知らないから嘘がつけた。
一方乃木は別の理由があると気付いたはず。
野崎が乃木=別班?と疑うのはもっと後のこと。
ではなぜサラリーマンに過ぎない乃木に盗聴器を?
爆発事故により病院に運ばれた乃木が目を覚ましたとき、野崎はじっと乃木を見ていた。
その後も野崎はなにかと意味深に乃木を見つめ、バルカでは事件の重要参考人という理由はあれど、共にバルカ警察に追われることとなった薫よりも乃木の身の安全を優先している。
商社マンとしてバルカを訪れた乃木に盗聴器を仕掛けた本当の理由は?
たとえば入国審査の映像を見て、リュウに似ている乃木に目を付けたとか。
そして最終話ラストの様子からして、テントが解体された後も野崎は乃木を追い続けている。
◆リュウ=乃木説
やたらと見つめてくる野崎を、Fは「お前(憂助)に気があるんじゃないの?」と言ったけれど、その理由は7話・バルカへ向かう飛行機のなかで野崎自身によって明かされる。
乃木は野崎がかわいがっていた後輩<劉銘軒(リュウ・ミンシュエン)>に似ていた。
リュウはドラムのようなエージェントで、頼りなく見えるが芯がある。真面目で野崎に好かれようと一生懸命働いていたが、それにより度を越えた調査を行い亡くなっている。
死んだのは突然のことで、その詳細は明かされていない(遺体を確認したかどうかも不明)。
野崎は乃木=リュウ、もしくはリュウの死に関連する人物と疑っている?
また『大切に思っていた人を突然失った(置いて行かれた)』という点で、乃木と野崎は似たような経験をしている。
◆薫を警戒する野崎
爆発事故の後、病院で野崎と薫が出会ったとき、野崎は薫のことを「世界医療機構の柚木薫」と把握していた。縫合の腕を誉められても鼻で笑うなど、最初からあまり態度が良くない。
また病院での隠れ場所をチンギスに密告されたせいか、一緒に逃亡することになっても「口が固い」を自称する薫を信頼せず、情報を伏せようとしていた。
大使館に逃げ込んだ後も、野崎は薫の前では詳しい話をしない。
公安としての都合もあるにせよ、一貫して乃木より扱いが悪い。
ただしその後、命をかけてジャミーンを守った薫、そして薫に惹かれている様子の乃木を見てか、野崎の薫に対する態度は軟化した。
乃木と薫が幸せになることを願っているようにも見える。
また一度は見捨てるように言ったジャミーンにも親切に接しようとしている。
◆乃木やドラムからは信頼される野崎
乃木は公安である野崎を利用しながらも、野崎を『鶏群の一鶴』と表現して一目置き、別班としてテントに潜入する際にも間接的に(黒須にさえ明かさなかった)意図を伝えるなど信頼を見せている。
またドラムとの付き合いがいつからなのかは分からないが、ドラムは国を追われるような状況に追い込まれても常に野崎の指示に従い、献身的にサポートしている。
◆でもジャミーンには懐いてもらえない
ジャミーンには『人の善悪を感じ取る力がある』とされているが、ジャミーンは最後まで野崎には笑顔を見せず、懐かなかった。
ただしジャミーンには本当にそういう力があるのか、本当だとしてもジャミーンの考える『善悪』が何なのかは明らかにされていない。