追悼 Chick Corea

こんばんは、ドラムの安倍です。


今回は、先日惜しくもお亡くなりになられたジャズフュージョン界のレジェンド、チック・コリア氏について。


自分とチック・コリア氏の音楽との出会いは今から10年以上前。
高校の部活の先輩からインスト系の音楽をオススメされ、情報収集していた際にたどり着いた「Friends」というアルバム。

https://music.apple.com/jp/album/friends/1443607219


前回挙げた「自分を構築したアルバムBEST 5」にも入れようか迷ったのですが、このアルバムも自分のジャズフュージョンへの扉を開いてくれた一枚です。

今まで聴いてきたポップスやロック、そしてその当時聴き始めたビバップなどとも全く違う世界観に、一気に引き込まれました。

さらにこのアルバムで叩いているのはドラムの神様、Steve Gadd。
彼のドラムも今まで全く聴いたことのないプレイでした。

とにかく全てが新鮮で、この音楽が一体どうやって構成されているのか知りたい、と探究心をかき立てられ、そこからジャズフュージョンの研究が始まったのでした。


それからはチック・コリア氏の来日公演は何度も観てきました。

初めて生で観た時はミーハーながら、「本物だ…!」と興奮したのを覚えています。

彼のライブを観る度に感じたのは、この人はなんてエンターテイナーなんだ、と。

彼が弾いているその姿や音から、共演者や観客を楽しませようとする気持ちが常に伝わってきました。

弾きながら、ニヤっと客席に目線を向けたり、「楽しいね」という空気が常に全体で共有されているような…。
そしてそれがとても自然体で、人柄が溢れていて、毎回ため息が出るくらい素敵なライブでした。

よく「音で会話する」という表現がありますが まさにその時、その表現の本当の意味を体感した気がしました。


自分の世界に没頭し、それを理解してくれる人だけが理解してくれればいい、という考え方も好きですしカッコいいなと思うのですが、彼は音楽の在り方として、究極の理想型だなと思います。

そして、自分もそんなミュージシャンでありたいと強く思いました。


半世紀以上に渡り、世界中の音楽家やリスナーに絶大な影響を与えてくれたChick Corea氏。

しばらくゆっくりお休みになってください…と言いたいですが、本人は既にゆっくり休んでるような気持ちでゆったりと音楽を奏でてそうだな、と思いました。

ご冥福をお祈りいたします。

素敵な音楽をありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?