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香りからのアプローチ
香りについて書きます。
私は様々な香りの調合をしています。
主に植物を使っています。
*今後は海の産物もやってみる予定です。
蒸留や精油のブレンド、
アルコールに浸けたり、
燻したりすることなど、
手法も多岐にわたります。
植物ごとに、
同じ素材でも加工方法が異なれば香りの雰囲気も変わり、
そのどれにも独特の魅力があります。
出来上がった原料や素材を使って、
いろいろと混ぜ合わせ、しばらく寝かせてから落ち着かせます。
混ぜ合わせた香りは、
さまざまなトーンを持ち、
元の香りを保ちながらも全く違う雰囲気に変わることもあります。
これはとても不思議で、面白い現象です。
そして日々、
私が調合する香りは、
すべて一点物であるため、
調合の数も多く、
いくつもの手順を踏みながらサンプリングを繰り返しています。
トーンの階層に応じてジャンルを分けたり、
相性や持続性を調整したりしています。
お客様からはよく、
「この香りは心を穏やかにしてくれる」
「この香りでスッキリした気分になる」
と言われたりします。
人によって香りのイメージも異なりますが、
色々な効能成分から
効果や作用が期待されるようなものも
たくさんあります。
しかし、
香りに関していうと
最も大切なのは、
内容的な成分のことよりも、
自分が心地よいと感じる香りを持つことこそが、
何よりの効能だと私は思っています。
あの場所で感じた香り、
あの人の肌から漂った香り、
そして想いを馳せながら
あの時に何をしていたのか、
今、その人は元気だろうか、
ああ、あの人に会いたい、
あの場所に行ってみたい。
何でもなかった香りが
とても良い香りに変わる時。
心の中にある大切なスイッチが入るような感覚です。
これこそが、
大切な効能成分です。
その人独自の、
詩的で
私的な心の成分が、
その人の大切な香りなのです。
そんなことを感じながら
私は今日もまぜまぜしております笑