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ど田舎地方在住者が「MOTA」を利用してみた

ここ数年、一括車買取査定サービスを調べてみると必ず目に入るサイト「MOTA」。
youtubeで中古車業界の諸事情を解説するバディカさんのチャンネルでもそのシステムを分かりやすく解説されています。

この動画をはじめ、MOTAを利用された方のレポートを色々と確認させていただいたのですが、その殆どが都市部で活用するケースだったように感じました。
では、私が住んでる北東北の僻地でこのサービスを利用してみたらどうなるのか?
この度、車を売却する機会があったので、MOTAを利用してみることとしました。


1.MOTAとは

ざっくり解説すると、登録した売却車両のデータを元に買取業者が概算査定し、高額上位3社“だけ”が売主と交渉できるというWebサービスです。
通常の一括買取査定の場合、玉石混交多くの業者から買取交渉の電話がかかってくるのに対して、MOTAの場合は3社に絞られます。これがサービスの強みとして紹介されてますが、個人的には車両に対する価値を共有し妥当性のある評価をしてくれる業者と交渉できる点に価値を感じました。
バディカさんのチャンネルでは、MOTAの特徴についてユーザー側と業者側両者の視点で語られていますので、興味がある方はぜひご覧ください。

2.田舎で通用するのか

これはあくまで推測ですが、
・MOTAへの登録料を節約したい
・Webサービスを上手く活用できない
・そもそも興味や知識が無い
こういった理由から地方におけるMOTAの利用店はかなり限られるのではないでしょうか。
故に地方でMOTAに登録してる業者といったら、
・WECARS(旧BIGMOTOR)
・ネクステージ
・ガリバー
・アップル
・T×T GARAGE
・カーセブン
こういった資本力のある大手業者くらいでしょう。
都市部なら大手以外にも意欲的かつ効果的にWebサービスを利用する中小企業がいるかもしれませんが、地方でそれを求めるは難しいでしょう。
なので、私がMOTAの利用を決めた時点で、おそらくは上記の大手業者と取引することになると予想していました。

3.今回の物件

車両:マツダ ロードスターRF(NDERC)
年式:2019年4月
グレード:S
ミッション:6速MT
走行距離:17,000km
補修歴:無し
装備品
・マツダスピードフルエアロ
・AutoEXEフロント&リアパワーブレース
・AutoEXE フロアパワーブレース
・AutoEXE スポーツサスキット(車高調)

年式が少し古い型落ちモデルではありますが、走行距離も少なく目立ったキズもありません。
補強は経年に伴うボディのやれが生じないように納車時に入れたものです。
よってコンディション的にはほぼ新車に近い状態かと思います。

4.取引完了までの経過

①登録

上位3社に絞り込む以上、精度の高い物件情報の登録を求められます。現車確認後の買取価格の乖離が心配であれば情報量を多めに登録しましょう。
私の場合はかなり詳細に写真を添付したり、パーツの取付日、普段の利用状況を付記しました。(冬季間はほぼ乗らない、冬季装備一式ありとか)
登録するとMOTA側から「翌日12時に査定結果が発表されて上位3社から電話が来ます」というアナウンスがメールで届きます。
登録後にサイトのマイページを見ると登録車両の予想査定額が表示されます。他の利用者も語られてますが、かなり低めの金額が表示されます。決してここで絶望して取引を諦めないようにしてください。

②査定額の通知とアポイント電話

登録翌日の12時に査定結果の通知メールが届き、サイトのマイページに上記の通り表示されます。
もちろん各順位の業者名も表示されます。
私の予想通り、3社とも大手の業者でした。
ついでにMOTA利用者による各業者の口コミも見られます。
今回ランクインした業者の口コミを確認しましたが、肌感覚では良し悪しが半々といったところ。

通知メールから約10分後に各業者から電話が来ます。ここでは価格交渉は無く、現車確認の日取りを調整するだけです。おそらくこの電話で踏み込んだ駆け引きはしないようにお達しが出てるのでしょう。
私の場合、12時20分頃には上位2社との調整が完了しました。
2社を同日同時間に設定し、競り方式で決めてもらうことにしました。
なお、3位の業者からは最後まで連絡はありませんでした。

③現車確認査定と価格交渉

概算査定で2位の値付けをした業者が約束の日の前日に「査定員が近くまで来てるから見させてもらえないか」と打診があり、ちょうど会社を早上がりしてたので了承しました。
現車確認はだいたい30分くらい。その後に装備品に関するヒアリングして情報を業者側のシステムに登録。概算見積が出る約10分後に本格的な価格交渉となります。
以下、査定員さんとのやりとりです。

業者「希望売却額はいくらですか?」
美波「250万円ですね」※交渉用の吹っ掛け金額
業者「(中古車販売価格を見せながら)うちらとしては◯%の粗利が欲しいので210万円でいかがでしょう?」美波「210万円は下限値なので明日来ていただく業者さんの査定結果で決めますね」
業者「250万円じゃなきゃダメですか?」
美波「相当の高望みなのは分かってますが210万円でフィックスするのは早計ですね」
業者「もう少し上ならこの場で決めますか?」
美波「ですね」
業者「…220万円」
美波「せめて概算査定1位にニアな価格は欲しいですよ。いくら1位がランクイン目的の吹っ掛けだとしてもユーザーとしては希望を捨てきれません」
業者「ちょっと店と話してきますね」
(5分後)
業者「225万円でいかいがでしょう?」
美波「230万円ならこの場で決めて明日の業者をキャンセルします」
業者「本部と相談してきます」
(10分後)
業者「230万円で」
美波「ありがとうございます」

こんな感じで交渉成立となりました。
その場で譲渡関係の書類をやりとりして契約完了。

④キャンセル電話

他の業者に断りの電話を入れると、ほぼ必ず「いくらで売却したか」と質問されるようですら。
交渉に参加してくれた感謝もこめて正直に金額を情報提供しました。
「プラス5万円乗せたらウチにしますか?」と持ちかけられましたが、きっぱりとお断りしました。
口約束で了承しても現車確認時に金額を下げられる可能性もゼロではないので。
それ以外は特に何か言われることはありません。拍子抜けするほどあっさりしてました。
まぁここで強引さやしつこさを見せたら口コミに書かれてしまいますからね。

5.買取金額について

230万円という金額がどう評価されるかは分かりませんが、本来の目標額は200万円でしたから個人的にはかなり満足できる数字でした。
後日、任意保険の解約でディーラーに行った際、担当者さんに買取価格を伝えたら「かなり高い」「我々だとその金額では下取りできない」と言ってました。
売るとこに売れればもっと高い値がついたのかもしれませんが、5年前の型落ちであることやリセールバリューの良くない赤であることを加味すると十分な残存率かと思います。

6.地方におけるMOTAの利用は正解か

地方におけるMOTA利用のデメリットは、
「趣味性の高い車種を守備範囲にする攻めた業者が入ってこない」
この点ではないでしょうか。
今回はロードスターを230万円で売却しましたが、スポーツカーを得意としている業者であればもっと高い値を付けていた可能性があります
大手業者の値付けはあくまで市場価値全体を見渡した上での“実効値”です。
一方でニッチな仕様に価値を見出して“ピーク値”で評価してくれる業者も存在します。
趣味性の高い車を売却するとなると、後者の業者に出会えるかどうかで売却金額がかなり変わってくると思います。
そんなチャンスも、MOTAを利用する以上は巡り合うのは難しいかもしれません。
どうしても高く売りたいのであれば、趣味性の高い車を取り扱う中古車屋さんを探して直接交渉してみるのもありかもしれません。
とはいえ、そもそも地方にそういう中古車屋さんがあるのか?という話にもなりますが…

一方、地方でMOTAを利用するメリットもあります。
・全国規模の市場価値で買値を出してくれる。
ていうか、これはMOTAというより、大手の買取業者を利用するメリットですね。
私の住む土地はわりと豪雪地帯なので、車高の低いスポーツ車の価値はかなり低いです。しかし、大手の場合であれば、価値が伴う地域の販売店に横流しすることができます。よって、車の価値の基準は“価値を期待できるエリア”に置かれるため、上振れの評価で買取額を設定してもらうことができます。
今回売却したロードスターも、スポーツ車のラインナップを増やしたい西日本の販売店が受け入れに応じたことで、査定員さんが設定していた見込み金額を超えることができたと伺っています。

結論としては、
・事前に精度高めな暫定買取額が分かる
・全国基準で安定した値付けをする大手業者をアテンドしてくれる
この2点においてMOTAの活用は“あり”だと思います。

7.意外と使えたのは…

これはChatGPTが弾き出した買取相場です。
わりといい線いってると思いませんか?
ちなみに引用元は「ナビクル」というサイトでしたが、そこまでたどり着けるか分からない時はいっそChatGPTに尋ねてみるのもありかもしれませんね。

ちなみに、ロードスターに代わってメインカーになったBMアクセラの予想買取金額はこの通り。
10年目を迎えた車にこの値付けはなかなか強気では?
査定員さんも「美波さんが80万円でいいと言うなら買い取らせていただきますよ」と言ってたのでいい線いってるんでしょうね。
営業トークだと思うので話半分で受け取っておきますが…

8.最後に

今になって思い返すと、買い取ってくれた業者さんは意図して予定よりも早い日に交渉しに来たのではないでしょうか。
先に交渉して他社との競合を有利に進めたかったんだと思います。
先に交渉できれば、必殺のフレーズ──
“今ここで決めてくれたら高く買う”
これが使えますからね。
今回は230万円で売り抜けましたが、それでも“業者の手のひらの上”、私はその必殺のフレーズに屈しただけだと思います。
当初の予定通り同日同時刻に2社で競合させてたら、きっともっと高い値が付いたかもしれません。
今となってはたらればな話ですが…

ここは車の価値よりも、
私が必要とする金額+αが得られた
この事実だけで良しとしておきます。

以上、MOTAを利用した契約成立までの経緯と感想でした。
今後、MOTAを利用される方の参考になったら嬉しいです。
高評価、チャンネル登録をよろしくお願いします。


美波

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