撮影監督サヨムプー・ムックディプローム - 人々と協調して作ること。環境に沿って物事をカメラの前で起こさせること
タイ・バンコク出身のコンテンポラリ撮影監督、サヨムプー・ムックディプローム
第63回カンヌ国際映画祭でタイ映画史上初のパルムドール受賞となる「ブンミおじさんの森」の撮影監督、ルカ・グァダニーノ監督の「君の名前で僕を呼んで」「サスペリア」の撮影も行った。
”私の信念は人々と協調して作ること。環境に沿って物事をカメラの前で起こさせること”
プリプロダクションに頼るのではなく、セットで見つけた要素や人々と協調することを好んでいる。彼のスタイルはライトの扱いにもそのまま引き継がれる。
ライトは自然光の延長のリアリズムのスタイルだ。自然光を好むビジュアルスタイルだ。
人物の撮影はワイドを好む。近すぎないでどちらかというと観察者の視点だ。いくつものをアングルからの複数のカットを繋ぐのではなく、一点からの視点でできるだけ少ないカットを好む。シンプリシティとナチュラリズムが彼のスタイルの基礎となる。
デジタルよりもフィルムを好む。
”デジタルは試したけれども、映画に使うことができないことがわかった。デジタルはフィルムのように私に語りかけてこなかった。撮影方法そのものの問題ではなく、私にとってそうなのだ。”
「君の名前で僕を呼んで」では映画全編を35mm Cooke S4だけで撮影するという選択をしている。
”観察がこの映画のゴールでした。全ての瞬間を観察すること”
”Cooke S4 35mm は人物を他との関係とともにフレームに捉えるため十分にワイドでかつ、十分にクロースアップで撮影できます"
グァダニーノはサヨムプー・ムックディプロームについて
"彼は技術的な面でシネマについて十分な知識があるにも関わらず、サヨムプーは技術よりも人間味に重点を置いている”
”人間の在り方と彼らの感情を捉えるための、ストーリーテリングの視点からシネマについて優れた知識を持っています。”