竈炊飯治郎 第10話 本職の道具
プロの道具と家庭用の狭間で…
調理器具で頭を悩ませるところが、プロが使う物と家庭で使う物が全く違う場合が多いからです。はじめに家にある調理器具を一枚並べにして、写真に撮りました。それを親方に見ていただいたところ、
親方:
奥さん料理あんまり得意じゃないね。かっこ笑い
えええ?調理器具を見ただけで味が想像つく物なのですか?妻はそれなりに料理をしますし、それなりに美味しいと思っていました。どこがダメなのでしょう?
親方:
もし美味しいものを作りたいなら、全部買い替える必要があるなぁ〜まずは鍋からかな?良くこのサイズで大人ふたり分調理できたな、ある意味凄い。
うちにある物もそれなりの値段がして、良いものでそろえてるつもりでした。
親方:
奥さん揚げ物する?
そう言われれば、一回も食べたことないですね。そんなことも調理器具を見ただけでわかる物なのですね。揚げ物は美味しいお店が近くにあるのでそこで買ってました。
親方:
味噌汁とかの出汁ってどうしてるの?
それは妻の実家の姑が自家製で作る粉を入れてました。いりこ主体でざらざらして美味しくないやつです。そんなのもわかるのですね。
親方:
なんでクレープパンがあるの?
それはあずきさんがクレープを作りたいと言って買った、本格的クレープパンですが、一度も使ったことが無いものです。なんでわかったんでしょう?
親方:
だって生クリーム作れる道具がないからねぇ〜。かっこ笑い
そうか・・・そういえば生クリームって作ったの見たことがない。かっこ悪い。
もうバレバレなんですね。料理しない人は道具が全部そろっていない。何か料理を作るのに、鍋ばっかり買って他の料理道具がない。包丁も何本もあっても、三徳庖丁とペティーナイフだけですからね。同じ物をいくつもいくつもかうのが、あずきさん流ですから。沢山物があるのに、料理のレパートリーが少ないから使える物がほとんどない。そういわれてみると、ほとんどがオイシックスのお取り寄せでしたから、月20万円も食費がかかる割に、美味しいものを食べた感がなかったんですね。これからどうしたらいいのでしょう?
親方:
鍋なんかはデパートで買いなよ。安いからってネットで買うと良くてB品、悪ければ偽物だから。ほれ、そこのストウブらしき鍋も偽物だし。
えええええええええ?あずきさんが大事にしているこだわりの鍋が偽物?
親方;
まあね。ストウブにその型ないから、お店のひとに聞いてみなよ。あと面器とか計量スプーンとかは合羽橋で買ったらいいよ。お店のひとに聞きながら。俺たちが使ってるのは本職用だから、素人が使いにくいと思うよ。出来たら先生のお弟子さんで料理が上手い人に、どのサイズが良いか聞いて、合羽橋で探すといいよ。
鍋や包丁はデパートで、細かい物は合羽橋で探すのですね。その日から私はデパートと合羽橋通いが始まりました。
理想の調理道具とは出会えるのでしょうか?