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Stream Deckの何がすごいんじゃ?
さて、行政書士をやっていますと、パソコン作業を沢山します。
いや、今の時代、すべからく事務作業をするならパソコンを使うでしょう。
そして、パソコン作業をしていると、定形の繰り返し作業が出てきます。
世の中では、ショートカットキーを覚えて作業効率化!というのが一つの流れですが、ショートカットキーをたくさん覚えるのもめんどくさいし、
何よりショートカットキーが割り当てられていないものは、繰り返し作業するたびに、クリックしないといけないので、超疲れます。
このような状況の中で、RPAなどの自動化ソフトを導入して、業務効率化を図るのも手でしょう。
ただ、これには莫大な(でもない?)お金が必要となってきます。
一人士業で、そんな事やってられません。
また、Pythonを動かして作業自動化をするというアイデアもありますが、さすがにアプリケーションのある特定のボタンを押すとかいう自動化まではできません。
そこで、登場するのがStreamDeckです。
https://www.elgato.com/ja/stream-deck
私は、15ボタンのStreamDeckの愛用者ですが、パソコンで繰り返し作業、特にショートカットキーがない作業を繰り返している方全てにお勧めしています。
さて、このStreamDeckで何ができるのか、ここで詳しく解説していきましょう。
1、キホンの「キ」
SteamDeckには、デフォルトで、様々な機能が簡単に追加できるようになっています。
例えば、Webサイトを開くとか、アプリケーションを開くとかが簡単にできます。
地味に辛い「新しいフォルダを作成する」とか、「ファイルのプロパティを開く」とか、「ウィンドウを閉じる」とかいう作業も1ボタンにできます。
さらに、OBSやXsplitなどの配信ソフトをお使いの方は録画から、シーン選択などが既に組み込まれてたりします。
PhotoshopやIllustratorやPremiereProなどAdobe製品に関しても、有料ではありますが、よく使うキーのセットが売っています。
1ボタンで、1アクションをさせれば、マウスで探してダブルクリックとか、わざわざショートカットキーを覚えるなどの作業がなくなるので効率的です。
2、命令を連続でやらせる事が可能
たとえば、ブラウザを立ち上げて、IDを入力してEnter、パスワードを入れてEnterという作業を1ボタンに割り当てられます。
もちろん、パスワードをStreamDeckに入れさせるのは、セキュリティの問題があるので、例えばIDだけをStreamDeckに入れさせて、パスワードはChromeなどのパスワード記憶機能を使えば、一段上のセキュリティで、この命令を実行できます。
ブラウザを立ち上げる
↓
IDを入力する
↓
Enterキーを押す
↓
待つ(ブラウザが勝手にパスワードを自動入力)
↓
Enterキーを押す
この一連の作業が、1ボタンとなります。
さらに、オフィスソフトで、PDF保存したい時は、ショートカットキーが複雑である場合が多いです。
なので、PDFで保存させるという作業も、1ボタンで可能です。
3、矢印キーを使えば、オフィスソフトも怖くない
たとえば、ワードの行間の変更をしようとすると、めちゃくちゃ面倒です。
特に細かくptを指定して、行間を調整しようとすると、メニューの中にある、行間のオプションまで到達して、そこをクリックする必要があります。
いろんな段落で、同じ作業をしようとすると、もう、気が狂いそうになります。
しかも、行間オプションは、ショートカットキーが割り当てられていません。
どうするかというと、例えば、
ALT+H
↓
K
↓
「↓」 ✕ 6回
↓
Enter
こうすると、ALT+H+Kで、行間を変えるメニューボタンまで到達して、下に6回行けば、「行間のオプション…」にたどり着くことができます。
このような地味に辛い作業も、1ボタンです。
また、パワーポイントで、フォントの色を変えたいというときがあります。
テーマの色として指定されていれば、一気に変えることも可能なのですが、個別指定されている色は一つ一つ変えていかなければなりません。
ページが何枚もあったりすると、超絶めんどくさいです。
しかも、フォントの色を変えるというメニューはショートカットキーがありません。
ですから、このようにしてみます。
マウス左ボタンを押す(選択)
↓
ESC(文字ボック全体選択)
↓
ALT+H
↓
F
↓
C
↓
Enter
ALT+H+FCで、テーマの色を選択するメニューまで到達しますので、最初の色(つまりテーマの色)を選択させれば文字ボックス全体の色が一瞬で変更できます。
任意の色に変更したかったら、変更したい色をパレットに予め置いて、矢印キーを追加すれば、対応できます。
4、座標選択とマクロ
デフォルトには無いのですが、「SuperMacro」というプラグインを使うと、様々なマクロが組めるようになります。
https://apps.elgato.com/plugins/com.barraider.supermacro
ここで秀逸なのは、座標選択ができるということです。
(SuperMacroの中に、Mouse Locationという画面座標を測定するボタンがあります)
つまり、マウスのポインターを、自分の指定した画面座標まで移動することができます。
私のパソコンはモニターが4画面あるので、端から端までポインターを移動するのは、結構手間です。
(もちろん、私のマウスはKensingtonのどデカいボールマウスなので、ぎゅーっと回せばできるっちゃできます)
そこで、各画面の中央の座標を取得しておき、1ボタンで各モニターの真ん中までポインターが飛ぶようにできます。
腱鞘炎になりません笑。
さらに、画面の座標が指定できるということは、何でもできるということです。
例えば、ブラウザのこのボタンを押して、次にこのボタンを押して、次にこのボタンを押す、という一連の作業をマクロで組めます。
個人的にやっているのは、Youtube Studioで配信予定を組んだときに、この配信URLの共有は結構、面倒くさい作業です。
『共有ボタンを押す、URLコピーボタンを押す、ポップアップ窓の「✕」を押す、戻るボタンを押す』という4回も場所の違うボタンを押す必要があります。
これはショートカットキーもないし、Tabボタンでもできません。
移動して、クリックするしかありません。
ですから、
「指定座標へマウスポインタを動かす→マウス左クリック」✕4
を自動でやらせれば、ポインタ移動の手間もなく、クリックする手間もなく、1ボタンで4つのボタンを順番に押してくれます。
この座標指定は、StreamDeckの最強モードです。
(時たまに、座標がずれることがあるのが玉にキズ)
これができるということは、ショートカットキーがない、キーボードだけではどうしようもない作業がすべて自動化できるからです。
5、とにかく買って損なし
世の中には、StreamDeckじゃなくても、ゲーミングマウスには、プログラムできる拡張ボタンが多数あるものだったり、小さなキーボードのようなもので、ショートカットキーを割り当てられたりするものもあります。
しかし、StreamDeckは、液晶ボタンを見て判断する事ができますし、簡単な1命令から、連続的な命令、さらには複雑なマクロを組むことまでできます。
動画編集などのプロはボタンが多いものを買うべきですが、事務作業を主にする方は15ボタンで十分でしょう。
それでも、210アクションまで記憶させることができます。
さらに、パソコンの自動化プログラムであるPythonと組み合わせたりすれば、無限の可能性を秘めています。
パソコンの前に何時間も座って、同じ作業を繰り返さなければならない方は、是非、導入してはいかがでしょうか?