竈炊飯治郎 第06話 崩れ落ちる信頼
喉元すぎれば熱さを忘れるという言葉があります。
癌で大騒ぎしていたあずきや、あずき母(元初の鬼嫁)も癌が無くなったと知った途端、もう癌があった事実すらなかったかのように振る舞い出しました。
私がそろそろ起業の話をしたいと言っても、なんだかんだ理屈をつけてははぐらかし始めます。夜話そうと約束をしていても、子供と一緒に寝てしまい、ごまかす生活が数週間続きました。
治ったことを先生に報告して、仕事の話の再開を頼んでくると言ったところ…
「え?資金なんて1円もないよ。」
「それに治ったのも自分が食事制限したからだし。」
親切に情報をくださった先生や、起業を遅らせて子供の世話をしていた僕には、1ミリも感謝をしていない様子…
しかも700万円以上あったお金が、当面の生活費を除いてすべて無くなっている!だから話し合いを引き伸ばしていたのか!家計簿を見せろと言った途端、Macが壊れる始末。そんな都合が良く、パソコンが壊れるものか!!!!
問い詰めると「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」と言っても発狂し出し、話し合いになりません。もう、こいつ言っている事が小学生以下。普通にダメとかっていうレベルじゃない。
離婚を考えて弁護士にも相談に行きました。
師匠である先生に相談したところ、
先生:
子供もいるし、離婚はなるべくしない方がいいんじゃない? 離婚したからって次にもっといい人が来る保障は全く無いからね。・・・と言われました。
それなのにそれなのに、あずきはパソコンが壊れたからと言って・・・
自分のは平気で50万円もするMacを買ってやがる!(しかもお金を使ってしまったことを話す前に発注していたし!)仕事は3万ぐらいのWindowsで十分なのに!
こいつ本当に訳わからない…
千疋屋のフルーツを持参して先生に報告したところ、
先生:
まぁそんなことより、奥さんがぐうの音が出ないような男になって、それから話し合ったら?今のままじゃ水掛け論になるよ。
と諭されるしまつ。
自分の不甲斐なさに、泣きました。まじで。
先生:
まずは奥さんに依存するのをやめて、食事も掃除も自分でやったら?もちろん子供の面倒もね。まずは美味しいものを作れるようになったら?
一人暮らしをしていた時ですら、ほとんど外食だったのに美味しい食事など作れるものなのでしょうか?
先生:
お客さんを接待してる時に、お客さんに「おいしいお寿司があるから今度食べに行きましょう。」と言うと、接待してる側の君が、「僕も食べたいです!」と口癖のように言っていたからね。ガツガツ感をなくすために食事から入ったら?ガツガツ感が無くなったら、その次は掃除かな?
え?そんなにガツガツしてます?
キャァァァ恥ずかしい!
これが私が飯柱を目指すきっかけになった話です。