見出し画像

ゴールドラッシャーズ(ナンセンス小説 2024/1/17)

時は26世紀、太平洋に突然浮上したムワァ大陸で大金脈が発見された。
これを受けて世界各地から金を求めた開拓者がムワァ大陸に移住し、空前のゴールドラッシュが巻き起こる。

始めに採掘家として名を挙げたのはピッケルのファンジスタ、モーリアス氏。ピッケルを10本同時に振り回し、そのうち3、4本が地盤に当たり勢いよく掘り上げる独自の採掘方法でいち早く成果を出す。

次いで名を挙げたのはユンボ界のスピードスター、バルログ氏。彼のユンボはショベルの馬力そっちのけで走力に超特化しており、そのレーシングカー並みのスピードを生かしてムワァ大陸のあちこちを虱潰しに開拓した。

この2人に少し遅れて頭角を現したのが螺旋階段の女王、シャーリー氏。螺旋階段をそのまま巨大なドリルとして使う斬新なスタイルで、圧倒的な深さと掘った穴の中での昇降移動のしやすさを両立した。

ムワァ大陸の開拓史で"第1世代"というときは、このモーリアス氏、バルログ氏、シャーリー氏の3人を指す。
これに対し、以降で紹介する4人の若き採掘家たちは"第2世代"と呼ばれる。

第1世代の台頭から数年ほど遅れてまず名を挙げたのは、人間ジャッキの異名を持つ格闘家レオナルド氏。地面にあるちょっとした隙間に入っては、少しずつ力を加えていき最終的に地盤を割って持ち上げる脅威の腕力を用いて採掘が難航していた地域を単身で開拓していった。

同時期に活躍したのはミミズ専門の呪術師、ポタスコ氏。地中のミミズとコミュニケーションをとって金塊の位置をピンポイントで把握し、自身も呪術でミミズ形態と成ることで自由自在に地中を移動することができた。しかしミミズ形態の見た目がどちらかというとダックスフントに見えるため、近年はダックスフント専門の呪術師を名乗っている。

少し遅れて成果を出し始めたのが自称アトランティス人の末裔、ハットリ氏。地盤の上で瞑想することで金の振動を探るという科学的根拠のない手法で当初は際物扱いされていたが、なぜか高い精度で金脈を見つけ続けたため注目される。本当はニンジャの末裔だという噂もある。

肉体派が多い第2世代の中で唯一の知能派が、統計サイボーグとして知られるフランソワSD800氏。現地で綿密な聞き取り調査をして地質データを集め、そのデータを機械化した肝臓で圧縮したzipファイルを金脈予測コンピューターで解析する方法で一時は爆発的に成果を上げたが、その後は騙されて綺麗な形の石が見つかる河原の情報ばかり掴まされることが多くなり、最終的に綺麗な形の石の収集家への転向を余儀なくされる。

第3世代は現れるのか!?今後の展開にこうご期待!

いいなと思ったら応援しよう!