院長先生、、スタッフがよろこぶ福利厚生社内イベントご紹介します。
院長先生ならもうお気づきかと思いますが、クリニックはある程度意識的にES(Employee Satisfaction)=従業員満足度を上げていていかないと、めちゃくちゃ退職率が高いです。
転職後1年以内に退職した理由
ポイントは、「クリニックを退職するときにクリニックに対して辞める理由として伝えたこと」ではなく、「外部の調査結果」であることですね。
例えばですが、院長先生が法令を守っていないのに気付いてしまって、注意したんだけどやめてくれないとなれば退職を決意する方もいます。その時に「院長が法令無視するんでやめます」なんて絶対に言いません。
決まって、「親の介護で」「旦那が転勤になった」などの理由をつけて退職します。ですから、院長先生自身が知っている退職理由はあてになりません。
要するに、どうしたら辞めないの?
理由の大半は、300人中の158人が選んだ
・「人間関係が良くなかった」
・「労働時間や労働環境が悪かった」
の2点を解決するだけで、300人中150人の退職を防ぐことができそうな気がしませんか。
では、原因を探って、対策していきましょう。
人間関係ってどうしたら悪くなるの?
まずはここを明らかにしなければなりません。
これは明確です。簡単です。再現性もあります。
「普通に仕事が出来る人」と「マジでできない人」が混じったときに、そのまま放置すると人間関係は簡単に悪化します。
例えば、
「トイレットペーパーの在庫がゼロなんですけどっ!!」
とか
「何回教えても〇〇のやり方間違っているんですけどっ!!」
とか
「これやってくれるって言ってたのにやってくれないんですけどっ!!」
とか。
皆が同じレベルで勤務できているときって、ほとんど問題って起きないんです。忙しかろうと、給与が安かろうと、みんな手と手を取り合ってがんばるんです。
ところがそこに「突出してできないやつ」とか、「能力が低すぎるやつ」を混ぜると、途端に業務効率が悪くなって、無駄な仕事が増えていきます。
そこで上長が動いてくれればまだ救いはあるんですが、院長しか人事権を持っていないので、だれもなにもできんないのが実情でしょう。
A法人のケース
【へたくそな歯科医師女医】
ある歯医者で、院長がメインで診察を行っており、高い治療技術でとんでもない早い治療を実現し、トークがうまいことでどんどん自費治療を勝ち取っていった。患者増に際し新たに大学病院に15年ほど勤務した、口腔外科出身の女医を採用した。が、技術の偏りがとてもすごく、埋伏知歯抜歯に掛けてはかなりうまいが、普通の虫歯治療では驚くほど形成がへたくそだった。そう、その大学病院は地方であり、抜歯がメインの業務だった。そのため15年以上も抜歯を担当してきており、その点においては秀でていたが、普通の治療など患者がそもそもこないのだ。
あまりにもおかしいので、コンサルの私自らアシストに入り見てみると、素人の私がみても明らかに軟象の取り残しがあり、アシスト側からう蝕検知駅を差し出したほどだ。
皆さんもご存じの通り、審美歯科での勤務は、自費コンサルの決定により手当がでる。わがままな女医は、形成不十分で数日で脱離するセラミックを何回も何回も作り直す。
院長にその報告をしても、「最初はそんなもんでしょ」と取り合わない。
結果、受付で2112フルジルコニアが4度目の脱離でブチギレたチンピラが怖くて職員数名が辞めた。残ったスタッフは
「あいつに形成させると脱離して受付で怒られるから、コンサルっぽい予約を全部院長のとこにいれよう、あいつ抜歯しかできないから抜歯を予約は全部そっちにいれようぜ」となっていった。
そしてそれに気づいた女医はブチギレて辞めていった。その間たったの2か月。離職者4名、とんでもない跡を濁していった事件だった。
B法人のケース
そもそも一般内科しかやっていなかったが、他院との差別化のために内視鏡を導入。その際に経験あるナースがほしいとのことで、他院で内視鏡担当をしていたというナースを採用。内視鏡資格を持っており、給与交渉なども受け、ある程度評価した状態での入職。
蓋を開けてみれば、運用の方法から、マニュアルから、なんにも頭に入っていない。洗浄の方法もわからなければ、説明もできない。どんなことしてたのかさえ分からない。ただ、クリップだけはやけにうまいから、勤務医の内視鏡医師にはえらく気に入られてる。でもなんにもわからないのに、口だけは達者でずっと内視鏡医師の隣に立っている。
「え、もしかして、患者の背中さすって、クリップしたしてこなかった??」というレベル。
院長に相談しても、「看護のほうはわからないから看護に任せとくー」と。
既存ナースたちもお手上げ。もう勝手にあいつにやらせといてくださいよと退職者3名。残ったのは、ちょっと採血できる程度の、せなかさすりナース。最悪でしたね。
C法人のケース
C法人は、父の代から内科クリニックとしてやってきた。息子先生が帰ってきて「これからは予防だ」ということで、健康診断などをどんどん進めていった。しかし、勤務している事務員は高齢なこともあり、新しい事を覚えられない。院長は、適当にIndeedに求人をだし、たった1名応募してきた事務長を採用した。
私も支援に入っていたわけではないのでよくわかりませんが、そもそも1名しか応募してきていない候補者から1名採用してしまって大丈夫ですか?と聞くと、「あれもできるし、これもできるし、すごいんだよこの人は」と。
3か月ほどたったある日、旧事務員が辞めてしまって困っているとのお声がかかる。話を聞くと、事務長として採用したあいつが、なんでもできるって言っていたくせに、なんにもやっていなくて、腹を立てた旧職員がやめて、そいつも辞めていった。レセプトもできる人がいない。
急遽、中途採用コンサルから介入し、落ち着くまでさらに3か月。最悪でしたね。
どうしたら人間関係の悪化を防げるの?
さて、こういった退職劇を防ぐためには、こういった人間関係の悪化を防ぐ必要があります。そのための方法をお伝えします。
だれにでも普遍的な正解を作る
AさんはこれをしていてOKなのに、Bさんがやったらダメ。そんなものはありませんか?そういったものを、社員規定・従業員規定・服務規程、またはマニュアル化することで、「正しいあり方」を明確に表現しておく必要があります。
例えばA法人のケースであれば、どんなに経験があったとしても院長テストに合格しないと治療をさせてもらえないという状況にしておくべきでしたね。
抜去歯や石膏模型をつかって、形成をやって見せて、CrならTeCを作る、InならCR充填するなど、院長OKがでてから等。
そうすれば、最初から抜歯専用要因にすることで、めちゃくちゃ活躍できたんじゃないかと思います。とにかく埋伏知歯抜歯なら抜けない歯はないんじゃないかってくらいうまかったので。
部署ごとにリーダー役を立てる
クリニックでは、受付・会計・看護など、それぞれに「専門的な知識や、運用ルール」が必要になります。それぞれの部署に長となるスタッフを立てて、その方と院長はまめに話をするようにしましょう。
それこそ、リーダー会として月1食事会などを行ってもいいと思います。
B法人の場合、既存職員にリーダーがいて、新規採用した職員は一般職員からスタートすべきでしたね。「資格がある」のと「実際に介助ができる」のは違います。
業務メニューを明確に作成し、1つ1つできることを確認さえしていれば、貴重なナースをうしなうこともありませんでした。
部署ごとの短時間ミーディングを定期的に行う
ミーティングを行うために診察時間を止めるということに、「無駄」と感じる院長先生もいらっしゃるかと思いますが、多少診察時間を変えたり、診察時間以外に出勤させたりしてでも、定期的な部署ごとのミーティングは必須です。
というのも、クリニックを稼働させると、常に業務が発生します。ですから、情報を共有するということが難しくなってきます。
それでも無理やり情報を共有しようとすると、片方からは良いタイミングで声をかけたつもりでも、もう片方からは今じゃない状態が頻発します。
するとちゃんと聞いてあげられなかったり、しっかり伝わらなかったりを繰り返し、やがて大きなすれ違いへと発展します。
小さなミーティングを設定することで、以下の点が改善します。
・質問していい時間が明確になる
・全体に周知するタイミングができる
・進捗確認を行うことができる
日常的にはしっかり日常業務を行って、MTGはMTGでしっかりと情報共有を行うことで、業務効率が向上します。
業務効率が向上すると、業務内でのストレスが改善されます。
ストレスのない業務は、離職率軽減の最大の要因になります。
C法人のケースでは、定期的に関連者会議を開いて進捗確認をしておけば、「言われたことをやっていない」などを防ぐこともできましたし、少なくとも辞めさせるのはポンコツ職員のほうで、従来からいた職員は守ることができたはずです。
福利厚生でESを向上させる
福利厚生は、総売上から何%を翌年の予算とするなどの取り決めをしておくとよいです。そうすることで、「今年がんばったから、来年これができるよ」などとすることで、早期離職を防ぐ効果もあります。
おすすめの福利厚生①持ち帰れる・食べられるお弁当
クリニックのスタッフはお母さん率が高いです。
だから、夜のお出かけとかはなかなか難しいのが実情です。
ですので、持ち帰れるお弁当みたいなものはとても喜ばれます。もちろんお昼ご飯の時間に届くようにして食べるのもありです。
高額なものでなくていいので、月度予算を達成したら、みんなで決めたお弁当を好きな日に配達してもらっていいよーみたいなイベントを毎月設定をしておくのをお勧めします。
また、ポイントは「KPIと連動して予算を設定」「選ぶ2名を月替わりで院長が指名する」こと。
これによって、経営数値に興味を持たせることと、雑談のようにスタッフ間会話が生まれます。また、何度も繰り返されるイベントということで、「失敗したらどうしよう」という不安も軽減できます。
おすすめ福利厚生②年に一度は良いところでご飯
非日常を作ることも好まれます。
例えば、焼肉なら叙々苑とか。あるのは知っているし、いったこともあるけど、でもなかなか選択はしないお店みたいなところですね。
間違っても近所の居酒屋とかではなく、距離があってでも、なかなか行かないところを選択してください。
これも、決算後とか、半期ごととか、毎年恒例にすること。忘年会とか、夏休み前とかに設定するのも良いと思います。
ただし、2次会はNGです。大体事故がおきたり事件が起きるのは3次会とか4次会。なので、1次会が終わったら院長は帰りましょう。
行くとしても2次会で、さっと飲んで、さっと帰りましょう。
朝までのむぞーとかは、スタッフではなく、仲のいい医師と行きましょう。
おすすめ福利厚生③家族イベント
家族招待イベントが良いです。
BBQスペースを借りてBBQしたり、ボーリングとか、いちご狩りとか。
地域密着するクリニックとしては、スタッフやスタッフの家族は、まちがいなく一番近いファンであるはずです。
特に、女性職員の旦那さんなどが集まってくると、院長先生と話がしてみたいということが多く、地域のファンを増やすチャンスになります。
リスティング広告で3万円払うよりも、3万円分お肉買ってBBQしたほうがよい気がしています。
これは、既存職員へのES向上とともに、スタッフからの求人紹介につながったりもします。
おすすめしないイベント・誕生日ケーキ
これはほんとにおすすめしないです。
まず、うっかり忘れやすい。全職員の誕生日まで覚えてられないですよね。いつもやっているのにうっかり忘れた時などマジできついです。また、はっと思いだしたり気付いたりしても、時すでに遅し。当日とか前日夜とかだと間に合わなかったりします。
また、全員にケーキって、正直毎月毎月永遠と買い続けなきゃいけなくなって、ありがたみが消えていきます。
大変な割に満足度は低いので絶対におすすめしません。
おすすめしないイベント・旅行系
これもおすすめしないです。
まず、ママスタッフが参加できません。で、事故や間違いが起きやすいです。現地で飲みに行ってトラブルに巻き込まれたり、飲みすぎて救急車で運ばれたり。
絶対に飲む系のイベントは1次会までにしたほうがいいです。
2次会は勝手にやってねと、院長は帰ったほうが身のためです。
でも、そんなことやってる暇なくない?
はい。院長先生がそんなことをやっていたら、診察が滞ってしまいます。なので、事務長を採用して、事務長にやってもらいましょう。
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ご興味あればぜひどうぞ。