竈炊飯治郎 第07話 富裕層が異界の理由
食事を作ることになりましたが、どうやって作っていったらいいか途方に暮れていました。まず第一、一人暮らしをしていた時も含めて、まともに自炊したことがありません。
母も妻も、そこそこ食事を作れますし、それなりに美味しいです。
ここが落とし穴でした!
・子どもの頃から食べてきた母の食事。
・結婚してから妻が作る食事。
・ご褒美の外食。
これが庶民の食事ではないでしょうか?
でも、私が見てきた富裕層の方の食事は違うのです!
・有名なシェフが作る外食より美味しい自宅のご飯。
・家で食べれない時の外食。
・接待やパーティー。
こんな感じです。
普通の家は、レストランで食べる外食の方が、妻や母が作る食事より美味しいのが常識じゃないですか?だって向こうはプロなんだし。でも、富裕層のお宅は、家の食事の方が外で食べに行くよりはるかに美味しいんですよ。
妻の食事が美味しいって言っても、ミシェランの星付きのレストランより美味しいなんてことがあるわけないじゃないですか?
でも、うちの先生やクライアントのお客様のお宅はぜんぜん違うんです。食事もそうですけど、カトラリーから調度品まで違う。
例えば、先生のところは一番安い皿でもジノリのベッキオホワイトです。理由は食洗にかけれるからです。その上になるとベルナルドになります。これも食洗にかけれるからです。更に上のクラスになると、食洗にかけれない絵付きの皿になります。このクラスになると1枚5万円から10万円ぐらいになります。先生のお宅ではヘレンドのトゥッピーニの角笛あたりがそれになります。それ以上の物になると私たちでは見せていただく機会がありません。
一度だけ、中国の皇帝が使ったレモン色の食器を見せていただいたことがあります。またお客様に、以前フグ刺しを盛ったお皿が古九谷の大皿だったという話をお聞きしたこともあります。ここら辺のクラスになると数十万円から数百万円なのではないかと推測されます。
使ってるカトラリーもフランスのエリゼ宮殿で使われているピュイフォルカですし、多分フォーク1本10万円ぐらいなので、セットはハーフ(6セット)でも1000万円ぐらいではないかなと思われます。
家で食べた方が、三つ星レストランで食べるより豪華なんですよ。テーブルもイタリアの職人さんが手で作ったものだし、テーブルクロスは真っ白い麻のクロスだし、グラスはバカラのアルクールだし、とってもレストランでは出せる物ではないです。
そんな環境で幼少期から食べているんですよ。我々とは感覚が違って当然です。そしてそんなお金持ち達は、お金持ちの輪の中で、交流していくので私たちとは交わっていくことがないのです。まさに異界です。
六本木のお店にいるとき、お金をとんでもなく持った人たちを何人も見ました。でも、こんなこと言ったら申し訳ないのですが、急にお金を持った人と、富裕層の方の生活ではまったく違うのです。生まれたときから見てきた物が違うので、そこを目指すのは無意味です。
成り上がった方が持つコンプレックスはそこから生まれてくるのではないでしょうか?富裕層からすると彼らは異世界人ですし。
富裕層の方を生活を見ることによって、私は自分が目指す成功の道が見えてきたような気がします。
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