見出し画像

実家暮らし、を明かすのが怖い


「おはよう」

休みの日は、朝起きたら お湯を沸かす。
朝食のためのコーヒーを作るから。


家族分のコーヒーを作る時
家族分のトーストを焼く時
家族分のお皿を洗う時、

自分は実家暮らしの人間なんだと実感する。


「実家暮らし」というカテゴリーで
会話する時、とても肩身が狭くなる。

というより、あまり人に明かしたくない。


ワンオペで家事をする家庭や
1人暮らしとは確かに異なる。


わたしは4人暮らしで、
家事をするのは わたしと母だけ。

6割 母で、4割わたし。
休日は、ほとんど自分でしているけれど
1人暮らしの人とは程度が違う。

冷蔵庫には食材があるから
自分は調理するだけだし、
買い物は、ほとんど母がしている。

掃除や洗濯をするが、休みの日だけ。


だから、「ラク」しているのだろう。



世の中には、
「1人暮らしをしないと
  実家のありがたみがわからない」
と声高に語る人がいる。

わたしは、その人に言いたい。

「実家にいる時は、親に感謝しなかったのか」
と。



綺麗な家や温かいご飯、洗濯された服は
当たり前に出てくるものだったのか。

実家に暮らしていても、
やってみると 難しいことだらけだ。

洗濯機だって、普段使っていなければ
操作手順はわからないだろう。

料理なんて、調べないと
肉や魚の下処理の方法が微妙なこともある。



誰かと楽しく会話していても、
わたしが実家暮らしと漏らした後には
説教に変わる時がある。

説教でなくても、
「甘えられるからいいね」
と言われることも多い。



とはいえ、「実家暮らしは甘え」
という意見も うなずけることもある。


実家は、そろっているのだ。

自分で暮らす所を探したり、
自分で衣食住の全てを整えることはしない。

わたしの暮らしのように、母との分業制になる。



一人暮らしなら、全部自分でやることだから
確かに実家暮らしは「ラク」だ。

それに、自分のやっていることなんて
ままごと程度なのかもしれない。

でも、自分以外の家族の分がある。
一人なら少ない皿も、洗濯物も、部屋数も。


甘えとは、自分でやれる状況であるのに
他人を頼ることを指すのではないか。

甘えて、自分で一切何もしない生活をしていれば
「1人暮らしをしたからこそ」
という気持ちになるのでは、と考えてしまう。


実家に暮らしていても、
自分でやってみると 難しいことだらけだ。


だいぶ慣れたとはいえ、
初めて作る料理の時は スマホとにらめっこ。

家中の掃除機をかけたり、
週末の家族の洗濯物を干したりしまったり、
一苦労に思うこともある。


他の実家暮らしの人が
どんな暮らしをしているかは知らないが、
これが私の暮らし方。

ただ、誰にも明かしたくない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?