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「宿命統制にもう一つ必要なことがある。」

それは【感謝と歓喜!】だ。

【感謝と歓喜!】と、

宿命をコントロールできることは

いったいどういう関係があるのだろうか?


このような中村天風師の言葉がある。

「感謝と歓喜に満ちた、善き言葉と行為は、

 人生の花園に、善き幸福という実を結ぶ種子である」


常に、心に【感謝と歓喜】の感情を、有たせる心がける。


習慣として、先ず第一に、何でもいいから、

【感謝と喜び】で人生を考えるように習慣づけよう。


この心がけが、宿命統制にすこぶる効果がある。


しかも

「すべての事を喜び、すべての事を感謝して行く」

と中村天風師はいう。


むかしのわたしは

「そんなことができるのか?」

全てに感謝とは、どういう意味だろうか?


私は以下の言葉に愕然(がくぜん)とした。


【感謝に値(あたい)するものがないのではない。

 感謝に値するものを、気がつかないでいるのだ。】


ガ~ン!

「俺がまさしく、そうやったなあ!」

さらに

【どんなときでも、極論すれば、

 病になっても、不運になっても、感謝しなさい。】


と天風先生はおっしゃった。


わたしは、「エエーッ!」と驚いた。


何で~!


その理由は、何故だろうか?

それについて

中村天風師の逸話で有名な話がある。


それは

奔馬性肺結核という死病に

とりつかれた天風先生が、

インドのヨガの聖者の元で

病を治すために

インドに行きたての時だった。


その頃の天風先生は

高熱が続き、時々、喀血(かっけつ)していた。


毎朝、起きるのもだるく、辛かった。


ある日、天風先生が

「おはようございます」

ヨガの聖者カリアッパ師に挨拶をすると


「おお!世界一の幸福者よ」と

カリアッパ師は言った。


天風先生は腹が立ち、

「あなたは私を冷やかしているのですか?」と言った。


「そうじゃないよ。俺は本当の事を言っているのだ。

 お前ねー、『頭が痛い、熱がある』と言っても、

 【生きてるじゃないか!】

 生きていることを、

 先ず、第一に、何故感謝しないのだ!」


「そんな醜い病に罹っていても、

 生きているお恵みを考えてみなさい。

 そして生きていりゃこそ、こういう処へ来て、

 お前の心というものが、

 だんだん明るくなって行くにつれて

 お前の活き方に対する、総ての欠点が

 解ってくるじゃないか。

 そうしてみると、

 生きているということは何と有難いことじゃないか!

 たとえ、どんな病であろうと・・・」


天風先生は、師からの言葉を聴き、

「何と、今までは、罰当たりな自分だったなあ」

と思ったという。


けれども

それまでの天風先生でさえ

「俺ばっかりは何も悪い事をしないのに、

 こんな病に罹って、弱い人間に成って、

 何と不運な人間だろう。

 この世に神も仏もあるもんか」

というような気持ちで、感謝どころか

毎日、生きていることが憂いと思っていたという。


生きている事が憂けりゃ、

死んでしまえばよさそうなものの、

死ぬ気にはならない・・・。


わたしも、

借金だらけで貧乏のどん底にいた時、

正に、そんな気持ちだった。


「何で俺ばっかり、辛い目に遭うんだ。

 どうして、こんな境遇なんだ。

 なんで

 嫌なことばかり、しんどいことばかりで

 毎日が過ぎていくんだ!」

と、やけっぱちなような、やるせない気持ちで

日々を送っていた。


ところが

天風先生が病で悶え苦しんでいる時に

カリアッパ師から言われたことに

私はハッとした。


【病も運命難も同じだ!】


さらに...

次回につづく

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