映像とはマジック、またはダンス
映像は面白い。監督や撮影監督やエディターやグリップ、サウンドデザイナーやカラリストの小さな積み重ねが、映像を見る人の無意識に働きかけて魔法をかけるのだ。なぜそのレンズを使うのか、なぜそのようにカメラが動くのか、なぜそこにその音が入るのか、なぜこのカットとカットをつなげるのか、どのようにつなげるのか、わずか数フレームでも視聴者の感覚は変わる。映像のことを知らなくても良い映像と良くない映像を感じることができるのだ。まるでダンスのことを知らなくても、良いダンスと悪いダンスがわかるように。
まるでマジックのように、マジシャンが指差した方向を視聴者が見てるうちに反対の手で全てのトリックが終わっているように、人間の感覚を作り上げる。
ここでは様々な映像を見ながら、なぜそのような選択がされているのか考えていきたい。